- 碧奴―涙の女 (新・世界の神話)/蘇 童
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『碧奴―涙の女―』を読んでいる。つぎのジブリ映画原作はこれに決まりじゃないかと思う。
宮崎駿は、歩き方をひとつとっても、しぐさには感情がこめられていると信じて絵を動かしているはずだ。
しからば。この作品の主人公、碧奴は泣くことを禁止された国の女である。泣くことを禁止されて、女たちはあらゆる方法で涙を隠す。たとえば泣きたくなったときに、その水分を小便に変えるのだ。だから、女たちの表情は泣いていないが心は泣いている。禁止されることで悲しみは、形を変えて表象される。絵もまた、感情の表象の一手法ならば、泣いていないのに泣いているこの『碧奴』の涙人に挑むべきではないかな。
『ありふれた奇跡』もよいよ。山田太一、すんごいです。一見たんたんとしすぎて物語がひび割れているんじゃないかなって思うんですがそれは日常に潜む人間関係のひび割れなんじゃないかなぁって感じる。棘は物語にも、日常にも、言語にも潜んでいる。そして加瀬亮が情けなくて、共感できる。でもカッコいいんだよな。

