煙草の吸い方について科学する。
煙草の楽しみ方にはいくつかある。
嗅ぐ。
噛む。
吸う。
嗅ぎ煙草(スナッフ)は粉末にした煙草を鼻から吸入し、その香りを楽しみ、ニコチンを鼻粘膜から吸収するものだ。
かのジャン・ニコ(ニコチンの名前の由来となっている人)が紹介し、カトリーヌ・ド・メディチが偏頭痛を治すのに使ったのも嗅ぎ煙草で、王妃が気に入ったため煙草はフランスに広まったのである。
北欧のスヌースも嗅ぎ煙草に分類される。
小袋に入れた煙草を口中に入れるが、噛まずに入れておき、ニコチンを吸収させる。
アメリカン・スヌースも嗅ぎ煙草である。
これは小袋ではなく、ダイレクトに煙草を湿らせた塊を口に入れる。
どちらも唾液を飲むと危険である。
噛み煙草はアメリカのチューイング・タバコである。
これはチューインガムのように噛む。
唾液を飲むと危険である。
アメリカン・スヌースやチューイング・タバコはいかにも体に悪そうである。
やはり煙草は吸う方が(まだ)良さそうだ。
吸い方にもいくつもある。
パイプ。
水パイプ。
葉巻(プレミアムシガー、ドライシガー、シガリロ)。
煙管。
手巻き。
紙巻。
大きく分けると、紙巻とそれ以外とも言える。
なぜか。
紙巻は既製品であり、それ以上変化することはなく、かつ、大抵は吸う煙草が決まっていて色々と楽しむなどという人はあまりいないのである。
それ以外の喫煙方法では色々な変化がある。
加湿、ブレンド、詰め具合・太さ、など。
紙巻を加湿する人はほとんどいないだろうが、一度加湿という行為を覚えた人は紙巻も加湿するようになる。
プレミアムシガーは加湿(保湿)が必須となり、ドライシガーは加湿しなくて良いが保湿は必要である。
見た目で紙巻に一番近いのは手巻きだと思われるだろうが、本質的に近いのは葉巻なのだ。
手巻きは紙巻とはまったく違う楽しみ方をする。
ブレンドは葉たばこのブレンドを気にするようになることもあるが、別の煙草を混ぜて吸うことである。
これは紙巻や葉巻ではしない(できない)が、手巻きやパイプでは可能である。
煙草は詰め具合で燃焼が変わる。
当然、味も変わるのだ。
パイプに固く詰めるか緩く詰めるかでまったく変わるし、ミニパイプともいえる煙管も同様に違ってくる。(パイプと煙管は似て非なるものである)
手巻きでは詰め具合も変えられるが、太さも変えられる。
今回は、その煙草の太さについて考察する。
既製の紙巻は太さがほぼ同じになっている。
直径約7mm。
手巻きでは紙の大きさにもよるが、細巻きから太巻きまで色々と作れる。
同じ太さで良いというのは楽しみを知らない人だろう。
麺では、素麺・冷麦・うどんと太さが違い、パスタでも細いものから太いものまである。
太巻き・中太巻き・細巻きというと巻き寿司を連想するが、それぞれが存在しているのは意味があるからに他ならない。
麺は冷麦のみ、巻き寿司は中太巻きのみというのでは楽しみが減るというものだ。
別サイトで「パパも式ハンドローリング」を紹介している。
一般的な巻き方ではなく、自己流アレンジによって誰でも簡単に上手に巻ける方法である。
その方法では、脱脂綿(カット綿)をフィルター代わりに使う。
2cm×2cmサイズにして、それをクラフト付箋紙で巻いてフィルターとするが、その場合紙巻と同じ太さの煙草になる。
綿のサイズを1cm×2cmにしたものと、4cm×2cmにしたものでは(綿の圧縮具合が同じだとして)フィルター体積が半分のものと倍のものが作れる。
これは煙草の断面積が半分のものと倍のものということになる。
(円柱の体積は断面積×長さ)
これを細巻き・普通巻き・太巻きと呼ぶことにする。
ここまでで何が言いたいか判った人は科学する目を持っている。
ヒントは既に書いてあるからだ。
では、この3種を吸ったらどうなるだろうか。
例えば、煙の量は。
答えの前にひとつ考えていただこう。
普通の紙巻を1本咥えて吸うのと、2本、3本咥えて吸うのではどう違うだろうか。
ただし、無添加の紙巻だった場合である。
答えは「同じ・変化しない」だ。
吸う体積を35mlとしよう。
これは自動喫煙機の吸う量である。
太かろうが細かろうが、同じ量を吸うのだから、同じ量の煙が出る。
