「えぇ〜今日の朝、役所に行って入籍しました。」by綾野先生
「はぁ〜皆さんにはご心配をおかけしてすみませんでした。」by麻衣
「はい。えぇ〜じゃあ2人はもう住んでるの?一緒に。」by星前先生
「あっいや私の母と3人で。楓さんがそうしようって言ってくれて。」by麻衣
「いや、当然でしょ。麻衣のお母さんなんだから。」by綾野先生
「みなさんもう一つおめでたいことがあります。」by津幡師長
「なんとうちと綾野病院の法人合併が決まりました。」by藤堂院長
「藤堂院長のご英断です。」by津幡師長
《合併すれば綾野病院は潰れずに済むんじゃないですか?by津幡師長
あそこ借金8億もあるんだよ?by藤堂院長
でも院長言ってましたよね。うちは病床が足りないのに厚労省から増床の認可が下りないって。by津幡師長
うん、いや、でも。by藤堂院長
いや、だ…ねっ、だったら。綾野病院の使ってない病床をうちに移せば向こうもうちも助かるんじゃないですか?by津幡師長》

「えぇ〜勲先生には今までどおり綾野病院で過疎地医療を続けていただいて、麻衣さんは綾野病院で経理を担当するのよね。」by津幡師長
「あっ、はい。赤字経営にならないようびしばしいきます。」by麻衣
「えぇ〜そして綾野先生には、うちでカテーテル治療を担当していただく形になります。」by津幡師長
「まあね、患者さんを思う気持ちは同じだから。」by藤堂院長
「私たち何もかも失ったと思ってたんですけど、最後に大事なものが残りました。」by麻衣

「かんぱ〜い。」byミヤビ先生と麻衣
「あっ、何かちょっと思い出したことがあって。」byミヤビ先生

「それ、ケープタウンのレストランかな?」by麻衣

「ケープタウンって南アフリカの?」byミヤビ先生

「ミヤビちゃんの事故の前。ケープタウンで脳神経外科の国際会議があって。で、4人共それに参加してたの。私たちもミヤビちゃんもそこで三瓶先生に出会ったんだよ。」by麻衣

「フィラデルフィアの病院から参加してた三瓶先生が学会で最優秀発表者に選ばれてね。」by麻衣

《僕の研究はまだまだで、この世の中に数多ある影をほんの一つ照らしたにすぎず、世界をくまなく照らす光はまだ見いだせていません。僕は、それを見つけたいと思っています。》

