『すやすや眠っているみたいに見えるね、こたろう』
最期まで力強く生きてくれたね、ありがとう。
“生きてるのが奇跡ですよ”、
獣医に言われたのが今年の1月。正直、あきらめかけてたぼく。
そんな不安をよそに、みるみるうちにとまでは言わないけど親身になって治療に専念してくれた動物病院のスタッフのみなさん、そしておやじ、おふくろの熱心なサポートもあって、それなりに元気になった。
じいちゃん犬だからよたよた歩きだけど散歩出来るし、食事も普段と変わらずしっかり取るし、ちょっかい出せば、“ワンっ!!”と怒るし(動画も保存してる)。
もちろん、薬を定期的にとったり、病院にも通ったけど普段とは変わらない生活。つくづく、こたろうの精神力は強いな、と感じてた。
絶対負けない!
絶対生きる!
そんな思いがこたろうにはあったのかな?
今年6月ぐらいから、壁とかにコツン、コツンとよくぶつかるようになった。
目が本当に見えなくなり始めたのはその頃だろうか。よたよた歩きが余計によたよた歩きに。でもこたろうなりに一生懸命、地に足をつけて歩いてた。
週末、ぼくが会いに行っても当然、見えない。だけど匂いでわかるのだろう、ぼくを認識した途端、しっぽを振ってくれた。その刹那、すでに挨拶代わりにもなっていたちょっかいを出すぼく。
いつものように、
“ワンッ!”
本気で怒るこたろう。その度に、ほっとする自分がいた。
そんな数ヶ月を繰り返していた。
10月にはいり、こたろうの様子が変わる。
実家の両親たちいわく、“歩いてると時折、倒れて、そして鳴き出すんだよ”
ぼくも初めてそんなこたろうを見て正直、ショックだった。
痛いの?
苦しいの?
言葉もわからなければ、助けてやることも出来ない。
さすがにその回数が多くなり、家族で病院に連れていった。
獣医いわく、血を全身に送り込む心臓の力が弱まってる、と。
また倒れたときはこれを口に軽くスプレーしてあげてください、とニトロールを手渡された。
病院で見てもらったあと久しぶりにこたろうを抱いて写真を撮ってもらった。弱々しいけど、かわいい顔してるじゃん、こたろう。
その二日後、こたろうは天国にふっと旅立っていった。
その夜もふらふら歩きながら倒れ、弱々しくこたろうは数秒鳴いていたという。
いつものように発作が治れば、いつものように息を吹き返し、何事もなく寝息をたてて眠りにつくのだろう、と両親は当然のように思っていた。
倒れたまま、ずっと動かない。息もしてない、こたろう。
仕事が長引き、こたろうが天国に旅立ってから2時間後ぐらいに嫁と実家に行った。
寝てるのかと思ったほど、安らかな顔をしている。
こんなときって、涙が自然と溢れ出すんだね。
15年もの、こたろうとの思い出が一気に頭の中を駆け巡る。
こたろうは、幸せだったのかな?
こたろうは、楽しんでくれたかな?
こたろうに、嫌な思いをさせてなかったかな?
聞きたいことを挙げれば、枚挙にいとまがない。
11月3日。
深大寺で、こたろうを家族皆で見送ったよ。
天気もよく、心地よい陽気だった。
こたろうの最後の粋な計らいかな?
これまでありがとう、そしてこれからも皆を見守ってね(^-^)
こたろうを気にかけていただいた、皆様、本当にありがとうございました。
※すいません、こんな内容でm(_ _)m