この映画は、2022年2月24日から20日間ウクライナ東部に位置するマリウポリで起きたドキュメンタリー映画です。
戦争ものって、つい、背けたくなってしまいますし、自国で起きたことでないと別の星で起きたのではないか⁈というぐらい、テレビをかじりつくようにみるものでなく過ごしてしまいます。でも、同じ地球に住む人として、そして、私が生きている時に起きた戦争。それを知らずにいるなんて、他人事にしてしまっていいのだろうかと思い観に行ってきました。

 《あらすじ》公式サイトから




ロシアによる侵攻開始から
壊滅までの20日間。 包囲されたマリウポリ市内では、
いったい何が起こっていたのかー.

2022年2月、ロシアがウクライナ東部に位置するマリウポリへの侵攻を開始。
これを察知したAP通信のウクライナ人記者であるミスティスラフ・チェルノフは、仲間とともに現地に向かった。
ロシア軍の容赦のない攻撃による断水、食料供給、通信遮断…瞬く間にマリウポリは包囲されていく。
海外メディアが次々と脱出していく中、彼らはロシア軍に包囲された市内に残り、死にゆく子供たちや遺体の山、産院への爆撃など、侵攻するロシアによる残虐行為を命がけで記録し、世界に発信し続けた。
徐々に追い詰められていく中、取材班はウクライナ軍の援護によって、市内から脱出することとなる。滅びゆくマリウポリと戦争の惨状を全世界に伝えるため、チェルノフたちは辛い気持ちを抱きながらも、市民を後に残し、脱出を試みた...。


第96回アカデミー賞
長編ドキュメンタリー賞受賞

この作品はウクライナ映画史上初めてアカデミー賞を受賞しました。




 《感想》

 2022年2月、ロシアがマリウポリへ侵攻開始。

 この映画は2月24日から20日間の映像を命懸けで撮ったものが映画となって映し出されます。

 2022年2月24日、私は一体何をしていたのかというと、カレンダーにメモが残っていて、映画を観に行っていたことがわかりました。

 私は平和に生きていた。



 2月24日、息子が帰ってくるのか心配な母親がパニックを起こしている映像。市民は攻撃されないから、息子さんも無事帰宅する。自宅に帰ることを促している記者の声が流れるのだ。

 プーチンの言葉を信じていたのだ。

 しかし、違うことがすぐにわかる。

 戦争は爆撃で始まるのではなく、静寂の中で始まるのだった。


 ロシアの攻撃は容赦なかった。

 なぜ、普通に暮らしていた市民を巻き添えしなきゃいけないのだろうか?なぜ、死ななきゃいけないのだろうか?サッカーしていたら爆撃受けるってなに?18ヶ月しか生きていない命をなぜ奪うの?

 戦争で訴える意味がやはりわからない。

 愚かなことだと思ってしまう。

 日に日に街が変わり、人が死に、悲しみしかない映像。この映像を観たロシア側の人は「フェイクニュースだ」と言い切っていることに驚いた。


 なぜ、病院に攻撃するの?信じられなかった。

 産婦人科が攻撃され、産婦人科がなくなり、病院は1つしかなくなってしまい外科で出産するしかなくなった。

 攻撃されたことにより母子ともに助からない映像はいたたまれない。


 私自身は、防衛本能から何度も目を瞑ってしまい、意識を遠のかせてしまった。


 戦争はやはり愚かすぎる。

 一人一人が平和について考え、考えをやめずに過ごさなければいけない。

 トップの人間は、戦争を行わず、自国の平和と他国の平和を考えられる人になってもらいたい。

 平和とは?の考えることをやめないでほしい。 

 安易な考えをしないでほしい。

 一般市民の命は、他国のトップのものでもないのだから。

 同じ地球人として、地球にあるものを大事にしていかれたらと思う。

 

 2023年8月7日のBBC NEWS JAPANの記事からの抜粋


ロシア軍が1年前に破壊、占領したウクライナ南東部都市マリウポリで、ロシア人が家を購入する動きがみられている。

ロシア軍によって建物の9割近くが破壊または損壊の被害を受けた。国連は、民間人数千人が死亡し、43万人いた市民のうち約35万人が市外に避難したとしている。

道路標識はウクライナ語からロシア語に変わり、学校はロシアのカリキュラムを導入、残った市民はロシアのパスポート取得が求められている。


戦前に住んでいた人たちからは、将来が不安だという声を聞いている。

「廃墟に代わって新しいアパート、保育園、学校ができており、すべてが最新技術によって修復されている」と伝えている。

という記事を読んだ。


また、2023年3月24日GLOBE➕の記事から抜粋

占領地の学校ではいま、ロシアの愛国教育が施されている。歴史の書き換えがなされ、学校にはロシア軍で戦死した「この戦争の英雄」の写真がかけられ始めたという。プーチン大統領の肖像画まであるという。

「街に残る全ての人々にとって、マリウポリで起こっている混乱の全てを認識することを迫られています。一番怖いのは子どもたちがこの戦争をどうみてるのか、どういう影響を受けてるのかです。全ての子供たちが私たち大人と一緒に同じ環境にいますから」


 マリウポリに住んでいたウクライナ人にとっては、生まれ故郷が失われてしまった。子どもたちの心はどうなっているんだろうか?ケアはされているんだろうか?


 その後ニュースを読むと、住んでいた人たちの気持ちがどこにも持っていかれない。守れていない。存在を消されている感じだ。

 戦争があったから、今がよくなったがでてくるだろう。

 確かにあるかもしれないけど、でも、戦争は愚かであると思わないといけないものであると思う。