「人は年を重ねるとね、自分のことを守るのがうまくなって傷つくことを上手に回避するの」by六月
「自己防衛ってやつだな」by五郎
「でも七苗は傷ついても恥をかいても追いかけるってきめた、すごい覚悟だと思う」by六月

お母さんのことで後悔した。コウタロウさんのこと好きだから、後悔したくないから追いかけたんだよね。


「すみません、芝田は会議中でして」by史織
「会議?」by七苗
「申し訳ありませんが面会のお約束がないとお取り次ぎできないとのことです」by史織
帰って次の日から仕事。思い出してくるんだろうか⁈無理せず、少しずつのようで、結構芝田一家はぐいぐい行動させるねって思ってしまったが。

芝田悠斗の人生はコウタロウのようにのんびりとはいかないんだね。
七苗は悠斗さんがいる会社のロビーで待ってみたんですね。


「悠斗さん、今日は1日色んな場所を見て回る予定で」by百合子
「あの記憶のほうは?」by七苗
「まだ何も…来週、精密検査を受けることになりました。まずはここでの生活に慣れて少しずつもとの自分を取り戻してもらえればと思っています。大庭さんには感謝しています。これまでよくしていただいて。でもこれからカウンセリングも始まります。どうか今はそっとしておいてください。このとおりお願いします」by百合子

そっとしておいてくださいと頼まれたら、もう何にもできないね。

検査は特に異常なくだったのかしら⁈


「七苗、元気?これ俺の番号」byコウタロウ(悠斗)
「今、神戸?」by七苗
「うん、家で家族に会ったり会社に行ったり街なか見て回ったり。でも全然思い出せなくて、帰るから。ひととおり、こっちで色々向き合って整理できたら、そっちに…」byコウタロウ(悠斗)
「こっちもバタバタしてるから」by七苗
「えっ?」byコウタロウ(悠斗)
「今、やることたくさんあって、ほらおおば湯のリニューアル、あの話進んでて、もう大変で。だからコウタロウさんもそっちで頑張って。じゃあ」by七苗
2人だけで会話したら、離れていっちゃうね。今すれ違ったのにお互い見えてなかったしね。いるなんて想像しないから仕方ないか。

「みんな気をつかってくれてありがとう。コウタロウさんね、会社まで行ってきたんだけど、ものすごいおっきい会社の副社長さんで部下もいて、迎えの車に乗っちゃったりして。住む世界が違いすぎて話せなかった。だから、この話は終わり。お騒がせしました」by七苗
事実を打ちあけている部分がほとんどだけど、みんなに本当のことは言えない部分はあるよね。みんなに話をしているようで自分に言い聞かせているのかな⁈

「好きになんてならなきゃよかった。会わなければ良かったのかな」by七苗
こんなふうになるならなかったにしたい気持ちってあるよね。悲しみ、抱えきれないよね。


「七苗さんはああ言うけど、すぐにでもひょこっと戻ってくるような気がします」by松嶋
「どうだろう。もちろん戻ってきてほしいけど、先のことなんて誰にも分かんないし、でももし、二度と会えなくても好きにならなきゃよかったなんて思ってほしくない。意味のない出会いなんてないんだから私はそう信じてる」by六月
好きにならなきゃよかったって全否定はしてほしくないですよね。それだけ苦しいからなんでしょうけど。意味がないなんてないよね。


「あ、見たよ。最新の投稿。オープンおめでとう」by立花

「ありがとう、立花さんもいつか来てね」by八海

陽太が八海を気にしている。おっ、どういうことだ。

「今日、来ると思ったんだけどな」by陽太
コウタロウさん、SNSでチェックしていたね。


「あのさ、その名前を言ってはいけない人扱いなのやめてくれる?もう忘れてたわ、忙しすぎて」by七苗
「コウタロウさん、何の連絡もないの?」by六月
「何回かあったけど」by七苗
「やっぱり気にしてくれてるんですね」by松嶋
「でも、もう話すことはないから。とにかくもとの生活に戻れるよう祈ってる」by七苗
百合子さんからお願いされてしまったしね。
忘れなきゃと思ったら、話すと辛くなるよね。


