予告を観て観たいと思っていた映画です。




 《あらすじ》

西畑保、65歳。文字の読み書きができない。そんな彼の側にはいつも最愛の妻・皎子がいた。

保は貧しい家に生まれ、ほとんど学校へ通えず大人になった。生きづらい日々を過ごしてきたが、皎子と運命的に出会い、めでたく結婚。しかし、その手放したくない幸せ故に保は読み書きができないことを言い出せずにいた。半年後、ついにひた隠しにしてきた秘密が露見し別れを覚悟する保だったが、皎子は保の手をとりながらこう告げた。

「今日から私があなたの手になる」
その言葉に、その眼差しに、保は救われた。

どんな時も寄り添い支えてくれた皎子へ感謝のラブレターを書きたい。定年退職を機に保は一大決心し夜間中学に通い始める。担任の谷山恵先生のじっくりと粘り強い教えや年齢・国籍も異なる同級生たちと共に学ぶ日々で少しずつ文字を覚えていく保。だが老齢のため物覚えも悪く、気付けば5年以上の月日が経過した頃、一字また一字と書いては消しまた書くひたむきな保と、それを見るともなく見守る皎子は結婚35年目を迎えていた。変わらない日常がいつまでも続くと思っていた。なかなか書き上げられずにいたラブレターがようやく形になろうとしていた頃、皎子が病魔におそわれて……。




《感想》

実話を基にした映画なんだ。


学校に通えなかったこと、読み書きができないこと、決めつけられてしまったことは、大人になったらもっと生きづらさになっていく。

バカにされたり、騙されそうになったり。

読み書きできないことで自分自身も受け入れられないし、働く場所も受け入れてくれる人が少ない。

色々なことを諦めてしまう中、どうにかして生きていかなきゃと頑張ろうとする保さん。


理解者が現れる。
お寿司屋の親方。

この方に出会えたことが人生を好転にできたのではないかと思ってしまう。


妻の皎子さんとの出会い、そして子どもが生まれて理解者が増えていく。

夜間中学校の先生、クラスメイト。


真心を込めて作ることで、相手にも真心の気持ちが伝わる。

書くことも自分の気持ちを伝える手段。

保さんは、奥様にラブレターを書きたいという思いで、64歳で学び直しをする。


生きていれば、やりたい思いが出てきた時にいつでもやることができるんだ、自分の味方になってくれる人って、真面目に一生懸命に生きていれば、必ず見つけることができるんだ、感謝の大切さを改めて教えてくれる映画だった。


「おはようさん」「ありがとうさん」「おつかれさん」は大事な言葉だなぁ。


奥様の言葉が素敵すぎる。

「嫌いなもん、ええとこ3つ見つけたら好きになるよ。試してみたら?」

「つらかったなぁ」

「今日から私があなたの手になる」

「つらいこともちょっとのことで幸せや」


どんな時も受け止め、素敵なことを考えて生きている。


妻役の原田知世さんの柔らかい雰囲気が何といってもいい。食べ物の恨みのギャップがまた良い。出会いの頃は、上白石萌音さんが演じており、柔らかい雰囲気がとても良かった。

食べものの恨みとネズミ退治のギャップも良かった。


保さんと一緒に旅行へ行きたかった奥様。

奥様の願いを応えるために、また、生まれ変わっても、ぜひ保さんに出会って、結婚して、旅行してと願いたくなってしまう。


戦時中に子ども時代を過ごした過酷さは、私には想像できないぐらい大変だったことと感じる。


教育を受けることの大事さ。

子ども時代に学びたい気持ちを失わせてしまうことは、大人になっても生きづらさを作ってしまう。


決めつけは本当に良くない。

相手の話に耳を傾けることの大事さを感じる。


言霊の大事さ。

自分の気持ち、幸せであることを伝えることって大事だよね。

感謝を口にすることは周りにも素敵な影響を及ぼすよね。


自分はできないって、悪いことじゃない。ある意味大事なことだと感じる。

だから、謙虚で生きられる。

だから、人に感謝できるんだって。

できないことを誤魔化さないこと。

打ち明けられる人がいるってことが生きていかれる。

誰に出会うかで人生が変わる。

人生を変えるのにも自分の生き方が大事だなと思う。


一生懸命に生きようとしている人を馬鹿にしている人をみて、わざわざそんなことしなくても、なんかみっともないなぁと。馬鹿にしないと生きれない人なんでしょうけどね。

人には色々な事情がある。

理解することの大事さを改めて感じる映画でした。