「マイホームヒーロー”は、ドラマを観たわけでも、漫画を読んだわけでもなく、映画だけ観に行ってきました。
 

 《あらすじ》
 どこにでもいる普通の父親・鳥栖哲雄(佐々木蔵之介)が、愛する一人娘の零花(齋藤飛鳥)に危害を加えようとする半グレ犯罪組織の彼氏・麻取延人(内藤秀一郎)を殺害してしまうことで全てが始まるドラマ「マイホームヒーロー」。映画版では、ドラマから7年後を舞台に、哲雄が埋めた死体が発見され、死体とともに消えた10億円の行方を探っていた半グレ犯罪組織のボス・志野(津田健次郎)が、再び哲雄に狙いを定め、犯罪組織との最後の戦いが始まる。さらに、父の罪を知らずに刑事になった娘・零花も哲雄に疑いの目を向ける・・・
狂気的な志野に徹底的に追い詰められる哲雄と家族に平穏な日々は訪れるのか………? 




 PG12ということですが、私なら12歳までの子どもに見せないだろうなと思いました。怖いシーン結構ありましたもん。ドラマではどんな感じだったんだろうか?なんて思いました。

 明くん役をやった子役の石塚錬くんがお芝居だとわかっても、怖かったりしてなかったのかな?なんて思いました。

 

 哲雄は、どこにでもいる普通のお父さんかな⁈家族思いであり、家族を大事にしているシーンは普通のお父さんな感じがしますし、仕事をしている姿も確かに普通のお父さんって感じではあります。でも、ドラマを観ていないので、なぜ、娘さんが半グレ犯罪組織の彼と出会ったのかがわからないのですが、娘さんが殺されると思ったら、一人で戦うことを選ぶお父さん、そんなにいないと思うんですが、結構いるんでしょうか?どこにでも居そうなお父さんが戦った物語という解釈で良いのでしょうか。

 

 娘を守りたいと思っても、あの方達に勝てる気はしないと思うし、恐怖だと思うんです。

 一人で戦わないでと私なら言ってしまうと思いますね。

 推理小説が好きで、自分でも書いているからといって、色々な知識があっても現実は違うから、とも言ってしまいそうです。


 哲雄の奥さんの歌仙さん(木村多江さん)は、哲雄さんのために、家族のために何でもしてしまう人。

 ついこの間「コットンテール」にも木村多江さん出演していましたが、髪型が違うしメガネもかけているし、喋り方も違いカメレオン俳優だなと思いました。全然引っ張られることがなかった。どちらも、家族想いの役でしたたけど。

 ドラマや映画を観ると役者さんって、似たような役をやったりするけど、すごいですよね。器用な方というか、多彩な方でなければこなせない仕事なんだろうな、なんて思います。

 水が苦手というコメントをしていた木村多江さん。苦手でも、その作品のためならと俳優魂を感じました。


 遺体を一緒に隠すのを手伝ったり、私もあなたと一緒に戦うことができるという歌仙。肝がすわっている人だと思いましたね。


 私ならこれ以上恐怖を味わいたくないから、哲雄さんに自首してとお願いしちゃいそうです。


 何かを隠そうとし始めると、隠すものが増えてくる。

 ドラマの時から7年後を描いた映画とのことですが、嘘を突き通して生きること、なかったことにして生きるなんて出来ないでしょうから、哲雄さんは、ミステリー小説を書くこで、自分の抱えきれない気持ちを吐き出して暮らしていたんですね。


 映画の中では最終回を描かれていますが、原作は完結していないので、完結が違くなってくるんですね。どのようになるのか、楽しみですね。

 

 零花ちゃん(斉藤飛鳥さん)が警察官なっての登場。犯人を追う姿、キックボクシングの姿、とても様になっていました。また、お父さんが自分を守っていたと知った時、家族を守らなきゃという思い伝わってきました。


