最近、映画館に行くと過敏性腸症候群(IBS)が発症してくる。一時よくなっていたけど、パニック障害の人はIBSと合併しやすいといわれているから、まぁ、仕方がないのか。

 胃の調子も良くないし。

今日は、漢方を処方してもらうために病院に行ってから、「コットンテール」を観に行ってきました。


 この映画は予告を観て、興味を持ちました。
 
 《あらすじ》コットンテールのオフィシャルサイトから
 60代の作家、大島兼三郎(リリー・フランキーさん)の最愛の妻、明子(木村多江さん)が、闘病生活の末に息を引き取った。埋めようのない喪失感に打ちひしがれた兼三郎は、生前の明子が寺の住職に託した1通の手紙を受け取る。そこには明子が愛したイギリスのウィンダミア湖に、遺灰をまいてほしいという最後の願いが記されていた。兼三郎は遺言を叶えるために、長らく疎遠だった息子の慧(錦戸亮さん)とその妻さつき(高梨臨さん)、4歳の孫エミとともにイギリスへ旅立つ。しかし互いにわだかまりを抱えた兼三郎と慧はことあるごとに衝突し、単身ロンドンから湖水地方に向かった兼三郎は、その途中で道標を失ってしまい・・・・・。


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 大島兼三郎さんが妻の明子さんのお葬式に行くまでの行動が、喪失感の現れによるものかも知れないが、あまりに身勝手さを感じてしまい、妻との思い出の場所をそんなんで過ごしていいのか?と私には嫌悪感しかなかった。

 明子さんもそのこと知ったらどんな反応するんだろうか?明子さんは兼三郎さんのどこに惹かれたのか?なんて思ってしまった。


 兼三郎さんと明子さんとの初めての出会いでは、兼三郎さんが身勝手過ぎるとかなく、奥手な感じで、明子さんの明るさにすごく救われている感じがした。


 若き兼三郎さんを演じたのは、工藤孝生さん、若き明子さんは、恒松祐里さんで、二人の配役とてもぴったりだなと思いました。

 兼三郎さんの役をした工藤孝生さん、リリー・フランキーさんの若きし頃に見えましたし、明子さんの役をした恒松祐里さんも、木村多江さんの若きし頃の雰囲気を感じました。


 明子さんは認知症を患い、兼三郎さんが一生懸命介護をしていた姿をみると、大切な人なんだろうなということが感じます。認知症になると身体が悪くなくても痛みを訴えることがあるんですね。痛み止めが効かず、苦しむ姿は、側にいて耐え難かいですね。明子さんから苦しんでいたら、苦しみをとってね、とお願いされていて、兼三郎さんは苦しみをとってあげたかったと話をし、また、息子からも、お母さんは、苦しくなったらお父さんが何とかしてくれるだろうと話をしていたことを伝えており、明子さんはご主人を信頼していたことが伺えます。


 兼三郎さんは、奥様が苦しんでいた分、早く叶えてあげたい気持ちから周りからは身勝手と捉えやすい行動とみえるような行動をしていたのかもしれませんね。息子とお嫁さんはついていかれない思いがいっぱいでしたが。息子さんとお嫁さんには4歳の娘がいるので、無理せずに一緒にいきましょうという思いが強かったんですよね。 


お父さんの気持ちは、早く安らいで欲しいという気持ちがいっぱいなんですよね。だから、周りには配慮ができないのだろうと後からじわじわと感じてきました。


 息子家族からしたら、また自分勝手なという思いになってしまうだろうなと感じます。観ていた時は、私も、なんて自分勝手なと思って観てましたから。


 一人でウィンダミア湖に行こうとして、結局は、迷子になってしまい、ある家族にお世話になるのだ。

 その家族も一年前にお母さんを亡くしたことを娘さんから聞く。お父さんは、娘が力になってくれたことを話するのだ。息子さんがいるなら、息子さんに協力してもらうことの大切さを教えてもらうのだ。そして、ウィンダミア湖に連れていってもらうのだ。


 連れて行ってもらったウィンダミア湖は、写真とは違っていた。お世話になった家族とはさよならをし、息子家族と合流して、一緒に写真の湖を探しにいくのだった。

 湖を探しながら、お父さんは少しずつ息子に対して、ありがとうとの気持ちを伝えるようになり、息子もありがとうと言ってもらえることでわだかまりが少し解けていくのだ。


 慧とお父さんにわだかまりがあるので、慧の奥さんはどうにかお義父さんと波風立てないようにしていきたい気持ちでいるのですが、距離感を取るのが難しいだろうなと感じました。お母さんの希望を叶えるために我慢しなきゃって感じだろうなと。でも、お義父さんとどう話していいかわからないから、慧がトイレに行った時は、私も一緒にはいるのが難しいから、トイレに行っちゃうだろうなと思いました。

でも散骨後は、二人のために良い距離感を作っていて、盛り上げていて、明子さんからバトンタッチされたように感じました。雰囲気も似ている感じがしましたし。


 はじめて明子さんに会った時にお話しを聞いた光景に出会い、みんなの距離が縮まった感を感じるラストでした。


 家族って、なんでしょうね。

 分かり合えそうで、分かり合えない。

 わかってくれそうで、わかってもらえない。

 家族って、距離感が難しい。

 

 イギリスでの散骨を調べてみました。

 イギリスでの散骨は、自然の生態系に及ばないように、散骨できるエリアが厳格に定められているようです。日本からイギリスに散骨するのは可能のようです。

 散骨で人気のある場所は、景観の良い場所、河川、海、山、丘などだそう。意外な場所だと、自宅の庭、所有地、ゴルフ場、サッカー場、競馬場などに散骨すること方がいるそうです。

 所有地の場合は、オーナーに許可を取る必要があります。火葬場の敷地内の慰霊碑がある芝の広場や花壇も散骨に使われるようです。


 実際に湖を散骨していいのかは、わからなかったです。


 全体的には静かな映画だなという印象です。


 私自身、思い出の地はないので、ここにというのはないですが、墓はいらないと思っています。