途中書き掛けで放置してしまい(10月はジソブ氏月間だったので~アセアセ)、1ヶ月半も経ってしまいましたが、9/20(日)、流山児事務所の 「ハイライフ」(オリジナル・バージョン) を観てきました。 (このブログには、もうタイムリーと言う概念はなくなりました。^^;)
この日は夜にコンドルズも観たので、一日中、イイ男観賞! あ~、贅沢すぎ。(笑)
あらすじは、流山児事務所のサイトから。
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世のならわしや常識でがんじがらめに縛られた普通人には到底まね出来ない、胸のすくような自由人4人の冒険と失敗譚。
登場人物は中年のチンピラ・ジャンキー4人。口八丁手八丁、策士のディック(若杉宏二)。 刑務所から出てきたばかりのバグ(塩野谷正幸)。 腎臓がイカれてしまったコソ泥ドニー(保村大和)。 そして、したたかな二枚目ビリー(小川輝晃)。 男たちが銀行強盗を企むところから物語は始まります。 目指すは街角のATM現金自動受払機。 一世一代の大仕事を成功させ、田舎に引っ込んで『豊かな老後』を実現しようというデイックとバグ。 一儲けして、もう1ラウンド生きながらえようというドニー等、胸のうちはそれぞれ。 しかし、壮大な計画は仲間割れで見事に頓挫。 元の暮らしに逆戻り……。
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男4人だけの舞台なのですが、それぞれ皆はまってて、カッコ良くて、ホント素敵でした。
まず、オープニングの場面が、超カッコイイ! ここで、ほぼ感涙。 特に、大和さん! カッコイイというか、無垢で、脆くて、悲しいまでにキレイ。 今まで観たことない、雰囲気でした。 それに席が最前列、しかも大和さん側だったので、あの瞳に吸い込まれそうで ..、ちょっとまともに観られなかったのが、悔しいくらいです。 舞台脇のベットに座り込んで、ラリって虚空を見つめるところでは、隣のお姉さんがガン見されていて、私はせめて一つでも席が離れていて、助かりました。 あの席で、あんなにガン見されたら、昇天します。(笑)
煙草をくゆらす塩谷さんも、メッチャ渋くて、本当はもっと見ていたかったのに、4人が4人共、素敵すぎて、見きれない~。 若松さんも、妖しげな大人の魅力で、オーラ放ちまくりだし、初見の小川さんは、若くてピチピチで(笑)スマートだし。 贅沢というか、もう拷問! 一体、誰を見ろっていうの? て言うか、誰も見ないではいられない、でも皆は見られない。 あ~~~、って感じ。(笑) やっぱり、あれは拷問だったんだなぁ。 今更ながら、思う。 でも、あのオープニングは、忘れられない。
そして、そんな夢のようなオープニングの場面から、いきなり芝居が始まると、舞台は一変、ゴミ溜です。 そして、あんなに素敵な4人は、人間のくず。(爆) この切り返しが鮮やかで、演出と言い、4人の役者さんの変身ぷりと言い、お見事の一言でした。
妖しげな大人の魅力の若松さんは、いかがわしいディックに。 渋くて素敵な塩谷さんが、愚鈍なバグに。 特に塩谷さんの変貌ぶりは、凄まじかった。 凶暴な男と言うより、殆どよだれ垂らした暴れ牛みたいで。(爆) 愕然とさせられました。
大和さんも、透き通るような純粋さは、体の奥の奥の奥の方へ沈めて、ケチなこそ泥のドニーに変身。 小川さんは目に見えた変化は少ない方でしたが、ビリーの一見普通そうに見えて、やっぱり何処か変だと感じさせる危なさを、とても自然に醸し出されてました。
そして4人のアンサンブルが、また巧く堪らない。 若松さんと塩谷さんの、押して引いての芝居がどっしり安定していて、大和さんの弾けちゃった演技が楽しくて、小川さんが良いアクセントになっていて。 これ以外の組み合わせはないなって思うような、4人でした。 この4人での公演は今回が最後らしいので、観られて良かったです。 でも、これで最後じゃもったいない。 是非またやってほしいです。
話も、最初は、ジャンキーの4人に、嫌悪感を感じるというか、受け入れ難いものを感じて観始めるのですが、4人の必死さが伝わってくると(必死と言っても、ただ薬欲しさでの頑張りなんだけど^^;)、いつしか上手く行けばいいなと思ちゃったりする。 でも同時に、絶対失敗するのも分かっていて、段々4人がいじらしくなってきて。 そうすると、今の薄汚れてボロボロの4人から、オープニングの時の姿が少し透けて見えるようで、切なくなり。 で、ラストでそんな感傷をまたひっくり返してくれて、2度も3度も、やられたーって思う。 それが、気持ちいい。 そのせいか、内容の割に後味も悪くなく、それでいて、ラストの血みどろの4人と、オープニングの4人の印象がしっかり残ってて。 良い脚本(オリジナルはカナダの脚本とのこと)と、役者と演出、3拍子揃った、実に見応えのある舞台でした。
大和さんは、どの場面を取っても見せ場の連続だったけど、特に浴槽の場面が秀逸でした。 もう可愛いし、面白いし、情けないし。 疎まれつつ、愛されるキャラがすごく良く出てたと思います。 今更ながら、上手いなぁ、と思ってしまいました。 そして、今更ながら、大好きだなぁ~って。(笑) 結局、いつもこんな感想になってしまう。 でも、本人にはこんなのが一番大事だったりするから、仕方ない。^^