せん妄が現れ

暴言を吐き

人工肛門を

引き千切り

暴れながら

拘束され

そこに居ない私の名前を呼んで

孤独に旅立った人




何百回

後悔しただろう

何百回

許しを請うただろう


どんなに願っても

もう


そこには居ない




人生は難しい






2年前の今日に

こんにちは


死を告げる医師の声

電話の向こうに

呼吸を止めたあの人はいたんだ


2022年3月9日


午前1時11分


今日がまたやってきた。

まだ

生かされている私がいる。


2024年3月9日