「そのころミヤビちゃんは、綾野先生につきあってほしいって言われてて。断っても諦めてもらえないから。ミヤビちゃん困っちゃって。」by麻衣

《ミヤビちゃんこのあとテーブルマウンテン行かない?あっそれとも希望峰のほうまで行ってみちゃう?by綾野先生

私、このあと三瓶先生と約束あって。byミヤビ先生

えっ?あっ…そうなの?by綾野先生》

「まあ、うそだったんだけどね。でも、そのうそをきっかけにして、ミヤビちゃんと三瓶先生は2人で行動するようになって。」by麻衣

「三瓶先生から。私たちは婚約してたって言われて。」byミヤビ先生

「あぁ〜それ…私もそう聞いたんだけど。詳しいことはよくわかんなくって。う〜ん、そのことは三瓶先生に聞いたほうがいいんじゃないかな?」by麻衣

「そうですよね。」byミヤビ先生

「もしさ婚約が本当だとしたら、ミヤビちゃんはどう思う?」by麻衣

「ミヤビちゃん。大迫教授はミヤビちゃんに言ってないことがあるの。ミヤビちゃんの記憶障害について。」by麻衣


「大迫教授。私の記憶障害の本当の原因を教えてください。私に何か隠してることありませんか?もしそうだとしたら何か事情があるんじゃないかなと思って」byミヤビ先生

「君に隠していることは…。何もないよ。」by大迫教授


「何かその人を見た瞬間すごい怖くなっちゃって。」byミヤビ先生

「えっ、何が怖かったんだろ。」by成増先生

「わかんないんですよね。知らない人なのに」byミヤビ先生

「とにかくその男に怖い目に遭わされたってことか。」by成増先生

「その男は西島会長と一緒にいたんですよね?」by三瓶先生


「設計の最終プランです。うちの最高傑作ですよ。」by押尾

「ついさっき川内先生と会ったよ。」by西島会長

「あぁ〜いつもの診察ですよ。」by大迫教授

「大丈夫ですか?私を見て変な顔してましたよ。」by押尾

「何度も言ってるけどね。もしあの子が思い出したら全部終わっちゃうよ。綾野病院に逃げられちゃったしね。厚労省の松木も機嫌が悪いんだよ。ははははっ」by西島会長

「大丈夫ですよ。川内先生は私が経過を診ていますから。」by大迫教授

「いっそのこと三瓶先生に任せてみたらどう?彼だってあの子を助けたいだろうしね。記憶障害の原因ぐらい教えてあげてもいいんじゃないかな。」by西島会長


「三瓶先生どっか行くんですか?」byミヤビ先生

「ちょっと。」by三瓶先生

「ちょっと話したいことがあって。」byミヤビ先生

「これうちにもあります。」byミヤビ先生

「あの私と三瓶先生はケープタウンで会ったって麻衣さんから聞きました。婚約してたってほんとですか?嘘ですか?」byミヤビ先生

「ほんとですよ。信じられませんか?」by三瓶先生

「まあまた今度話しますよ。今から西島会長に会いにいくんで。」by三瓶先生

「ちょっとわからないことが多すぎるんで。」by三瓶先生

「少し待ってもらえませんか。」byミヤビ先生

「わかりました」by三瓶先生


「最後の一個も〜らい。」by星前先生

「あっ、こら!」ドン(ビールを置く音)by津幡師長

《ドン!大迫君、君まで買収されたのか!by工藤

ブー!(エンジン音)、キィーーー!(ブレーキ音)》

「川内先生?大丈夫ですか?」by三瓶先生


「丘陵セントラルで勤務することになりました。お世話になったのに申し訳ありません。」by綾野先生

「どこにいても君ができることをすればいいんだよ。」by大迫教授

「ありがとうございます。建て替え工事ももうすぐですね。うわさになってますよ、すごい病院になるって。」by綾野先生

「工事が完成すれば優秀な医者を大勢呼べて、もっと多くの患者の命が救われるよ。」by大迫教授

「僕には姉がいてね。重度障害があった。母子家庭だったし、母はいつも世間に遠慮して迷惑がかからないように頭を下げ続けてた。誰も悪くないんだけどね。僕の家はね、いつも世間から何かしてもらう側だという意識が染みついていたんだ。だからかな、そんな区別をなくしたくて、誰もが公平に安全で良識的な医療が受けられるシステムを作りたいと思った。それが僕の使命だってね。」by大迫教授

「ご一緒できず残念です。」by綾野先生


「悪かったね。来てもらって」by大迫教授

「この前はごめん。うそをついた。全部話すよ。君の記憶障害の原因も、それを言えなかった理由も。昔、僕と三瓶先生は別の大学病院で一緒に働いていてね。」by大迫先生

《私の言ってることがわかってるんです。by佳苗

反応に一貫性があれば信用できると思いますが。by大迫教授

ITBを使えば意思の疏通が取れるかもしれません。by三瓶先生》

「バクロフェンを脊髄に入れて筋肉の緊張をほぐす治療法だよ。筋肉がほぐれれば、奈緒ちゃんの体も動いて口が利けるようになるかもしれない。三瓶君はそう考えたんだ。でも当時はまだITBは国内で承認されていなかった。」by大迫教授

《教授がああ言っている以上何もできない。by大迫教授

目の前に救えるかもしれない患者がいるんですよ。by三瓶先生》

「しばらくして奈緒ちゃんが肺炎になった。体が動かないからたんを出すことができない。危険な状況だった。」by大迫教授

《ITBをやらせてください。筋肉の緊張を取れば自力で、たんが出せるようになって肺炎も予防できます。by三瓶先生

あの子のために未承認薬を使えと言ってるのか?by麻生教授

許可できるわけないだろう。それと抗菌薬も短期間で中止しなさい。耐性菌が生まれて結果的に院内感染が起きたら大惨事だよ。そうだな、あと1週間が限度だろうね。by麻生教授

それまでに肺炎が治らなかったら?by三瓶先生

しょうがない、それがあの子の寿命だよ。かわいそうだけどね。私には病院ひいては医療全体を考える義務があるからね。by麻生教授

奈緒ちゃんはその全体には入らないんですか?切り捨ててもいいと思ってるんですか?by三瓶先生

大迫君三瓶先生はもう担当から外しなさい。by麻生教授

奈緒ちゃんは1人なんですよ。by三瓶先生

やめなさい。by大迫教授

一人一人が必死に生きてるんですよ。by三瓶先生

僕はあなたが脳性麻痺や重度障害を研究してるからここにきたんですよ。それなのに結局出世のためにあんな教授の言うことに従うんですか?by三瓶先生

力を持てば障がい者医療にもっと光を当てることができるんだ。by大迫教授

未来の障がい者のために目の前の障がい者を犠牲にするんですか?by三瓶先生

では1人のために大勢の患者が犠牲になってもいいというのか?by大迫教授

奈緒は生きてるだけで人様の迷惑になってしまうんですね。生きてるだけなのにby佳苗

生きるための治療を受けるのは奈緒ちゃんの権利です。by三瓶先生

やったのか?by大迫教授

私が同意したんです。by佳苗

意識があることをITBで証明できれば治療方針も変わるはずです。by三瓶先生

わかってるのか?まだ未承認薬だぞ。by大迫教授

お前だけじゃない。みんなの責任が問われる。by大迫教授

しょうがないですねby三瓶先生

お…かあ…さん。お…by奈緒》

「それから数日後、奈緒ちゃんは肺炎で亡くなった。結果的に予後に何の変化もなかった。しゃべったことを除いてはね。」by大迫教授

「でも…。それでも。一瞬でも救いはなかったんですかね?」byミヤビ先生

「あったのかもしれない。でも、それこそが、三瓶先生の本当の怖さだよ。」僅かな光で周りの人間を惑わせる。ほんの少しでも希望があればリスクを取ってでも治そうとする。そういう医者だから君の記憶障害の本当の原因を知れば手術をすると言いだす。そして君の命を危険にさらす。君の脳のMRI画像だよ。」by大迫教授

