お父さんが帰ってきたところからスタート

「だからそこの境目がある意味ボーダーなのよ。親が彼氏がいて心配するイコール娘時代、彼氏がいなくて心配するイコール大人の女性、私はそう解釈してる」by六月
あー、わかる。結婚するまで心配されていた。

どんな人と付き合っているか、私が社会人になってもぶつぶつ言われていたな。


『あんな調子で、いっつも気まぐれ、マイペース、好き勝手やるもんだから「もう無理」ってお母さん出ていっちゃって」by七苗

でも20年以上は一緒に暮らしていたんだよね。

自分も結婚して20年過ぎているんだ。


『明るい人だったよ。毎朝、こうやって太陽に向かって拝んでた。「今日もいい日になりますように」って。それから、いっつもおいしいご飯作ってくれて「ああ忙しい」が口癖。よく「うちの孝行娘達」って』『「みんな10年ごとにちゃんと生まれてきてくれた」「おかげで助かってる」「これで子育て重なったらお母さん倒れちゃう」って』「でも、出ていっちゃったから。それっきり音信不通。そりゃ夫があのお父さんだったら出てくって。私だって正直この家早く出たかったもん」by七苗
お母さんと一緒に生活していたのは、12歳ぐらいまでだよね。その年齢からお母さんの代わりに自分が頑張んなきゃって、大変だったよね。


「分かってる、もうすぐハタチだよ。まだまだこれから伸びしろだらけだし、きっとすぐ誰かに出会うと思う。だから心配しないで、じゃあね」by八海

八海の優しさであり、自分がこれ以上傷つきたくないためのブレーキだし、今までの仲を崩したくもないから、そういうしかないよね。辛いね。

「俺はこのおおば湯を変えるつもりはないし、このままで十分」「大丈夫、何とかなるから」「七苗ちゃん、ここはね、このままでいいのよ。おじいちゃんのそのまたおじいちゃんのまたまたおじいちゃんの頃からある家なんだから。ちなみに徳川将軍も入ったことがあるとかないとかね、まぁ諸説あるけど、ハハハハ」by五郎

あれっ?変えるために、全国の湯めぐりしてきたんではないの⁈


「君、平和で温厚な空気醸し出してるから、いるだけで場が和むから」byあつ子

 コウタロウさんが話を聞いてくれたら、それだけで和むかしら⁈

 

「最近ちょっと様子がおかしいむっちゃんにひと言。私は賛成ですよ。」by久美子

「何か勘ぐってる?」by六月

「3人しかいない職場です。そりゃ気づくこともありますよ。」by久美子

久美子さんが賛成してくれるなら良いんじゃない⁈なんて、外野は思って観てしまう。


「そう、ここは職場。私がやっとの思いで築いた城なの。今さらそれを捨てるつもりもないし、これ以上は進めない。」by六月

「えっキャリア優先?」by久美子

「また、誰かに期待して裏切られるとつらい。もう、ねえ、私はセルフで幸せになるの。もうセルフハッピー宣言。それどころじゃないんだよ、今。実家でお家騒動が勃発してさ。」by六月

お家騒動は一時の問題だけど、波があるからお家を考えていると幸せは逃げて言っちゃうよ。まあ外野は勝手に言えるからね。自分かその立場になったら、そうはできないからわかる。


「ほら五郎ちゃん、七苗達だってちゃんと考えてんだから」by陽太

「そうだよ、まずは何をどう考えてるのか聞くってのが男の度量ってもんでしょ。みんな応援してるんだよ。おおば湯、続いてほしいの」by六月

「少し考える」by五郎

男だからというより同じ言語をもつ人だから、話を聞いてほしいよね。


「名前九吾っていうんだね」byコウタロウ

おじいちゃんが一夫、おばあちゃんが二実、三枝子おばさんに四郎おじさん、五郎、六月、七苗、八海

名前、そんな風に繋がっていたんですね。


『「九」に「吾」で九吾。お前たちの弟だ。』by五郎

お母さんの旧姓が品川だったんですね。

そして、弟だったのか。


「長野のお母さんの実家でばあちゃんとずっと一緒に暮らしてたそうだ。でも、そのばあちゃんも亡くなった。」by五郎

『「も」?って、お母さんは?」by六月

「3年前に心臓悪くして」by九吾

3年前にお母さん亡くなっていたんですね。


「そっからばあちゃんと苦労したんだよな。だから、こっから先はうちで面倒見てやりたい、そうさせてくれって言ったんだよ。ても」by五郎

「俺は誰の世話にもならない」by九吾

「ずっとこれだからハハハ、とにかく一度うちにおいで、心配なら、いっぺん様子見に行ったらどうだって、で、実際うちに来たんだよな?」「そしたら最初驚かせたくないって言うから弟どうのこうの隠して、とにかくいっぺん家の中見ようってことになってそれで…」by五郎

「ちょっと待って、意味わかんないんだけど。この子が私達の弟?じゃあ、出てった時お母さんは?」by八海

「実家に戻ってすぐおなかの中の子に気づいたって」by五郎

「もしかして他に誰かいたとか」by八海

「いや、ずっとひとりだったそうだ」by五郎

「じゃあ何?私達は?ただ単に捨てられたってこと?この子だけ育ててればいいやってそう思ったってこと?」by八海

「やめろよ。捨てたのはそっちだろ。一度も迎えに来ないでさ」by九吾

「お父さん、迎えに行ったんだよね、何回か。でも会えなかったって、追い返されて」by六月

『早いな、諦めんの。そのおかげで母さん、どれだけ苦労したか。働き通しで寝れなくて、体もあちこち痛めて、でも平気って。俺にはずっと「平気」って。心配させないように」九吾