「前はこんなふうに話す時間もなかったなと思ってさ。兄貴はゴリゴリの仕事人間だったから。」by尚希
「俺が?」by悠斗(コウタロウ)
「だからか、よく百合子さんとケンカになってたよ」by尚希
「俺は百合子さんとは…」by悠斗(コウタロウ)
「親同士が知り合いで家族ぐるみで交流があって入社当時は事業部で兄貴と一緒のチームで働いてたらしい。上司にはっきり意見が言える、自分がある人だって言ってた。親のすすめもあってつきあうようになって、でも兄貴、いつも百合子さんのこと気にしてた。忙しくても連絡とって、なるべく会う時間作って、3年間ちゃんと好きだったと思う。だから大丈夫。2人はきっとうまくいく。」by尚希
「ほんとうに感謝してる。こんな俺を気遣ってくれて。仕事の面でもサポートしてくれて。でも…」by悠斗(コウタロウ)
「向こうに誰かいるの?どんな人」by尚希
「よく食べ、よく笑う、一生懸命な人」by悠斗(コウタロウ)

家族ぐるみでの交流があるなら、難しいね。百合子さんと円満に別れるなんて。


「ねぇ、2人って今どうなの?」by佐和子 

「どうって何が?」by七

「七苗と陽太、いまだに仲いいって聞いたけど」by里奈

「ああ家近いからね。ど近所ってやつ」by七苗

「でも陽太って七苗のこと好きだったよね」by佐和子

「私も聞いた。陽太に告った子がそう言ってた。」by里奈

「まさか、そんなわけないでしょ」by七苗

陽太は誰に対してもあんなに優しいのか。七苗だけ特別にならないからわかりづらいのかな⁈

話を聞いたら、七苗はお酒一気に飲んじゃった。あらあら。


「ていうか、私のこと好きだったの?」by七苗

「そうだよ。誰よりも七苗のこと知っている自信があった。でもきっと、一番の親友なんだと思う。くされ縁よりの親友」by陽太

「ありがとう」by七苗

酔っているから聞ける。七苗が酔っているから答えられたのかな⁈


「どうした?」by六月

「前に話した海外に行きたいという話ですが」by松嶋

「ああ…」by六月

「ニュージーランドにポリテクニックっていう日本でいう大学とか専門学校みたいな学校があって、そこで造園の勉強をしたいと思ってます。将来的に向こうで働けたらと、なのでここを辞めさせてください。あっすいません、まだまだお役に立てずこれからって時に…」by松嶋

「いいと思う。それが夢なら突き進むのみ。応援してる」by六月

「今までありがとうございました」by松嶋

親の会社継ぐ為に帰ってきた松嶋さん。親に説得はできたのかな⁈なんて思ってしまった。

六月さんとはどうするのかな?


「飛び越えました、9ボーダー」by六月

「お誕生日おめでとうございます」by七苗

「ありがとうございます。でも、早速、40代の最初の試練が…」by六月

松嶋さんが海外に行くというし、今までありがとうございましたって挨拶されてしまっての次の日ですもんね。


「チョコレートコスモスは恋の終わり。六月さん誕生日おめでとうございます」by松嶋

「ありがとうございます」by六月

「まあ、でもね、40なんて、そんな、あの…祝われてキャッていう年でもないから」by六月

「じゃあ、どんな感じですか?」by松嶋

「ああ…って感じ」by六月

「じゃあ50歳になったら?」by松嶋

「おーっじゃない?逆に」by六月

「60歳になったら?」by松嶋

「よく頑張った、よし!だね」by六月

「全部見たいです。」by松嶋

「うん?」by六月

『六月さんの「おーっ」も「よし!」も全部見たい。あっハート。ああ、すいません、あの、そんなに高いものじゃないです。いきなり重いのもあれなんで。僕と結婚してください』by松嶋

