【第2世代から第3世代人事管理システムへの変更が不利益変更か否か】

組合側の「不利益変更を従業員の同意を得ることなく実施したので無効である」との主張に対する会社側の回答は、
1.活性感を得るために行った措置である。
2.説明会等で十分に説明し、周知した。
3.説明会後、質問、異議もなかったので従業員から承諾(了承)を得ている。
4.(従前の基本給を削減した分を固定残業代に付け替えたが)総額は減少しておらず、合理性がある(不利益ではない)。
というものでした。

このような回答に対して言いたいのは、
1.活性感は、労働条件ではないので、団交で議論すべきことではない。
2.会社側はそう見做しているいても、たった1時間程度のプレゼンと初めに結論ありきの質疑応答を周知したと言えるのか。就業規則(給与規程)も未だに変更せず、年間540時間の超過勤務手当相当分に関しては、就業規則に労使協定にも記載されおらず、説明内容と違うじゃないか。それに周知すべきは就業規則や労使協定であり、説明会資料やプレゼンスライドではない。
3.だから今、異議を唱えているのです。質問や異議を唱えるのに期限がありましたか。まだ1年も経っておらず、年度も変わっていませんよ。「黙示同意」を主張するには早すぎませんか。
4.合理性が有り、(たとえ不利益変更であっても)変更に際し従業員の同意は不必要である、と言いたいのでしょう。しかし、合理性は支給金額だけで決まりません。労働契約法第10条を良く勉強してください。必要性、相当性も含めた総合的な判断ですよ。
ということです。

組合が不利益変更と主張する根拠は、支給総額ではなく、所定の労働時間に対する賃金の減額です。つまり、超過勤務手当相当分を除いた金額です。また、会社は第3世代人事管理システムハンドブックで、「第2世代では等級給に時間外労働手当を含んでいた」と説明していますが、実際には基本給を大幅削減して、超過勤務手当相当分に付け替えています。

どのように説明しても、所謂「名ばかり残業代」を実施したのは明らかでしょう。支給額を従前よりも少し多くするとか、まさに社長の味方と自称する弁護士、社労士の指南を受けたんじゃないんですかね。

7月3日ですが、今、気づきました。そもそも第3世代人事管理システム導入の説明会で、社員に行った説明に嘘があったのだから、たとえ誰かが同意したとしても取り消しできると考えます。嘘とは、今までも残業代は等級給に含めて払っていたとか、超過勤務手当相当分は36協定で規定するとかです。それに説明会時の説明と、団交での説明で異なる部分がありますから。