自分の人生は71歳に向かって生きている。まだ、先と思っているけど、あっという間にくるかもしれないし、71歳に到達する前に起こることかもしれない。
 これからの人生に大事なことを教えてくれそうと思い旦那と二人で観てきました。

 《あらすじ》
岩城滉一26年ぶりの主演映画
新たな一歩を踏み出す、すべての人に贈る
人生はこの瞬間も輝いている
定年退職し、認知症だった愛妻も看取り、ひとり静かに暮らす福山健二。
最近物忘れに不安を覚えめた健二は、残りの人生を、 息子家族にも誰にも迷惑かけずに過ごすため、健康維持を意識する。
そのひとつとして、市のコミュニティクラブに参加した健二は、 同年代の橋本と出会い、さまざまな場所に出かけ、友好を深めていく。

 ある日、橋本は水泳教室に健二を誘う。全く泳げない健二は躊躇するのだが、 橋本の「出来ない事を出来るようになるのは愉快じゃないですか?」という言葉に後押しされ、参加を決める。
その教室には、夢破れ、若くして「残りの日々」を過ごす、香里がコーチとして勤めていた。
水泳を大切な「挑戦」であり「目標」だと考えはじめた健二に、次第に変化が訪れ――


 《感想》

 観終わった後思ったのが、観てよかったなって思いました。リアルに感じたし、考えさせられましたよ。どの年齢の方が観ても良い映画だなと感じました。

 自分の親のこと、旦那の親のことをもっと真剣に考えなきゃと思いましたし、自分自身のことや旦那のことも今後一人になるかもしれない。自分が認知症になるかも知れないし、旦那が認知症になるかもしれない。誰にもお世話になりたくないと思うけど、どう介護して、一人になった時、怪我をしたり、病気になった時に、限界を感じるよなとリアルに伝わってきました。

 

 健二さん(岩城滉一さん)は、妻・佳代さん(宮崎美子さん)を2年前に亡くす。

 孫が誕生日を迎え、遊びにきた時に、今日来ることを忘れていた。息子夫婦から健康維持するために、市のコミュニティクラブのチラシを渡される。また、すぐにお話しができるように見守りカメラを設置され、不快に思うのだ。

 でも、テレビのリモコンが冷凍庫から発見し、物忘れの不安からコミュニティクラブに参加してみることにする。

 コミュニティクラブで体操を教わるが、みんなと一緒にやるのは気が引ける。恥ずかしいと思っていたところに、同じように思う橋本さん(田山涼成さん)に出会うのだ。

 健二さんは橋本さんの会話に圧倒され、ついていかれない時がある。橋本さんに水泳を誘われるが泳げないので断ると、避けられてしまった。

 避けられてしまうと寂しい。少しずつ挑戦しなきゃと思い、橋本さんと水泳を習うことにした。

 生前奥さんが言っていた言葉や橋本さんに「きょういく」と「きょうよう」の大切さを教えられる。「きょういく」とは、「きょういくところ」で、きょうよう」は、「きょうの用事」を意味する。予定をいれること、誰かと約束することで橋本さんの息子のお嫁さんは喜ぶんだと話をするのだった。

 しかし、水泳教室の初心者コースがあまりにレベルが高く、参加することができないと躊躇してしまうのだ。

 ある時、水泳教室の講師・岸本香里さん(高月彩良さん)から声をかけられる。

 教わることで、上達することができた。

 コーチも実は悩んでいたのだ。

 選手として外されてしまい、水泳人生を続けるために、市民スポーツセンターで水泳教室の講師をしながら、自分でトレーニングするしかなかったのだ。

 水泳をやめたら、何もなくなってしまう。

 24歳で若いけれども、水泳のラストターンの人生なのだ。水泳は続けたいがどうしたら良いのか悩んでいたのだ。

 この映画は決して高齢者だけの話ではないのだ。

 教えることで教えられるのだ。

 教えてもらいたいと思ってくれることが励みになるのだ。人の存在が大事のだ。

 

 橋本さんはある日脳梗塞を起こす。幸いにも同居していたことで早く発見されて、後遺症が軽かった話を聞く。

 健二さんは、孫の写真を撮る前の日に、息子のお嫁さんから勧められたバランスボールで転倒し、足を痛めてしまった。一晩寝たら治るかなと思ったが、痛みが取れず写真を撮りに行かれないことを伝えると息子は怒るのだった。一生に一度なのに、何でだと。妻の親は来るのに、とも言うのだ。

 あの階段降りて出かけられないほどかと写真撮った後にでも顔を出すぐらいしたら?なんて思ってしまったが、その後、健二さんは熱を出してしまうのだが、息子は足がどうなったかも心配してないのだ。仕事が忙しいから仕方ないのかもしれないが…。

 熱を出して寝込んでいるのを知らないのは仕方ないが、子どもが感染症に罹ってしまい、奥さんは妊娠中だから移ってはいけないから一人で寝かせている状態だから見に行ってくれと息子は頼んでくるのだ。電話に出ないことに苛立ちするのも、健康に心配しながら、親は元気だと思ってしまっていることに、私も気をつけなくてはと反省しながら観ていた。

 幸い、映画は岸本さんが発見してくれたから良かったけど、実際はそうはいかないよね。近所付き合いが大事だけどなかなか難しいよね。親はいつ体調を崩すかわからないから、気にかけていかないとって思うし、心配かけたくないというが連絡してほしいって思うのだ。

 近所の犬が、飼い主が亡くなってしまったため生活に変化がおきて、朝早くから鳴いている。息子さんが面倒をみるようになったが、苦情がきて、保健所に相談した話を聞くのも、リアルに感じる。

 健二さんも気にかけて、犬の散歩を申し出るのだ。

 ありがたい話しで良かったと思ってしまった。

 ただ、中型犬に近い小型犬?のような感じなので、力のある犬だと筋力がないと難しくなるだろうなと思う。突然走り出したりしたら、自分が転んでしまうから気をつけなければならないだろうなとも思うのだ。


 まぁ、少しずつチャレンジ。

 いつまでも色々とチャレンジは忘れてはいけないなと思う映画でした。

 後ろ向きになる映画ではなく、前向きに考える映画で、色々な方が観るといいよねと思いました。

 優しい世界が生まれてくるような気がしました。