使用者は、(省略)有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。(法39条④項)


上記による解釈は「労働者は有給休暇を取得してもいいですよ」ではなく、「使用者は有給休暇を与えなければならない」です。勘違いしている企業や管理職は多いですね。私も勘違いしてましたがw


しかも、労働者が請求して却下される条件として、「事業の正常な運営を妨げる場合」とあります。管理職の勝手な都合で却下することは許されていません!使用者は、請求した労働者の代役を立てる等の対策により、請求された時季に取得させるよう最善の努力を尽くすべきです。


また、最高裁判所の判例として以下のものがあります。


休暇の時季指定の効果は、使用者の適法な時季変更権の行使を解除条件として発生するのであつて、年次休暇の成立要件として、労働者による「休暇の請求」や、これに対する使用者の「承認」の観念を容れる余地はないものといわなければならない。(事件番号:昭和41(オ)1420・昭和48年3月2日 一部を抜粋)


「休暇の請求(労働者)」→「承認(使用者)」の流れではないということです。管理職が労働者の有給休暇取得状況を把握し、管理職から率先して有給休暇を取得させるのが本来の流れですね!


責任感が強くて立場上取得できない方も多いと思います。このような労働者に対して有給休暇が取得できる環境を作ってあげられれば、身を粉にしてがんばってくれるでしょう!

使用者は、(省略)有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。(法附則136条)


有給休暇の取得状況は、労働者により大きく異なります。ほとんど取得しない(できない)労働者もいれば、周りがどんなに忙しくても確実に取得する労働者もいます。


企業側から見れば、取得しない(できない)労働者に対して、昇給や昇格を有利にしてあげたい考えは当然あるでしょうが、法附則136条ではこれを禁止しています。


この法令に違反しても罰則はないため、有給休暇の取得状況による労働者の差別化を強行することも可能ですが、民法上抵触する法令があるようですので気をつけましょう。(もちろん、民法の抵触如何に関わらず、労働基準法違反を推奨しているわけではありません。)


なお、取得できなかった未消化の有給休暇企業が買い取ることは違法ではないようです。取得できなかった労働者は、企業側と相談してみるのもありでしょう!


すみません、訂正です。

上記について調べたところ、有給休暇の買い取りで違法にならない条件は、2年間の時効により消滅する分と、退職により消滅する分の有給休暇のようです。厚生労働省のHPによる正式な法令を掲載したいのですが、探しきれませんでした。。。


私の未消化有給休暇を換金したら、いくらになることやらw

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。(法39条)


雇い入れ後6か月継続勤務して、全労働日の8割以上出勤した場合は、10日間の有給休暇が付与されます。また6か月後は1年ごとに10日間+αとなり、αは以下のように定められています(法39条2項)


1年・・・1日
2年・・・2日
3年・・・4日
4年・・・6日
5年・・・8日
6年以上・・・10日


雇い入れ後から1年ごとであれば覚えやすいのに。。。などと考えてはいけませんねw


なお、私が知っている方(以前から話題に挙がっている協力会社さんですw)は毎年10日ほどしか支給されていないようでした。しかも半分は夏季休暇として強制的に消費されてましたし。


もしかすると、全労働日の8割以上出勤していなかったのかも。。。ほぼ毎日出社してましたけど、出勤時間はまちまちでしたからそれが原因か?w