ロシアがウクライナに侵攻して4週間近く経ちました。戦況の行方はまだわからず、ウクライナのゼレンスキー大統領は西側諸国で支援を呼びかけています。

 

今月23日には日本の国会でウクライナ支援を訴えるようです。

衆参両院は18日、ウクライナのゼレンスキー大統領の国会演説を23日午後6時から実施する方針を固めた。双方をリアルタイムでつなぐ「オンライン形式」を採用し、日本の国会では初めての試みとなる。設備の都合から本会議場ではなく、国会内の大規模会議室で実施する。

 

 

3月16日にはアメリカの議会で演説を行いました。

16日の演説で、ゼレンスキー大統領は、「9.11」と「真珠湾攻撃」を例に上げ、アメリカ国民に支援を求めました。

「真珠湾を思い出してほしい。1941年12月7日の恐ろしい朝、空があなたたちを攻撃する飛行機で黒くなった。米同時多発テロを思い出してほしい。2001年の恐ろしい日、邪悪が米国の都市を戦場に変えようとした。そのとき、無辜(むこ)の人々が空から攻撃された。誰も予測していなかったように。そして、あなたがたはそれを防げなかった。我が国は同じことを経験している、毎日、まさに今この瞬間も」(ゼレンスキー氏)

この認識は明らかに間違いであり、今回のウクライナの立場を思えば、かなり的はずれな比較であると思われます。当然、日本の一部からはこの発言に対する批判がありました。

しかし、この一連の報道に対し、Newsweek日本版に残念な記事が出ていました。

 

ゼレンスキー演説「真珠湾攻撃」言及でウクライナの支持やめる人の勘違い

今回も著者への個人攻撃をするつもりはありません。この様な認識の日本人は多いかと思われます。だから尚更この事は取り上げたいと思いました。

 

結論から言えば、勘違いしているのは著者であり、その原因は間違った歴史認識と、国家観の欠如から来ていると思われます。

そもそも、「9.11」はテロリストによる民間人を狙った無差別殺人であるのに対し、日本の「真珠湾攻撃」は自衛自存とアジアの植民地解放の為に行われた軍事行動です。

どちらもアメリカ本土を攻撃された事は変わりありませんので、ソコだけを見ればロシアに侵攻されたウクライナも同じ様に見えます。

しかし、ここには決定的な差があることに著者は気がついていません。
 

「9.11」の時、米メディアは盛んに真珠湾攻撃を引き合いに出し、「米本土が攻撃されたのは真珠湾以来初めて(二度目)」と報道した。アメリカにとって、実際がどうであれ「9.11」と「真珠湾」に対する認識はこうなっている。「真珠湾は軍施設を標的としたものだったから9.11と同列にするべきではない」というのは、はっきりいって世界的に見て極めてマイノリティな見解である。少なくともアメリカ側では「9.11」と「真珠湾攻撃」は同種類の本土への奇襲攻撃として扱われるのが普通である。こういった認識がアメリカにはあり、しかもそれが一般的であるというのは事実なのである。

 

そう思っているのは、著者だけでしょう。この様な煽動に騙されてはイケマセン。もしかしたら著者も騙されているのかもしれません。そもそも、正しい歴史認識が無ければ、このようなおかしな思考になってしまうでしょうし、正しい国史と国体を知らなければ、国家観も持てないと思われます

この記事はその後も同様の観点で書かれているので、ツッコミどころ満載なのですが、一つづつ反論してもしょうがないので、それについては触れません。

そんな事よりも、重要なことは戦後の亡国政策による教育により、日本人が日本人でなくなりつつ有ると思われることです。今回の記事はNewsweekという、言うなればグローバリストのプロパガンダ誌なので、その時点で真に受けてはダメなのですが、同じ様な感覚の人達に大きな誤解を与える可能性があります。

戦争にもルールがあります。対してテロにルールはありません。しかし、どちらにも大義名分はあります。そして、その考え方、思想、思考は国や地域により異なりますので、一方的に批判出来るものでも有りません。
 

私自身は戦争反対ですし、武力行使に賛同もできません。そして、私達の世界では、私の感覚では、私の国家観では、テロは犯罪であり許し難い行為です。無差別に人を殺す行為が許されるはずがありません。対して戦争は政治であり、戦略です。(賛同するのではなく、認識として)だからルールもあった。過去形なのは現在は形骸化されていると思えるからですが、一応今も在ることにはなっています。

真珠湾攻撃を行なったのは日本ですが、そこへ追い込んだのはアメリカ(国際金融資本)であり、これは戦争でした。同じ戦争のさなか、アメリカは広島と長崎に原爆を投下しましたが、これは国際法違反、戦争犯罪です。

真珠湾攻撃はアメリカ(国際金融資本)が誘導したとうことは、アメリカだけではなく、世界の識者には知られているところで、むしろこちらの方が常識です。

対して9.11に関しては、テロ行為は間違い有りませんが、その背景は邪悪な工作と思われるフシが多々有り、陰謀論とされていますが、真偽のほどは如何であるかと思えるようなモノであることも、知っておく必要があります。
 

今回のロシアのウクライナ侵攻も、ロシア側から見れば様々な大義名分があります。対してウクライナ側は、攻められる理由が何もなく、一方的に侵略されているという事は有り得ませんし、実際違うと思います。

ただし、確実に言えることは、一番の被害者は当事者と成った国の一般の人々だと言うことです。今回のウクライナについても、ウクライナの一般国民の方たちは本当に気の毒だと思います。そして、その裏では自分勝手な利権だけを考えて動いている人達が居るということ。

ゼレンスキー大統領が国会でどの様な演説を行うか分かりませんが、すべてを鵜呑みにしてはイケマセンし、何が国益に適うことかを考えなければならないと思います。

ロシアの侵攻は非難されるべきと思いますが、一方的な見方では本質が見えません。ロシアの状況は大東亜戦争前の日本の状況と似ています。

プーチン大統領が戦っているのは、ウクライナはもちろん、EUや西側諸国ではなく、エネルギー利権を筆頭にその他利権狙う国際金融資本であると思えます。

ゼレンスキー大統領も国際金融資本の尖兵に過ぎず、EU各国政府やバイデン大統領もそのコマの一つなのかと。

 

そういえば、こんなニュースがありました。

世界経済フォーラム、ロシアとの関係を断絶

報道官のアマンダ・ルッソは今週、ポリティコに対し、「我々は制裁を受けた個人とは一切関わっておらず、ロシアの団体とは一切の関係を凍結している」と語った。
今回の関係遮断は、ロシアによるウクライナ侵攻の後、いくつかの世界的な大国がロシアの経済や銀行部門、ロシアの政治家やオリガルヒ、そしてプーチン自身に対して不自由な制裁措置を講じたことに起因する。

 


ロシアを養護するわけではなく、ウクライナを感情的に支援するのではなく、そのような状況をしっかりと見極め、国益を考えた行動が求められます

中共が台湾を狙っていることも事実です。台湾有事は日本有事です。ロシアは北方領土を不法占拠しています。自国の防衛意思が無くては、アメリカは守ってくれません。

ウクライナ問題を契機に日本が出来る事、しなければ成らない事は多々あると思います。
 

平和ボケした国家観の無い政府の対応が注目されます。

 

 

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