松嶋さんらしいところでデート。

花言葉、恋の終わりを告げてから、誕生日おめでとうって。

手品で葉っぱから指輪には、粋な計らいですね。


「松嶋さんが?」by七苗

「プロポーズ?」by八海

「で、これ」by六月

「いいなー」by七苗、八海

「えっ?」by六月

「自然に出てしまった」by七苗

「別に結婚願望あるわけじゃないのに」by八海

「ちなみに私も」by七苗

「でもいいよ、素直にうらやましい。だって普通にいい人だもん、松嶋さん」by八海

『よく女子が言う「普通の人でいいのに」のすっごいハードルの高い「普通」ね』by七苗

「いいよ、むつ姉。」by八海

「ものすごくいい」by七苗

幸せな話ではあるよね。好きな人に指輪をもらうなんて。ある程度生きていると、嬉しい、ありがとうと簡単に受け取れるわけではいけない。


「でもさ、そんな単純な話じゃないでしょ。どうすんの?今の事務所。今までの実績、家族、おおば湯も」「若い時、さんざん海外行ってもう憧れもないし、この先どうなるか謎の年下男子に依存して、すべてを捨ててついていくエネルギーはないよ」by六月

「まあ、そっか。」by七苗

「これって相当贅沢なこと言ってる?」by六月

「いやいやいやいや…」by七苗

「誰かと結婚したらゴールってわけじゃないし」by八海

「それは一番身にしみて分かってる」by六月

この先どうなるかわからない。松嶋さんとの人生を選ばないことで幸せになれないわけじゃないし。今を捨てる覚悟がなければ一緒になれないから難しい。この先、幸せ感が得られない時には、なぜあの時と後悔が生まれるけど、充実していれば、これで良かったになる。

どちらの人生も今よりよくなる要素は色々ある。


「でも、これだけは言わせて」「いいなって思う人と一緒にいられる、これってすごいことだよ。よく考えて後悔しないように」by七苗

「コウタロウさん?何で出ないの?」by六月

「こうするしかないの。こうやって忘れるしか」by七苗

「忘れられないよ、思ってるだけじゃなくて伝えないと気持ちに区切りつかないよ」by八海

「好きにならなきゃよかった?コウタロウさんと出会わなきゃよかった?そうやって全部なかったことにしちゃうの?七苗、さっきの言葉そのまま返す。よく考えて、後悔しないように」by六月

人に伝えた言葉って、なぜか自分に返ってくること多いよね。鏡なのかなぁってぐらい。

他人は見えるからかね。

相手に伝えて終わらせる方が消化できるよね。

頭でどうにかは消化不良になっちゃって引きずる。

切り替えできるようなことが起きれば別だけど。

時間が解決してくれることもあるけど。

心残りがあること多い。次につなげていければいいんだけどね。


「おおば湯オープンおめでとう」byコウタロウ

「ありがとう」by七苗

「よく頑張ったね」byコウタロウ

「会えたから。コウタロウさんに会えたから頑張れた。あの時抱えてたこと黙って聞いてくれて、励ましてくれて…コウタロウさんを好きになって本当の自分取り戻せたの。おおば湯も変わったよ。最初はびっくりするぐらいお客さん来なかったけど、少しずつ。絶対繁盛させる。それが今の夢」by七苗

「よかった。七苗、俺は…俺は…こっちの生活に戻ろうと思う。芝田悠斗に。仕事復帰できたし、手厚いサポートも。だから心配しないで」byコウタロウ

「分かった」「コウタロウさんと会えてよかった」「ありがとう」by七苗

「俺のほうこそ…」byコウタロウ

「元気でね」by七苗

「七苗も…元気で」byコウタロウ

俺は…俺は…で百合子さんが現れなかったら違った言葉だったんじゃないのかな⁈なんて思ってしまったのですが、百合子さんの献身なサポートを裏切るわけにいかないですし。

芝田悠斗である以上、元に戻るですよね。

コウタロウは竜宮城のような感じですかね。玉手箱を開いて現実に戻った感じ。


「どうしよう…大好きだった」by七苗

この展開はでも辛いね。


次回は最終回かぁ。

答えって、0か1かじゃないよ。

そうだよね。

ほとんどが学校の勉強の時みたいに答えがでるのではなく、たくさんの答えがあって、正解がどれかじゃないし、合っているか合ってないかとかじゃないよね。曖昧なものばかりだし、グレーなものばかり。白、黒にはっきりできないことばかり。