私が行っているヒスイ原石の切断前処理を紹介します。
今回切る石は、クラックが多い石です。ヨシオ沢のラベンダーヒスイです。
色は美しいのですが作者が見る限り、ヨシオ沢のラベンダーヒスイはクラックが多いです。
以前バレル研磨した原石を切ったことが有りますが、切断する方向に注意が必要です。
クラックに直角に切断すると、勾玉等作品を切削、研磨していく過程で割れてしまう事が有るので、クラック面に平行にスライスする事が割れ難い作品を作る事につながります。
先ず、切る石のどの面を基準とするかを決定します。
クラックは、この面の直角面に多いので、それに対し、平行に切るため、この面を基準とします。この面に平行に切断します。
次に
私が使っているダイヤモンドホイールの板厚は0.8mmです。
原石が、石屋さんで入手したカットプレートなら簡単にタイダウンプレートで固定できますが、河原転石や海岸漂石、割石は固定が難しく、切断中に動くと1枚1万円もするダイヤモンドホイールが歪んでパーになってしまいます。
そんなことが無いように、樹脂で固めてワークが動かなくして切断しています。
以下にこの割石を例に、私の切断時のスタビライズ法を紹介します。
最初にダム板を切ります。ダム板の材料はダイソーで売っている1mm厚さのプラスティック板です。
幅は10mm、何枚か切断します。必要枚数は原石の投影面の4辺を合計した長さ以上必要です。
次に、敷板に荷作りテープを張り、離型します。
投影面に対しクランプで固定する辺を2辺決め、それに合わせてダムを切ります。
基準面が底面に直角になるように傾きを調整します。割りばしの重ね枚数を調整して下駄の高さを決めます。
下駄の位置を決めます。
原石を置いてみて、基準面が底面に対して直角になっているか確かめます。
原石の位置が決まりました。
横から見るとこんな感じです。
下駄の側からみるとこんな感じで、底面側の原石の片側は持ち上げられていることが分かります。
基準面の反対側です。クラックが見えていますが、内部にも、平行のクラックが存在することが想像されます。
固定用の樹脂を流し込みます。
樹脂の混合には、夏場に食べたかき氷のカップを使います。このために洗って保存しています。
使う樹脂はゆっくり固まるエポキシ樹脂を使います。
まず、主剤を計測します。
プラカップを天秤に乗せ、風袋をリセットします。
次に、主剤を100g計量します。
一度に大量の樹脂を硬化させると、硬化反応時に発生する発熱により温度が上がり、さらに反応速度が高くなり、この反応速度の上昇で発泡してしまいます。
という理由で、私は、一度に混合する樹脂量を主材を100gとしています。
ダムの高さも、100gで厚みが10mmくらいになるよう枠のサイズを決めています。
次に硬化剤を計量します。
20g投入します。
20g計量します。
十分混合します。
混合の初期は樹脂に透明度が少しなくなりますが、混合出来て来ると、再び透明になります。
枠に混合した樹脂を流し込みます。
使った工具はシンナーで洗浄して、次の使用の準備をしておきます。
2日したら触れても十分強度が有る状態に硬化しています。
底板と枠を外します。
樹脂部分をクランプでタイダウンして、ダイヤモンドカッターで作品の厚みにスライスします。
まず10~20mm位の切り込みを入れます。
次にカッターヘッドを下げて、全厚みが切断できる高さにヘッドを調整します。
固定した樹脂毎切断します。
最初に入れた切込みが次の本切断のガイドになります。
使用しているダイヤモンドブレードが0.8㎜の厚みで、一気に切るためにはブレードの剛性が不足して居ます。半面、力が0.8㎜の狭い幅に集中するので、切れ味が良く、作者はこの薄いブレードを選択しています。
切断が完了しました。
テーブルの送り速度が遅い(30~60mm/分)ので、切断面が滑らかで完成時の色調が、ある程度想像できます。
全部スライスしました。
縦方向で見ると、
反対側から見ると、
4枚、平らに並べると、こんな感じになります。
これでスライスが完了しました。




