当たり前のことだ。
1本と2本を咥えて吸った場合の方が分かりやすいかもしれない。
1本のときはその1本から35ml吸い、2本のときは1本あたり17.5ml吸うことになる。
半分しか吸わなければ、半分しか煙が来ないのは当然だろう。
煙草を何本も咥えると煙が多くなるというのは錯覚である。
それは燃焼剤が添加されているため、吸わなくても燃えるからだ。
副流煙は1本のときより、2本のときの方が倍になる。
しかも、それぞれから主流煙は半分しか発生させないのだから、その分でも副流煙は増える。
吸う煙(主流煙)は同じなのに、吸わない煙(副流煙)が倍以上になるため錯覚するのである。
燃えている部分の火の量はどうだろうか。
同じ量の煙を出すように燃えるのだから、燃えた量(体積)も同じである。
標準巻きが2mm燃えるなら、細巻きは4mm燃えることになり、太巻きは1mmしか燃えないことになる。
この吸った煙に含まれる燃えた紙の臭いの量は、標準が2mm分であり、細巻きはその倍、太巻きは半分である。
紙の燃えた臭いは雑味だから、雑味が細巻きでは倍になり、太巻きでは半分になると言える。
更に、煙草を美味しく吸うために、クールスモーキングがある。
あまり強く燃やさず、熱くしないのが鉄則なのだ。
これは、燃えた体積ではなく、燃えてできた赤い火の部分の量が問題だろう。
つまり、太巻きの方が熱くならず、クールスモーキングができるということになる。
これは葉巻でよく判る。
葉巻は太い方が美味いのである。
理論の後は実験が必要だろう。
巻いてみた。
![$私的科学研究所-太さ比較](https://stat.ameba.jp/user_images/20101125/11/unapapa/6c/11/j/t02200157_0500035610880140369.jpg?caw=800)
左から、太巻き、普通巻き、比較のためのゴールデンバット、細巻きである。
雑味についてはかなり違う。
太巻きの方が断然美味かった。
が、太巻きはシャグを標準の倍使う。
細巻きは半分で済む。
どちらを取るか、それが問題だ。
煙草の楽しみ方にはいくつかある。
嗅ぐ。
噛む。
吸う。
嗅ぎ煙草(スナッフ)は粉末にした煙草を鼻から吸入し、その香りを楽しみ、ニコチンを鼻粘膜から吸収するものだ。
かのジャン・ニコ(ニコチンの名前の由来となっている人)が紹介し、カトリーヌ・ド・メディチが偏頭痛を治すのに使ったのも嗅ぎ煙草で、王妃が気に入ったため煙草はフランスに広まったのである。
北欧のスヌースも嗅ぎ煙草に分類される。
小袋に入れた煙草を口中に入れるが、噛まずに入れておき、ニコチンを吸収させる。
アメリカン・スヌースも嗅ぎ煙草である。
これは小袋ではなく、ダイレクトに煙草を湿らせた塊を口に入れる。
どちらも唾液を飲むと危険である。
噛み煙草はアメリカのチューイング・タバコである。
これはチューインガムのように噛む。
唾液を飲むと危険である。
アメリカン・スヌースやチューイング・タバコはいかにも体に悪そうである。
やはり煙草は吸う方が(まだ)良さそうだ。
吸い方にもいくつもある。
パイプ。
水パイプ。
葉巻(プレミアムシガー、ドライシガー、シガリロ)。
煙管。
手巻き。
紙巻。
大きく分けると、紙巻とそれ以外とも言える。
なぜか。
紙巻は既製品であり、それ以上変化することはなく、かつ、大抵は吸う煙草が決まっていて色々と楽しむなどという人はあまりいないのである。
それ以外の喫煙方法では色々な変化がある。
加湿、ブレンド、詰め具合・太さ、など。
紙巻を加湿する人はほとんどいないだろうが、一度加湿という行為を覚えた人は紙巻も加湿するようになる。
プレミアムシガーは加湿(保湿)が必須となり、ドライシガーは加湿しなくて良いが保湿は必要である。
見た目で紙巻に一番近いのは手巻きだと思われるだろうが、本質的に近いのは葉巻なのだ。
手巻きは紙巻とはまったく違う楽しみ方をする。
ブレンドは葉たばこのブレンドを気にするようになることもあるが、別の煙草を混ぜて吸うことである。
これは紙巻や葉巻ではしない(できない)が、手巻きやパイプでは可能である。
煙草は詰め具合で燃焼が変わる。
