#3 "太陽とイーリス" | UNCHAINオフィシャルブログ

#3 "太陽とイーリス"

#3 "太陽とイーリス"

イーリスとは、ギリシア神話の虹の女神。虹は雨上がり等に太陽と向かい合うように反対側に現れる。
水滴に光が屈折、反射して七色に輝く。


一度は人生をあきらめてしまった主人公「僕」にとって、彼女はまさに虹のように輝いて見えていたことでしょう。
彼女はいつでも前を見て、太陽を見て、道を歩いていました。
たまたま、ほんの偶然だったのです。彼女の道と「僕」の道が交差した。「僕は」見つけてしまったのです。

その道は終わりへのカウントダウンをただ数えるだけに存在していたはずだった。なぜここにいるのか。なぜ生きているのか。理由なんかなかった。でも、彼女が「僕」の生きる理由になったのです。

理由を見つけた「僕」は生きた。そして、彼女を失った。

それでも、生きた。



生きるってゆうのは、なんなんでしょうね。何かの意味があるのかな。あるのかもしれない。でも意味なんかなくたって生きてゆける。
彼女は「僕」にとって意味があった。では「僕」は彼女にとって意味があったのでしょうか。
「僕」は彼女の太陽に果たしてなれたのかどうか。
どう思いますか?

さて、このお話はフィクションです。
しかし、僕には「僕」と同じように、会いたくても決して会えない奴がいる。
まあそれだけのこと。

ここで登場する「太陽」はイーリス(彼女)にとってのなんだったのでしょう。ご想像にお任せします。
そして「僕」には何があったのか。イーリスにどんな運命が待ち受けていたのか。ご想像にお任せします。
もちろん僕の中にそれはイメージとしてあるのだけれど、言っちゃうと聴く人の楽しみを奪っちゃうような気がして。
「僕」がどんなやつか、「彼女」がどんな子か、それはあなたが知っている。


谷川マスオ