イスラエルのパレスチナ人エリア・スレイマン監督の「天国にちがいない」を観た。

美しい場面のリズミカルな切り替えや、人物の真正面のショットは不思議と小津安二郎を想起させる。

「D・I」と同様、この映画でもスレイマン自身が主役を演じているのだが、コミカルな場面でもちっともこれ見よがしではなく、その演技にはチャプリンとはまた異なる乾いたメランコリーやノスタルジーを感じてしまう。

スレイマン監督の映画は「D・I」以降、観ていなかったのでかれの顔が老いて見えるのは無理もない。

でも、とても彼の今の顔が好き。

そして、途方もなくあまりに映画的な素晴らしい作品でした。