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 TVで作品が紹介された時から気になっていました、『家康、江戸を建てる』

 

 内容は、一話~五話のオムニバスストーリーになっていて、その内の第二話“金貨を延べる”と、第三話“飲み水を引く”が、今年のお正月にNHKでドラマ化され、勿論視聴も致しました!(前後編共に!)このドラマがとても興味深く面白かったのもあり、さらに原作を読みたくなった次第です。

 

 ちなみに金貨を延べるの主人公である後藤庄三郎は、刀剣男士“後藤藤四郎”の元主さんだそうで。ドラマ直後に感想を漁ってたら、他審神者さんのツイートで知りました。ドラマを見た時には既に、とうらぶ二次創作の『忠を穿つ槍(前編)』を書いていたので、勝手にちょっと運命を感じていました♪にやり

 

↑これは『うちの本丸絵日記』の後藤藤四郎君。

 

 

 まず総評的なものですが、ドラマ同様、非常に興味深い内容でした。タイトル通りと言えばその通りなんですが、家康がどうやって江戸の町を作ったのか、それが全部で五つの話によってそれぞれの主人公の視点から描かれているという。

 

 家康がやってくるまでの江戸は低湿地帯で、川も枝分かれが多く雨が降るとよく氾濫し、村も少なく人も少ない。埋め立てる前は海も範囲がもっと広かったとか…って事を知っていると、秀吉により関東移封された徳川家康が、どうやって江戸の町をシムシティしたのかが興味深くなりますニコ

 

一話目の主人公は伊奈忠次で、利根川の支流を一本化し、現代の状態に続く川の流れにした話。

二話目の主人公は後藤庄三郎で、江戸の良質な通貨(小判)を作る話。

三話目の主人公は大久保藤五郎で、江戸の上水道を作る話。

四話目の主人公は石切職人の吾平で、江戸城の石垣を作る話。

五話目の主人公は徳川秀忠で、江戸城の天守閣を作る話。

 

 

 私としてはドラマを先に見ていたので、それと比べてどう描かれていたのかを注目して読んだんですが、原作の方はドラマより淡々としていて短く、三話は割と原作に近かったですが、二話はドラマの方が庄三郎に後藤家の娘との婚姻話が持ち上がったりと、原作よりドラマティックに描かれていて、改めてドラマの出来の素晴らしさを知りました。(本筋の内容を変える事無く、より登場人物を魅力的に描いた点)

 

 ドラマ化された話は映像が思い出されるので良かったのですが、難しい言葉が多いのでやはりちょっと映像で見たい部分がちょいちょいありましたね…💦 あと東京の土地勘が無い私としては、地図イラスト挟んで欲しかったなぁとか。

 

 

 どの話も一朝一夕で完成するような開発では無いんですが、特に川や上水の話は担当者が何人か代替わりして長い時間をかけたのだとか、石垣では竣工を焦るばかり適当に積み上げて、雨が降った時に何人もの死傷者を出してしまったりだとか、史実のみでは想像出来ない事も感じられて、思わず切ない溜息が出ました。ぼけー

 

 それと家康が江戸に移封された時って、まだ豊臣政権が残っているじゃないですか? その後秀吉が死んで関ケ原が起こり、その後十年以上経った後で大坂の陣が起こるわけですが、特に関ケ原の戦が起こった時、まだ全然江戸城や城下町を作ってる最中だったのかなって。そんな状態で上杉軍なり三成軍なりが、まかり間違って江戸まで来てたらめちゃピンチじゃん!アセアセと。だって籠城出来ないもの💦 だから余計に家康は、諸大名への根回しを頑張ったのかなと。思ってたより必死?

 

 

 いろいろと細かい事が知れて(特に上水のシステムとか)本当面白かったです。未だに大都会である現在の東京を考えると、その基礎を作った家康はやっぱり…SUGEE!となります。最後まで興味深く拝読させて頂きました♨