LINEでしか会話が無い

私と息子……





ある日

突然


九州に行くから、一緒に行くなら

俺が費用出すよ…

LINEの文字を追いながら

戸惑う私




半信半疑で

自分が

どこに行くのかもわからないまま

飛行機✈で福岡空港へ


車🚙で、

九州を南下して行く




そして

5年暮らした宮崎へ


住んでた街は、時代の流れに逆らえず

様変わりしていたが、隅々に懐かしさは残っていた







幸せって?

これは現実?


そんな思いが交錯しながら、

息子が御膳立てした焼き肉店で

とろけるような焼き肉に

誘惑されて酔っ払う私…


翌日


娘が産まれた鹿児島へ

加治木町へ


そこには、その昔、幸せな日々が存在していた



朝の桜島

眼の前の錦江湾の向こうに

桜島が…涙で霞む…




磯庭園



雨に濡れながら

母親を気遣う息子




明日

八代市へ行こう…

八代亜紀さんに会いに行こう…

お母さん

八代亜紀が好きやったね。

車を運転しながら、

息子は、遠くを見ながらそう言った






八代市役所の中

献花台に

彼女は、微笑んでいた。

彼女への感謝のメッセージを書いて

記帳




彼女の歌の向こう側に

自分も居た気がした。




宮崎でも

鹿児島でも

熊本でも

息子がたくさんご馳走してくれた


ホテル朝食はソウルフード

冷や汁

鶏飯



思い出ばかりの一週間が過ぎた


こんな時間は

夢のまた夢

じゃなかった…


母親って

ありがたい


私を母親にしてくれて

ありがとう



そしてまた

LINEだけの日常が

始まった


でも

それでも構わないと思う私がいる。


福寿草

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