「これまで君に見せてきたものとは違う。これは、超精細7テスラMRIで撮った画像で通常では映らない細かな所まで映し出されてる。」by大迫教授

「ノーマンズランド?」byミヤビ先生

「そう、よくわかったね。ノーマンブランド。人がメスを入れてはいけない領域。君の記憶障害の原因はここにあるんだ。」by大迫教授

「手術できないんですかね?」byミヤビ先生

「何度も何度も何度もシミュレーションをして方法を探ったけど。できるものなら僕が手術で治したかった。でも今は現状を維持するしかないと判断したんだ。もし手術をすれば君は二度と目覚めることができなくなってしまう。だから、だから三瓶君には絶対に知らせたくなった。隠していてすまなかった。」by三瓶先生


「警視庁捜査二課の橋口です。ちょっとお話聞きたいんですけどね。暑のほうまできてもらえますか?」by橋口

「食ってから行くよ。せっかくの料理がもったいない。」by西島会長

「わかりました。では外でお待ちしてます。」by橋口

「何でなの?」by西島会長

「あなたを止めるためです。三瓶君にあえて危険な手術をさせ、川内先生の記憶を葬り去ろうとした。」by大迫教授

「それを止めるために我々の計画をぶち壊したんだ。」by西島会長

「当然です。」by大迫教授

「残念だね、ははつ。大勢の患者を助けることができたのに。」by西島会長

「そのために人の命を犠牲にするわけにはいきません。」by大迫教授

「そうかな?あの子だからだよね。見えない誰かなら犠牲にできた。いいんだよ、人間なんてそんなもんなんだから。ははははっ…ははははっ!」by西島会長


「大迫教授に会いにいったんですか?」by三瓶先生

「何話したんですか?」by三瓶先生

「三瓶先生が帝東医大辞めたときのこと聞きました。」byミヤビ先生


「好きな食べものですか?いや、考えたことなかったですね。」by三瓶先生

「私はこれ、ちっちゃい頃妹とよく駄菓子屋さんに行って買ってたんです。さっきコンビニで見つけました。近所に駄菓子屋さんとかなかったですか?あんまり行かなかったですか?」byミヤビ先生

「あんまり行かなかったですね。」by三瓶先生

「放課後何をしてたんですか?」byミヤビ先生

「あっ何かあり見たりしてましたけどね。」by三瓶先生

「1人で見てたんですか?」byミヤビ先生

「いや兄と見てました。」by三瓶先生

「お兄さんいるんですね。私、妹います。何歳離れているんですか?」byミヤビ先生

「3つですね。」by三瓶先生

「今何してるんですか?」byミヤビ先生

「もう、あの…。亡くなっちゃったんですけど。あの全然。すいません。あの兄がいて。あの重度障がい者だったんですけど。僕が8歳のときに重度障がい者施設に入って。まあ僕も含め。あの〜。障がい者施設をすすめた人たちも。僕も、あの、家族も。みんなそれが最善だと思ってたんですけど。兄は…。ずっと泣いてて。世の中も。僕も。兄のためっていいながら。ただ遠くに…。見えないようにしてただけなのかもしれないなと思いますね。奈緒ちゃんのことも。今も正解かどうかわかんなくて。いろいろ頑張ったんですけど。僕はまだ…。光を見つけられてません。」by三瓶先生

「う〜ん。私だったら…。うれしかったと思います。何か、もし聞こえてたんだとしたら…。ちゃんと聞こえてるよって言いたかったんじゃないかなって。うん。多分、光はこう自分の中にあったらいいんじゃないですかね。うん、そしたら多分暗闇も明るく見えると思います。」byミヤビ先生

《こうすると影が消えます。自分の中に光があったら暗闇も明るく見えるんじゃないかなって。byミヤビ先生》

「川内先生。」by三瓶先生

「三瓶先生。三瓶先生は私のことをともしてくれました。」byミヤビ先生


「かわいそうにね、あの子も。君なら助けてあげられるんじゃないかな。」by西島会長


「ごめんなさい。」byミヤビ先生

「はい?」by三瓶先生

「どなたですか?」byミヤビ先生


 綾野先生と麻衣さんが結婚し、丘陵セントラル病院が綾野病院が合併するとはびっくりだ。大迫教授は、西島会長からミヤビちゃんを守ってくれる展開で良かった。

 ミヤビちゃんの記憶が1日も持たなくなってしまった展開にびっくり。三瓶先生はミヤビちゃんを手術してしまうんだろうか?

 大迫教授は、関東医科大学病院でどうしていくのだろうか?もう最終章に向かっているので、どう終わるのか楽しみです。終わらないでほしいけど。