いつものように、ミコが森野に語りかけるメールから始まる。
 裁判所の事件は何とか解決したが、森野の力が、いかに大きいか痛感した。やっぱり森野がいないとねとへりくだって話をするミコ。

 言い過ぎてしまったかなと思っていると伝えるが森野からは返事がなかった。

 無視されたと思っているので、恨みに変わり、森野に罰があたりますようにと呪いはじめてしまったミコであった。


森野を誘拐した犯人は、相当森野に恨みを持っているようだ。質問をすると口答えするなと暴力を振るうのだった。


運転手の坂浦を呼ぶミコ。

機嫌が悪くてどんくりころころを歌うミコ。

森野の髪型からどんぐりころころが出てきてしまったようだ。


慧から「急いでこれを見て」とメールがくる。

そこには、森野が映っており、8年前に起きた殺人事件の犯人として逮捕されたタクシー運転手・異口治(モロ師岡さん)は冤罪だと訴えていた。この事件は、都内でスナックを経営していた湯上幸(華耀きらりさん)が殺され、遺体の胸には十字架が刺さっていたというショッキングなものだった。被害者の名前と殺害方法が、ミコの小説『歪な十字架』と全く同じだったことから、一部では『歪な十字架模倣殺人事件』とも呼ばれていた。森野はこの事件の捜査を担当していたことを明かし、「誤認逮捕を黙認した私は卑怯者です。警察は誤認逮捕を認めてすぐに異口治を釈放してください」と訴えていた。


 次の日、ミコはコメンテーターを務めるワイドショー番組『朝キュン』に出演するためにテレビ局を訪れる。慧は、この事件のことを調べており、資料をミコに届けにきた。ミコはこの事件と私が書いた小説の犯人像がまるで違うから一緒にされたくないと心外であったが、冤罪だったこと、森野が担当していたことなど何も知らなかった。そして、こっちはめちゃくちゃ森野に歩み寄っているのに何にも話をしてくれなかったと腹立ってるのだった。

 すると番組サイトから、予定を変更して「歪な十字架模倣事件』と森野の告発について特集したいので、今回の告発騒動についてミコに話をして欲しいと要望されるのだった。

 ミコは事件に触れられたくない、模倣なんてうんざりと断るのだった。

 坂浦は「ミコさんはあの事件で傷ついているんですよ。ミコさん、嫌だったら無理して番組なんか出る必要ないんですよ。」と味方になってくれるだった。

 ミコは体調不良という形になり、ミコの代わりに、好きなタレントも出るからと慧が出ることになったのだった。

 ミコはなぜ、森野は急にこんな告発したんだろう、おかしいと疑うのだった。

「私がひきょうものと言ったときだけむきになる、そんな森野が自分のことひきょう者なんて言うとは思えない。」私へのメッセージだとミコは受け止めるのだった。


 警視庁に向かうミコ。

ミコを中に入れられるような状況ではないからと外で樋口とお話をすることになる。

「森野は誰かに言わされている。誘拐されて監禁されているはず」と話をする。

「みんな気づいてますよ。森野の家じゃないし、森野と連絡取れないし、あ〜誘拐されたんだろうなって、われわれもみんなそう考えています」と樋口は話をする。

 森野の二つ目の動画がアップされる。

「異口治は釈放されたのでしょうか?もしされていないようなら警察はすぐにでも釈放してください。この動画がアップされた今から10時間後。それまでに釈放されない場合、ひきょう者の私は自ら命を絶ちます。」と話していた。

 警察は事実関係を確認中で、これが終わるまで動くことができないようだ。


 ミコは慧に「警察を訴えたい。弁護してくれる?」と確認をする。

樋口は困り、ミコに協力することにした。

 ミコは慧が集めたファイルをみて、あの事件は怪しいところだらけと言う。

「事件当日、異口治は被害者の店を出た後、泥酔状態で自分のタクシーを運転して飲酒検問で捕まった。そのときに車のシートに被害者の血が付着していたことから容疑者として取り調べを受けたんだけど…。彼の供述では酔ってもうろうとはしていたけど、自分は何もやっていない。凶器となった十字架も買ってないって否定しているの。」「何日か後に突然自供したんだって。自分がやりましたって。」「何より一番怪しいのは、この異口治って、ニュースとかで見るかぎり、すっごい普通のおっさん。私が書いた小説の犯人は、殺人に美意識を持つ猟奇的な男なの。犯人像がまるで違う。」と話をするのだった。


