題名に惹かれて、この映画を観たいと思いました。



  《イントロダクション》公式サイトから

日本の伝統工芸である有田焼の街に生まれた14歳の少女・結衣。折り合いがつかない家族のことや器用に立ち回る大人の都合に葛藤しながら、言葉にできない思いを絵に描き続ける彼女は、大人たちの裏切りを知り、暴走してゆく。

結衣役には、「ポカリスエット」のCMに抜擢され注目を集め、2023年には『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』(ディズニープラス)でW主演を務めるなど、今最も活躍が期待される中島セナ。孤独と危うさを抱えた複雑なヒロイン役で、自身初の単独主演を果たす。母親役に、映画やドラマで活躍中のMEGUMI、父親役に大迫一平、友人役に、ドラマ「ブラッシュアップライフ」の安原琉那など。監督は、TSUBAKIやマキアージュなど、資生堂のCMを長年にわたって手がけ、<女性美の魔術師>とも呼ばれた小島淳二。手の込んだものより合理的でシンプルな焼き物に需要が移る陶芸の街のいまを通して、“美しさとは何か”を問いかける。

  《あらすじ》公式サイトから

伝統的な焼き物のまち。14歳の結衣は、父と祖母の3人暮らし。美しいと感じたものを自分の色使いで絵を描くことが唯一の楽しみで、美術教室での技術重視の指導方針には馴染めないでいる。ある日結衣は、父親が好意を寄せる絵付け師・美樹と出会い、その独創的な絵柄に魅了される。一方の美樹は、公募展を前に、入賞を約束された古典的なものか独自のデザインか、どちらを選ぶべきか葛藤していた。そんな美樹に対し、個性を尊重すべきだと勧める結衣だったが…。




  《感想》

14歳って、複雑な年頃なんだろうなと思います。はるか昔ではありますが、中学生の頃、毎日母と言い争いをしていた記憶があります。
何も考えていないわけじゃないのに、親の気持ちのわからない人だとよく言われてましたし、学校でも子どもの方が大人を気遣う社会だったような気がします。
私自身、大人に認められて育った感覚があまりありません。ダメ出しされるだけだからと、学校内では目立たないように生きることに一生懸命だったような気がします。諦めていたような気がします。なるべく怒られるようなことはしない。めんどくさくなることはしない。そんな感じで自分を守って生きてきたような気がします。

 

 公式サイトに監督のインタビューが掲載されています。この映画の着想した経緯は『自分の子供が、高校生の時に美大受験のために美術学校に通い始めて、帰って来る日によっては、すごく落ち込んで帰って来て一言も口を聞かずに部屋に入ることもありました。受験で通るための絵を描くように指導されることや周りといつも比べられ順位を付けられることが苦痛だったようです。そんな様子を見ていて、「自由に描けたら良いのに」と思ったことがスタートでした。
もう一つのきっかけは、地元である佐賀県西部の焼き物の窯元が、衰退している様子でした。職人の人が作った手の込んだ絵柄より無地でシンプルなものが売れる。誰にでも受け入れられやすいけど、個性がないものばかりになっていくことがつまらないなという想いでした。人間的な柔らかい部分が、大切にされない寂しい世の中になってないかという疑問でした。』とのことでした。

 今回の映画のテーマは、「美しさとは何か」を描くことだったようで、インタビューの中で『今作は人間の内面から生まれる創造物の美しさをテーマにしています。花や景色など自然を見て美しいと感じることと、人の創造物を美しいと感じることには、どのような違いがあるのか考えた時、前者は、圧倒的で普遍的なもので 後者は、主観的な個人の経験や感性で受け止め方が変わるのではないかと考えました。創作物に共感することのできる感性は、人の感情の中で、もっとも人間らしい柔らかい部分だと信じています。美しさを感じる心は、言葉より深く信頼できます。作者の人の伝えたい純粋な想いが響くのかもしれない。美しさとは、作者の内側にあるもので、繰り返し訓練して体に染み込んだ技術で表現された作品に潜んでいると思います。なぜこのテーマを描こうとしたかは、自分でも明確な理由はわからないんです。自分の中でも言葉にならない何かを表現しようとしているのだと思います。』と答えていました。

 作中にも出できますが、自分が思う緑と相手が思う緑は違うように、緑は緑でも、美しいと感じる緑は人によって違いますよね。美しいと思う色自体、みんな違うかもしれないですよね。年代によって変わってくるかと思うし、その時の気分でも違うかもしれない。

 でも、自分の感性が認められたら嬉しいですよね。心が勝手に動いた感性に、他人がそれは違うと評価するのは心外だよってありますからね。私が良いと思ったのに。

 商売にするなら、買う人側の感性が動かされなくてはならないから、自分の感性を自由にとはいかなくなりますよね。葛藤が出てきますよね。

 伝統も大事ですが、今求められるものでなければ廃れてしまいますしね。美しいものを引き継ぐのも大事なことなのに。


 私には結衣の生き方がちょっとわかりませんでした。育った環境も違うし、感性も違うからでしょう。そして、私が大人になってから長いからかもしれませんね。

 だから、なぜ、結衣の行動がそこまでやってしまったのかがわからないのです。色々な感情があったのでしょう。そこまではわかりますが、なぜ、薬を飲ませるのかがわかりません。

大人は自分が悪かったのだろう、だから子どもに寄り添うことは大事だし、大人が謝るのも大事ですが、お父さんはなぜ話をしないのでしょうか?結衣はお父さんになぜ怒らないのか?聞いてましたが。本音で語ろうよって思ってしまいます。大事なことを避けているような気がします。嫌われたくないからですかね。不憫にさせているって思っているからですかね。結衣の気持ちがわからないと元妻に会いに行っていましたが。

結衣の心にきちんと向き合う人は誰なんだろうか?

結衣も謝りたいと言いながら、あれ、えっ?って感じで、私にはわからない流れがやってきました。自分のしたことに叫んでいるのでしょうか?車から降りて川に入る。

心を失ってしまった世界。危険もわからずに突っ走ってしまうこともあるのが人間なんでしょうか⁈


私も人のことを言える立場ではないからなぁ。

子どもの気持ち理解出来てないような気がしますしね。


この映画を観ていると、あまり人に期待しすぎないことが大事なような気がしてしまいますね。悲しすぎるかもの話ですが。


 

大人は社会を知っているから、夢を持たせて生きる見本になるのは難しいんだろうなと思ってしまいます。


14歳はやってはいけないことはある程度わかっているけど、まだまだ後先考えずにやってしまう年齢ではあるんでしょうね。

責任の取り方を一緒に考えていかなければならないのでは何て思いますね。私も責任の取り方が下手なんで言える立場ではないのですが。


この映画を観て、世の中は、美しいものがたくさんあると思っていたのですが、美しくない話の方が多いのかなと感じてしまいました。


私には難しい映画で、支離滅裂な感想になってしまったな。