大人の深夜寄席 帽子亭モーリー

まいど馬鹿馬鹿しいお話を聞いていただきます。
落語ってぇと長屋ものが多くございまして、長屋の花見なんてね。
貧乏だから色んなものを代用して笑いを誘う話がございましたねぇ。

今夜はちょっと大人の長屋のお話を聞いていただきましょう。
大工の熊さんのところに、えらい別嬪さんが嫁に来ましてね。
そりゃ12軒ある長屋のみんなは大騒ぎでございます。
 

このお嬢さんは良いところの育ちでしてね。ある大店の家を修理した際にいっぺんで惚れましてね、俗にいう一目惚れでございました。
一生懸命で不器用だけど優しい熊さんのことを気に入ったんでございます。育ちが良いからそりゃ生真面目で勉強熱心な娘さんでございます。慣れない家事にも一生懸命だからすぐに上達しまして、なんとか熊さんを喜ばせようと努めるんですが、ひとつだけ上手くいかないことがございました。
 

それがおぼこで嫁に来たもんですから、夜の営みがどうも上手くいかない。そこで嫁さんは考えた挙句、隣の八っつぁんの家との壁に穴をあけて見学をすることにしましてね。
熊さんが寝静まったころ隣から例の声が聞こえて参りますと、そぉーと日めくりを外して正座をしならが見学をしておりました。
「あら。。そんなことまで。。。あら。。。まぁ」てなもんでございます。

最後には、流石に良いとこのお嬢さんでございます。勉強賃としましてねお礼に一文をそぉと壁の穴からコトリと投げ入れました。数日そんな日が過ぎまして。
 

勉強熱心なお嬢さんですからメキメキとあっちの方も上達しましてね。朝起きると井戸端で近所の奥さん方から冷やかされるようになりました。なにせ昔は紙と木の長屋でございます。12軒の長屋全部に良い声が響くものですから、そりゃ大変なことでございます。

熊さんが2~3日家を空けて帰って来た日の夜。
新婚さんですから、そりゃ。。。想像にお任せしますが。。。

熊さんが朝起きますとね何故か日めくりの下に12文がころがっておたそうでございます。

みなさん今夜もフィーバーしちゃってください。
おあとがよろしいいようで。