『なほ恨めしき 朝ぼらけかな』を書きました。

 

 最早恒例となりつつありますが、今回もまた有志で行われている『1週間小説コンテスト』に作品を投稿しました。今回は第8回で、私自身の参加はこれで5回目となります。結構参加してますね。

 

 ちなみに今回の表紙↑、この素敵な表紙素材は草摩さんの作品です↓

https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=54972467

 草摩さんの作品はどれも恰好良くて素敵で、以前も使わせて頂きました。

 

 

 さて。

 いつもこのコンテストにはお題(テーマ)が出されるんですが、今回は『曙(明け方)または曙を連想させる語をタイトルに入れる』でした。

 

 「春はあけぼの」…という有名な清少納言の『枕草子』から来たのかな? と思いますが、そんなこと考えるとどうしても私は超訳百人一首の『うた恋い。』を思い出してしまうわけで…(特に3巻辺りは清少納言祭だった)

 

 百人一首と言えば『後朝(衣衣)の文』もあったりするわけで。

 後朝の文を簡単に説明するなら、平安時代のH後のイチャイチャメール(男性からくるやつ)です。…何かちょっと語弊があるかな?(^^;

 平安時代の貴族男性は女性の家に通うので、Hした翌朝は自分の家に戻ったりそのまま内裏へ出仕したり(するのかな?)…なので、その別れを惜しんで女性に歌を詠むんですよね。それが『後朝の文』。

 

 でも私は一旦、この発想から離れようとしたんです……これでも! だって濡れ場書くわけにはいかないし!

 それでとりあえず曙の類義語を探してみたんですが、そこで『朝ぼらけ』っていうのを見つけてしまって…

 

明けぬれば くるるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな


っていう百人一首(song by:藤原道信朝臣)を思い出してしまったんです。

 これを現代語訳したものを読むと大体、

「夜が明ければ、また日が暮れて夜が来るとわかっているけど、それでもなお恨めしい夜明けだなぁ」

みたいな感じです。

 つまり、「また逢えるってわかってるけど、君とずっと一緒にいたいよぅ…」っていう歌ですね。

 

 やっぱり後朝の歌じゃん!!ていう汗

 

 こうなるともう後朝の歌から離れられなくて、もういっそ「夜明けが恨めしい!」っていう話を書いてしまえ! という事で書いたのが今回の作品になります。(しかもタイトルはそのまま引用)

 

 もう一つ言うと、『夜明け』ってやっぱりもうすぐ朝がくるせいか、未来が明るいイメージがあるので、逆に「夜が明けて欲しくない」っていう気持ちを描くのも面白いかなと。

 

 

 今回の内容ですが、簡単に言うとBARを舞台にマスターと客2人(♂&♀)が喋ってるだけの会話劇です。

 それを今回のコンテストでは、文字数規定が6000字から7000字へ変わったので、7000字弱のボリュームで書きました。

 

 このお客の二人はアラサーの男女なんですが、私もアラサーだった頃、近所に一人で通っていたBARがあって(このブログでも何度か登場しましたが)、その時の居心地の良さとか、最近BARでお酒飲んで無いからお酒飲みたいなぁ~みたいな気持ちも含めて書いてみました。おかげで書いてる時もそうだけど、校正する度にお酒が飲みたい飲みたい!ゲラゲラ

 

 会話は本当取るに足らないような内容。(仕事の)悩みと恋話です。

 実際そんなもんでしょ? お酒入ったら話す話なんて…って言いながら、私はBARでガンダムの話をしていた気がしますが!←

 

 いつも恋愛話を書いてるわけですが、今回は恋愛というよりも絆ですかね。恋のドキドキよりも友情みたいなものを描いたつもりです。

 文章はまだまだ稚拙ですが…ご興味あれば読んでくださると嬉しいです♪