当然、味も変わるのだ。
パイプに固く詰めるか緩く詰めるかでまったく変わるし、ミニパイプともいえる煙管も同様に違ってくる。(パイプと煙管は似て非なるものである)
手巻きでは詰め具合も変えられるが、太さも変えられる。
今回は、その煙草の太さについて考察する。
既製の紙巻は太さがほぼ同じになっている。
直径約7mm。
手巻きでは紙の大きさにもよるが、細巻きから太巻きまで色々と作れる。
同じ太さで良いというのは楽しみを知らない人だろう。
麺では、素麺・冷麦・うどんと太さが違い、パスタでも細いものから太いものまである。
太巻き・中太巻き・細巻きというと巻き寿司を連想するが、それぞれが存在しているのは意味があるからに他ならない。
麺は冷麦のみ、巻き寿司は中太巻きのみというのでは楽しみが減るというものだ。
別サイトで「パパも式ハンドローリング」を紹介している。
一般的な巻き方ではなく、自己流アレンジによって誰でも簡単に上手に巻ける方法である。
その方法では、脱脂綿(カット綿)をフィルター代わりに使う。
2cm×2cmサイズにして、それをクラフト付箋紙で巻いてフィルターとするが、その場合紙巻と同じ太さの煙草になる。
綿のサイズを1cm×2cmにしたものと、4cm×2cmにしたものでは(綿の圧縮具合が同じだとして)フィルター体積が半分のものと倍のものが作れる。
これは煙草の断面積が半分のものと倍のものということになる。
(円柱の体積は断面積×長さ)
これを細巻き・普通巻き・太巻きと呼ぶことにする。
ここまでで何が言いたいか判った人は科学する目を持っている。
ヒントは既に書いてあるからだ。
では、この3種を吸ったらどうなるだろうか。
例えば、煙の量は。
答えの前にひとつ考えていただこう。
普通の紙巻を1本咥えて吸うのと、2本、3本咥えて吸うのではどう違うだろうか。
ただし、無添加の紙巻だった場合である。
答えは「同じ・変化しない」だ。
吸う体積を35mlとしよう。
これは自動喫煙機の吸う量である。
太かろうが細かろうが、同じ量を吸うのだから、同じ量の煙が出る。
当たり前のことだ。
1本と2本を咥えて吸った場合の方が分かりやすいかもしれない。
1本のときはその1本から35ml吸い、2本のときは1本あたり17.5ml吸うことになる。
半分しか吸わなければ、半分しか煙が来ないのは当然だろう。
煙草を何本も咥えると煙が多くなるというのは錯覚である。
それは燃焼剤が添加されているため、吸わなくても燃えるからだ。
副流煙は1本のときより、2本のときの方が倍になる。
しかも、それぞれから主流煙は半分しか発生させないのだから、その分でも副流煙は増える。
吸う煙(主流煙)は同じなのに、吸わない煙(副流煙)が倍以上になるため錯覚するのである。
燃えている部分の火の量はどうだろうか。
同じ量の煙を出すように燃えるのだから、燃えた量(体積)も同じである。
標準巻きが2mm燃えるなら、細巻きは4mm燃えることになり、太巻きは1mmしか燃えないことになる。
この吸った煙に含まれる燃えた紙の臭いの量は、標準が2mm分であり、細巻きはその倍、太巻きは半分である。
紙の燃えた臭いは雑味だから、雑味が細巻きでは倍になり、太巻きでは半分になると言える。
更に、煙草を美味しく吸うために、クールスモーキングがある。
あまり強く燃やさず、熱くしないのが鉄則なのだ。
これは、燃えた体積ではなく、燃えてできた赤い火の部分の量が問題だろう。
つまり、太巻きの方が熱くならず、クールスモーキングができるということになる。
これは葉巻でよく判る。
葉巻は太い方が美味いのである。
理論の後は実験が必要だろう。
巻いてみた。
![$私的科学研究所-太さ比較](https://stat.ameba.jp/user_images/20101125/11/unapapa/6c/11/j/t02200157_0500035610880140369.jpg?caw=800)
左から、太巻き、普通巻き、比較のためのゴールデンバット、細巻きである。
雑味についてはかなり違う。
太巻きの方が断然美味かった。
が、太巻きはシャグを標準の倍使う。
細巻きは半分で済む。
どちらを取るか、それが問題だ。