先日プチ旅行したおかげで知った『魚の棲む城』ですが、早速近所の図書館で借りて読んでみました。想像の斜め上で面白かった!!キラキラ

 

 借りる前にまず図書館のサイトで検索したんですが、この本文庫版だと上・中・下巻があります。だからボリュームが凄い💦 読み応えがあるっちゃあるけど、今まで読んだ歴史小説は舞台が戦国時代だったから、ボリュームあっても「待ってました!!キラキラってなりますが、これは江戸時代の話だから流石にちょっと怯んだよね……💦 でも読み始めたらスイスイ読めました!(特に序盤)

 

 4分の1くらいまでの序盤は、ブロマンス×恋愛×ミステリーの要素があって、本当私好みで面白かったです! 中盤は不倫の話がありつつ、後半はサクセスストーリー&政治って感じで、全体を通して振り返ると大河ドラマだったなと。

 

 後半になるほど話が難しくなっていく印象ですが、この本を読む前に牧之原市史料館の展示を見てたのは凄く良かったです。あれを見てるのと見てないのとでは、面白さが全然違うと思う。その上、今まで漠然とわからなかった江戸時代の疑問が、この本で丁寧に紹介されていて、私的には非常に勉強になりました♨

 

 それとやはり登場人物がいっぱい出てくるので、男女逆転ではありますが『大奥』という作品を読んでおくと、非常に関係性が理解しやすいです。ドラマ見ていて良かった!!笑い泣き となりました💦

 

 ここからは、ネタバレを含みつつ感想書いていきます!(※自衛ヨロ!)

 

 

 本の感想を書く前に、史料館を見た後の私の勝手な田沼意次のイメージなんですが、実は石田三成とちょっと被る印象があります。どういうとこかと言うと……

・上司によって取り立てられる

・No.2が似合ってる

・トップへ躍り出ると失脚する💦

・清廉潔白

・やり方が賢い

・イケメン

 2人の大きな違いは“時代”ですが、石田三成も江戸時代みたいな平和な時代に生きていたら、田沼意次くらい長く生きて、能力をもっと活かせたのかなぁとか思ったりしますぼけー

 

 

 この本では田沼意次の一生が描かれていますが、視点は彼ではなく幼馴染の龍介です。意次も幼名が龍助なので2人はWりゅうすけで、龍介は龍助のことを尊敬しているし、龍助も龍介を親友として(札差としても)信頼もしているので、その辺りにブロマンス感がありましたキラキラ

 

 この小説の凄いとこは“お北”の設定or存在だと思いますが、彼女はWりゅうすけの幼馴染でもあり、2人が愛した女でもあるという、三角関係がチラつくんですよね。それでいて、最初から皆それぞれ結婚してるっていう!ゲラゲラ まぁ、最初はその辺が切ないなぁとか思った時期もあるんですが、最後まで読むとその辺りは割とどうでも良くなります💦

 

 お北が意次の子である新太郎を身籠って(※不倫です)、新太郎が成長すると正妻の子である意知(兄)と仲良くなったり、船乗りになって意次の間者みたいになったりするのが読んでて面白かったです。意次の子供たちは皆よくデキたイイ子!キラキラ

 

 龍介は商人目線で江戸の経済状況・お北は大奥の内情・新太郎は外国や北海道の情報を伝える役目を担ってたのかなと。意次は当然、将軍を含む江戸幕府中枢の情報がわかるんですが、そうやっていろんな目線から江戸中期がどんな時代なのかを描いている作品でした。

 

 意次がやった改革や政治のことばかりじゃなくて、周囲のキャラのプライベートを通して時代が描かれているのも面白いなと。あと、序盤のミステリーはお北の設定に関わっているのですが、それが終盤の意次の失脚にも繋がってくるのが鳥肌でしたね。

 

 意次の失脚と言っても、その頃はもう結構なお歳を召しているので、ご隠居なさってもいいのかなとは思いますが、その失脚した過程といいますか、真相がどこまで本当のことなのかわからないけれど凄く興味深かったです。この本を読むまでは、勝手な想像で意次は譜代大名の皆さんに追い落とされたと思っていたのですが、まさか御三家&御三卿の仕業とは!

 

 私御三家は知ってましたけど、御三卿ってあまり知らなくて、この本で改めて知りました💦 簡単に説明すると、八代将軍吉宗の子供たち(分家)を御三家みたいにしたのが御三卿ですよね。将軍がいなくなると困るから御三家作ったはずなのに、さらに御三卿作るとか💦 しかも御三家は藩があって藩政をするけど、御三卿には所領がないからただの金食い虫とか!(吉宗の時代って幕府に金が無くて困ってたのでは!?)

 

 いやもう本当御三卿って謎すぎる💦 だって最後の将軍の徳川慶喜って、よく考えたら水戸藩の生まれなのに、わざわざ御三卿の一橋家へ養子になってから将軍になってるもんね💦 御三卿作らなければ、その1ステップいらなくない? 御三家<御三卿なのよしょんぼり 何その権力への執着。

 

 

 私ならではの視点としては、やはり意次が相良へ視察にやってくるところが熱かったですね! しかも、相良城から江戸へ帰るのに整備したばかりの田沼街道を通るのですが、その時に描写されていた天候が、偶然私が牧之原市史料館へ行った日と同じ天候で運命を感じてしまいました!キラキラ 「意次と同じ天気で同じとこ通ってる!!」みたいな。

 

 あと気になるのが意次のビジュアル。この小説では耽美系イケメンのようですキラキラ 意次のイケメンエピソードとして、大奥で豆撒き係をやると必ず大奥の女性たちにイタズラされるんですが、20代の意次がやったら意次がイケメン過ぎて誰もイタズラできかったというのがあって、このエピソードは史料館にも展示されていました。購入した漫画にもバッチリ載っていたエピソードなので、本当はどんなお顔だったのかメチャクチャ気になります!ラブ

 

 

 タイトルの『魚の棲む城』の意味ですが、これは相良城のことを指しているとは思っていましたが、最後まで読んでいくとこの魚は外国のことも指していて、意次が鎖国で禁じている以外の国とも貿易を目指していたことも含まれていました。史料館の展示を見た時に意次が北海道開拓をしようとしていたことにも驚きましたが、この小説では意次が積極的に海外の情報を集めていて、日本が鎖国をし続けていることに危機感を持っています。

 

 実際の意次がどこまで考えていたのかわかりませんが、もし幕末ような日本の状態を危惧していたのだとしたら、江戸幕府が倒れたのは意次みたいな優秀な人材を、つまらない権力欲で失脚させた人たちのせいかなぁとか思いますね💦(この小説で言ったら、御三家&御三卿)

 

 

 ……とまぁ、とにかく意次がイケメンに描かれておりまして(不倫はしたけど💦)、この本を読んでますます私は意次ファンになってしまいましたラブ 探して読んでみて良かったですラブラブ

 

 

 

 

 

 こちらを読んでおくのもオヌヌメ!!