あるアニメを観ています。

2002年の作品なので12年前か。

芝居を始めたのが8年前だから、

僕がまったくの素人だった頃にやっていたわけです。

懐かしいなーと思っていたら、

ふとその頃の自分を思い出しました。

バイトしてたお店のこと、

自分の夢のこと、

家族のこと、

におい、

肌の感触…。



―――――そんな中に、
僕がなぜ芝居をやろうと思ったのか、という記憶がありました。



ここ数年に出演させていただいた舞台に関して、

善いことも悪いこともたくさんありましたが、

何よりも僕は、

義務感というものに強く縛られていたように感じています。

やらなくてはいけない、

という緊張。

結果を出さなくてはならない、

というプレッシャー。

追いたてられるような稽古と本番の連続。



正直、

演じることを楽しめなくなっていました。

というか、

自分が楽しんではいけない、

お客様を楽しませるんだ、

と思っていた。



今はそれが間違いだったのではないか??と思っています。

どんな仕事であっても、

その行為に悦びを感じられなかったら続ける気にもなれない。

つらくても前に進めるのは、

そこに楽しさがあるからなんじゃないのか。

僕はそれを亡くした…というより、

自ら捨てた。

それゆえ、

僕は昨年潰れたんだろうと思う。

「自分のせい」で悪い結果になったんだと思っていたが、

それよりもっと深い部分に「自分のせい」が存在したと思う。

芝居が自分にとって何だったのか。

芝居に何を求めたのか。

何故、芝居、だったのか。



自分が楽しむことを「悪」とするべきではなかったように思う。

楽しみながら追究すること、

追究しながら楽しむこと、

を目標のひとつにすること。



芝居を始めた頃までは、

声を出したり動いたり、

自分はでない人間であることがとても楽しかったのを覚えています。

いつもの自分でない感覚が面白かった。

間違いなくそれは快楽であったわけです。

でもそれが善くないものなんだと誰かに言われた記憶がある。

「役者は楽しんではいけない。苦しい思いをしなくてはいけない。苦しむことが善い芝居になる。」

とかそんなこと。

確かにそれは正解のひとつだし、

場合によってはそうあるべきと思います。

実際そうやって僕は演技力を獲得してきましたし。

でもそういう時期はもう終わったのかな、とも思います。

20代、

ひたすら悩み苦しみながら、

血を吐くような思いをしながら自分にとってのリアルな演技の真髄を求めた。

そして確かに、何かを掴んだ。



30代に入り、

これまで経験したことと得たものを使って、

どうやって取り組むのか。

楽しさと苦しさのバランス。

夢と現実のバランス。

経過と結果のバランス。



もう一歩先へ。

今はそんな過渡期なんだと思います。

様々な取捨選択を迫られるけど、

もっと役者をするために、

何がゆくべき道なのかをこれからも模索していきます。

これからが大事。

ここからが大事。

どうか皆様、

応援をよろしくお願いします。