 半グレ集団ものって苦手で普段は観ないです。

 志野寛治(津田健次郎さん)のヤバさ、窪(音尾琢真さん)のヤバさに、私はとても恐怖を感じました。二人は仲間であり家族だったのですね。麻取義辰(吉田栄作さん)とも。

 

 間島恭平(高橋恭一さん)は、お母さんとの約束を守りたかった。元半グレ集団にいたこと、哲雄と関わったことで人生が狂ってしまった。元々は優しい心の持ち主なんだろうなと感じます。零花の彼氏をお父さんが殺したことを零花につたえた時に、零花の気持ちを汲んでお話しをしていたから。哲雄に恨みがあっても零花に優しかった。ただ、哲雄に会うために零花を利用したようには思えなかった。家族を守ることで、ラストの判断は人生の軌道修正になっていけたらと思う。


 息子、麻取延人(内藤秀一郎さん)を守りたかった麻取義辰。麻取義辰は、哲雄の前で自ら命を絶ってしまった。義辰にとっては、延人は大切な息子であった。絶望的になり、哲雄を苦しませるために自分の命と引き換えしてしまったのだろう。


 哲雄は、延人を殺したことがバレては困るし、義辰が自死と証明するのは難しい。

 結局、嘘を重ねていかなければならなくなってしまった。

 土砂崩れが起きなければ隠し通せたのかはわからないですが。


 それぞれの家族が守りたい人のために起きてしまったことのようだ。

 

 守るためには、人を殺さないと守れないのか?

 命がけをして守るのが家族なのか?

 自分の命よりも大事なものが家族なのか?


 命を落とす前に何とかならないんだろうか、なんて思うが、守り切るとは、綺麗ごとでは済まされないのだろうねと思ってしまう。

 人間はやはり動物だということなのだろうか?

 でも、動物同士の争いと人間同士の争いはちょっと違うなと感じる。


 動物にはお金が絡んでくるということはないだろう。


 そして、動物と人間の違いは、動物はたぶん誰かのせいにしては生きないのではないだろうか?

 自分ごとで考える人もいるが、他人のせいにして生きるのが人間なのかもしれない。


 お金は確かに大事だ。

 お金がなければ生きてはいけない。

 でも、お金に溺れてはいけない。


 間野会は、お金が人の命より大切な存在であるのかなと思いました。仲間に対しても、聞いていることに対して答えないと容赦ない。仲間というのは、答える(応える)ことが絶対なのだろう。

 答えられない(応えられない)🟰歯向かっている

ことになり、仲間意識が欠けているということなのだろう。

 間野会の志野は、ワンマンと感じる。

 暴力や恐怖、脅しで人を動かして、暴力や恐怖、脅しでしか人は動かないとでも思っているのかもしれない。なぜ、あの方たちは間野会に入りたいのか、魅力がわからなかった。普段は優しいのか⁈恐怖を味わいたくないから入っていたら安心なのか⁈

お金のためか⁈


 哲雄さんは、常に家族を守りたかった。

 だからこそ、マイホームヒーローなんだろう。

 

 零花が私のために犯罪を犯したのかと知り、お父さんに謝罪をするシーンがあるが、決して、娘を責めなかった。

 普通は出来ないと思う。

 ただ守りたかったからと。零花は悪くないなんて。

 あそこまで自分の命より家族を守り続けれるのは、普通ではないと思う。


 普通なら哲雄さんはあんなに殴られたり、切られたら死んでいると思う。生きているわけないと思ってしまう。死んでしまった人との差がわからないぐらいだった。


 大沢隼人(宮世琉弥さん)は、はじめは、味方なのか、新たな哲雄を脅す人なのかわからない人であった。大沢の過去を知り、大沢が大事にしていた人の大切なものを届けるために、どう戦うか考えて生きてきたんですね。


 それぞれの正義は、人を殺すことでどう成立するんだろうか?と思う。

 ただ思うのは、麻取延人と、まず、出会いたくないなと思ってしまいますね。

 

 一人では戦わず、できれば、誰も殺さずに生きていきたいものですね。