「森野を誘拐した人物は異口治と近しい存在。」と疑うが、異口の両親は他界、結婚はしておらず、恋人もいないと樋口は答えるのだった。


 困った時には前提に戻る、森野の動画を見るミコ。しかし、何もわからなかった。

「動画をアップした人間も海外サイトからで特定できないそうです」と樋口はいう。


森野は「異口治を釈放してください」をなぜ3回言ったのだろうか?よく聞いてみると、夕方5時のチャイムが聞こえてくるのだった。チャイムの音楽は「どんぐりころころ」だった。

 5時のチャイムが「どんぐりころころ」は珍しい。都内近郊で「どんぐりころころ」を使っている地域は栗皮市、1箇所だけだった。

「見つかるまで一軒一軒しらみつぶしに捜すわよ!」というミコ。

 全然見つからず、焼きそば屋で休憩をする。

 栗皮名物、栗皮赤焼きそばを食べることにした。

「全然赤くないじゃん」とミコがいうと「あっ待ってください。これラー油かけて食べるんですよ」と坂浦が教えてくれるのだった。

「10年前から推してるのだが、ぜんぜん有名にならない」と店主は言う。

 辛さが後からやってきて、水を取りに行くミコ。

 そこには写真が飾ってあり、端っこに異口が女性と写っている写真があった。9年前の写真らしい。

 文香という名前で、何年か前に亡くなってしまったようだ。

 家に行ってみたが、人が住んでいる気配がなかった。侵入するために樋口に割って入ってとそばにあった小槌をミコは渡して、話をしていると、家の中から物音が聞こえてきた。

 そして、樋口が窓ガラスを割る前に、坂浦が割るのだった。

 中に入ると動画に映っていた部屋があった。

 森野がこの家にいたようだ。

 あちらこちら探してみたが見当たらない。

 ミコは柱に何か跡があることに気がつく。

 外から音が聞こえる。慌てて行くミコ。花瓶を割ってしまった。水の流れる音だった。聞こえる方へ行くと、坂浦が傷口を洗っていたのだった。

 

 物音がしたのは家ではなく、物置だったのでは?と物置を開けてみたがいなかった。

 19時10分

 森野の新しい動画があげられる。

「私を捜そうと思っても無駄です。私を見つけることはできません。繰り返します。異口治を釈放してください。でなければ私は死にます。」と話をするのだった。

 

「犯人は私たちをかく乱させるためにこの動画を投稿した。私、さっきこの部屋の花瓶割っちゃったの。」と話すミコ。

「けど、この動画の花瓶は割れていない。この動画はその前に録画されたもの。」と話すミコ。


 樋口の携帯が鳴り、ミコに携帯を見せる。

 ミコは坂浦に車を止めるように指示をする。


 坂浦は車を止める。

 文香の家の柱に傷があり、あれは子どもの成長記録であることを伝える。文香には子どもがいた。その子どもは異口治との子どもだったんじゃないかな。その子どもが森野を誘拐した犯人なのかもしれない。無理言って樋口に調べてもらったら、事件当日は22歳、現在は30歳。名前は猛。名字は坂浦だった。

 運転手の坂浦だったのだ。

「赤焼きそば」「どんぐりころころ」「水道の場所」

 森野は物置にいたのだろう。ミコと樋口が家の中で森野を捜してる間に別の場所に森野を隠したのだ。車のトランクを開けると森野がいたのだ。

「もうすぐ8時。時間になったら計画を実行できるよう、一番自分に近くて安全な場所に森野を置いておきたかったんでしょ?」と坂浦に伝えるミコだった。


「無実の罪の父親を救うためにやった」と坂浦はいう。

「父はいいかげんな男だけどすごい優しい人だった。酒に酔ったからって人を殺すような人間じゃない!警察が父を脅して自供させたに決まってる!」と坂浦はいう。

「今回の一連の動きは何ですか?明らかに何かを隠そうとしているでしょう。母は父の無罪をずっと信じてきました。しかし、父は逮捕された後も内縁の妻がいることは警察に言わなかった。おそらく僕を犯罪者の息子にはしたくなかったから。それを察した母も父との関係は口にしなかった。だから再審請求もできずに…。その心労で体を壊した母は亡くなりました。僕の家族は警察にめちゃくちゃにされた!」と訴える坂浦だった。