今さら家族づら、すんな!って言いたい気持ちはわかる。今まで一緒に住んでいなくて、交流もなく17歳からなんて、なかなか難しいよね。交流あったとしても、お互い複雑よね。三姉妹も知らない出来事だったし、お母さんが亡くなっていたことも聞かされて。


「俺が行って見てくる。何なら俺んち泊めるから。五郎ちゃんはちゃんと話さないと」by陽太

陽太は、大庭家のまとめ役ですね。


「お父さん、ちゃんと最初から説明して。何があったの?」by六月

電話はご近所の方がしてくれたんですかね。おばあちゃんずっと追い返していたけど、亡くなったら一人になっちゃうから、お願いしていたんでしょうね。

九吾のこと、その時にお父さんも知ったのか。

九吾も、父親と別れたしか聞かされてなかったら、急に、父親ヅラされてもね。

落ち着くまで一緒にいたんですね。

連絡できなかったのは、説明ができなかったからなんですね。少しずつ時間かけた方がいいと思ったのに、一気に明かすことになってしまったんですね。


「どれだけ私達のこと振り回せば気がすむの?最低」by八海

 ずっと我慢して、寂しく暮らしていたんですもんね。


「まさかこんなことに、信じられない。これからどうすれば…」七苗

「大丈夫、九吾くんには家族が見つかった。こんないい家族が、だから大丈夫。きっとうまくいくよ。」byコウタロウ

うまくいく方に考えないと、だけど…。


「2人には謝らなきゃいけないな」by六月

「お母さんが出てった時、2人の面倒見なきゃいけないのに、自分だけ海外行っちゃって。あの頃、お父さんとお母さんケンカばっかでさ、それが嫌で家出たっていうのもある。」by六月

「それにしても理解できない。いくらお父さんがあんなだとはいえさ、こんな小さい子、普通置いてく?」by八海

『お母さんに聞かれたのよ。「おばあちゃんのところに行こうと思う」「一緒に来るか?」って」「でもその時は、すぐに帰ってくるって思ってたから「行かない」って「八海とここにいる」って言っちゃって。一緒に行けばよかったのか泣いて止めるべきだったのかいまだに分かんないけど、私の方こそ、ごめん」by七苗

八海はお母さんを責めたいよね。

六月と七苗は自分を責めた感じになってしまうよね。その当時の年齢を考えると、何とも言えないね。


「でもそのあとあの子が生まれて、お母さん生きがいみたいなものができたんじゃないかな。そう思うとちょっと救われない?」by六月

みんな、お母さんに会いたかったよね。

お母さんがひとりぼっちとかではなくって良かったですよね。


「あの、これあとでこっそり出されると思うから、わーって驚いてくれる?」byあつ子

「あの、ほら、誕生日っていうのは喜ぶ顔を家族や周りの人達に見せてあげる日だから、八海ちゃんはただただ幸せそうにしてればいいの」byあつ子

誕生日の人に喜んでもらうために誕生日って祝うのか。

確かにそうだよね。


「ひとりでやっていきたいなら人を頼れ」by陽太

そうだね。一人で生きるにしても、頼る人がいないと生きれないよね。


『お母さんが出ていったのは俺のせいだ。お母さんとケンカばかりするようになって八海はその声にビックリして泣いて、間で七苗も泣いて、俺の代わりに「お母さんごめんね」って、六月は家を出てって。そりゃそうだ、いたくないよな、こんな家。出ていくちょっと前、お母さん言ってたよ。「このままじゃ娘達にあたってしまう」「まだ小さい八海をどなりつけた」「七苗にも謝らせてばかり」「自分で自分が怖いだから出ていく」それ聞いて俺は離れた方がお互い楽になるかもしれないって。まあ全ては俺がどうしようもなかったからだ。このとおり、すまなかった」by五郎

お母さんは、少し離れて、また一緒に生活するとは考えてなかったんですね。


「だったら私だってお母さんを引き止めようとしなかった。一緒に行くか聞かれたのに」by七苗

「そんなこと言ったら私だって、海外なんて行かずにお母さん一緒に迎えに行けばよかった。なのに、ひとごとみたいに」by六月

「俺、明日、長野に帰ります。いったん帰ってどうするか考えます」by九吾

悩んでいるの、一人だけじゃなかったね。みんな色々と悩みながら生きている。


「お母さんの話聞かせて。私は何も知らないから」by八海

『特に話すことは…別に普通の母親でした。いつも「ああ忙しい」って口癖みたいに言ってて。朝起きたらすぐに洗濯を始めて、洗濯物を干し終わったら、太陽に向かって、こうやって拝む「みんな元気でありますように」って』by九吾

長野からお母さんいつも思っていたんですね。

九吾も七苗もお母さんの思い出は一緒だね。


「1人超えたね9ボーダー」by六月

20歳という記念の日、色々なことを知った日でしたね。


「ようこそ20代へ」by七苗

「こんにちは〜」by八海

「親を思い出す、家族みんなでお祝いする、そんなバースデーもいいねえ」by六月

お母さんのこと知れて良かったですよね。

20歳って、特別だよね。


「あっそうだ、さっきむっちゃんが撮ってくれた動画投稿しよ」by八海

 コウタロウのこと知っている人が見るかもしれないね。連絡が来るかもしれないね。ちょっと怖いけど。


次回は家族みんなで長野に行って、お墓参りしたり、荷物の整理したり、道中色々なんですね。

そして、一緒に住むことになるんですね。

七苗だけ東京に先に戻ったのは何でだろう?嵐もくるとか。

次回も色々ありそうですね。