「僕なりに色々と世間に訴えかけました。でもそんなことじゃ警察に立ち向かうのは無理だって…。だから、こうするしかなかったんですよ!」と坂浦は言い切るのだった。

「どんな理由があろうとあなたのやったことは許されることじゃない。私たちが真相に近づいてる間、怖かったんでしょ?坂浦くん、あなた、こんなことできるような人間じゃない。何で相談してくれなかったの?」「もうやめよう。自首しよう。私はあなたを救いたいの!」と伝えるミコ。

「ここまでやったんだ。もう引き下がれない。」とナイフを出し、森野に襲いかかろうとするのだった。

 坂浦は、警察官に対する逮捕監禁罪および警視庁に対する威力業務妨害によって逮捕された。


 樋口は、今回の件、捜査一課の知らない部隊が動いててミコさんの行動を全て報告するようにと上に言われていたとのことだった。


 坂浦に会いに行く、ミコと慧。

 慧が坂浦の担当弁護士になってくれると伝える。

「今のところ、いかれた男が凶悪犯である自分の父親を釈放しろってありもしない冤罪をでっち上げ、刑事を人質にして世間を騒がせたって報道されてる」と慧が伝える。

「どうしてドライバーとして私に近づいたの?」とミコは聞く。

「8年前の事件、あれはあなたの小説を模倣して起きた事件です。あなたの小説さえなければと…。復讐心で近づいただけです。」「ちなみに僕の父はミコさんの小説を一つも読んだことありません。だから模倣しようがありません。」とミコに伝える坂浦。

「全部嘘だったの?」「私のファンだって言ったこと」鼻をこすって「はい。全部嘘です。」と伝えるのだった。


ミコは森野に会う。

ひきょう者と言ったことを謝るミコ。

いいんです。実際そのとおりですからという森野。

「8年前、犯人は異口治で間違いない。必ず落とせ」と上から言われて私はこの事件を任されました。《このひきょうもの》《そうだろう》《俺はやってないって何度も言ってんのにあんたら警察は俺を犯人にしたいだけだろ!》異口の言葉に私はもう一度事件を洗い直すことにしました。調べれば調べるほど異口治は猟奇的な殺人を犯すような男ではない。私はそう感じるようになりました。もう少しだけ時間を下さい。そうすれば、必ずあなたが犯人じゃないという証拠を見つけ出しますからと伝えると、《警察なんて信用できないよ》《どうせあんたも俺のこと疑ってんだろう?》《俺がやった》《俺が殺した》《認めるよ》《これでいいんだろう?》異口がなぜ急に自供したのかわかりませんが、明らかに違和感を感じた私は何度も上に掛け合いました。しかし…。異口は検察に送られました。誤認逮捕の可能性がありながら私は何もできなかった。あの日以来、私はイップスになったんです。と森野はミコに打ち明けた。

おそらくですけど、ミコさんもあの事件が原因でイップスになったんじゃないんですか?と森野は聞く。自覚はないかもしれませんが自分が書いたものと同じ殺人事件が起きたんですから心に傷を負うはずです、と森野に言われる。

イップスを改善させるには、まずはその原因と向き合うことが大事なんだそうですと森野に教えてもらう。

ミコは「じゃあ、取りあえず…。2人で真犯人見つけちゃう?そしたら前に進めるかもよ。」と言うのだった。

そして、森野に握手を求めるミコ。

森野は、これはきつい、恥ずかしいと拒むのであった。


黒羽弁護士と呼び止める樋口。

あなたが調べた8年前の事件に関するこのファイル。ここに書かれていることは警察内部の人間しか知り得ない情報ばかり。なぜ、あなたがこの情報を?と聞くのだった。

ただ、色々頑張って調べただけですと伝える慧。


今回の事件の犯人は坂浦だったんですね。

だから、以前、森野の名前を見た時に、顔が変わったんですね。

はじめから犯人がでてくるパターンなのになぜ?今回は?と思っていたら、そういうことだったのかと。


次回はフィギュアコーチと教え子の確執!ですか。

歪な十字架模倣殺人事件は少し進展があるのでしょうか?坂浦くんはもう出てこないってことはないですよね⁈