岸くんを呼んでのお葬式のお話は、自分らしく、最後まで変わることなく、そして、みんなが悲しまないで欲しいという願いで、お父さんは動いているだろう。
 現実から目を逸らしてはダメだというお父さんは、いつも相手の気持ちを考えて生きてきたのだろうから。


 奥様が亡くなられた時の悲しみが、よりそうさせているのかも知れないが、過去の話を見ていると、自分が好きになった人に対しては、その人を優先に考えて行動していたことが伺える。
 だから、ガンになって余命を聞いて自分を受け入れたのも、最後まで自分らしくと言っているが、娘との時間を大切に、娘が辛くならないようにと思って生活をしているのかなとも思った。

 結婚の話も伊豆旅行で、ガスくんに対する思いを聞いて、反対しているわけではないのだと思う。死ぬまで一緒にカズくんと生活を送るために、龍之介くんの親になる覚悟を持つために、反対することで、何かがあった時にとどまって、考えて、父の反対を糧に頑張って欲しいのかと思った。
 自分がいなくなってしまうからこそ、最後のメッセージとして反対をしているのだと思った。

 覚悟を決めるためには、親は簡単に承諾してはいけないのかなと思った。
 子どもの気持ちを簡単に尊重してはいけないのかもなと。だから、うちの子、簡単に承諾してしまったか無責任な行動ばかりするのかと思ってしまった。

 実演販売という仕事も天職だったんだろう、なんて思ってしまう。相手のことを考えるのが得意だから。

 職場にガンである事を伝えるのも、変に気を使われたくないと言っていたように、自分よりも周りの人が動揺されてしまうことに対して気を遣っているのだろう。ギリギリまで頑張っていたのだなと。
 

 人生ノート
 自分の好きなものを伝えることでご家族にも周りの方にも自分のことを知ってもらうノート。それと同時に自分自身に対する再確認にもなるノート

 ノートを記入して振り返ることで、俺の人生幸せだったよ、と瞳に伝えるお父さん。
 人生幸せだったと言ってくれる親で瞳は幸せだね、と思った。
 お父さんの年齢は、62歳。
 平均寿命を考えると、まだまだ死ぬノートは先と思ってしまうけど。

 私は、両親を見てて、幸せさを感じられなかった。この世は、修行だと。辛いのが当たり前の世界だと教わった。
 我慢、耐えることが当たり前。
 両親の生きてきた時代は、大変だったから。両親の親も大変な時代を生きてきたから。
 両親は、幸せになるために生きるとは、贅沢なんだと思った。

 産院で、赤ちゃん、どう接して良いかわからないと打ち明けるシーン。
 
 「1ヶ月間よくがんばりましたね。赤ちゃんのために一生懸命頑張ったんですよね。でも、お母さんだからって、もう、全部完璧にはできないし、やろうと思わなくっていいんですよ。お母さんだって、誰かを頼っていいの。私たちのこと頼っていいんですから。自分がダメだと思わないで。辛いって思ったらいつでも来て」

 私も言われたかったな、なんて思いました。
 母子手帳に子育ては楽しいですか?と記入するところがありましたが、楽しくないなんて思っちゃいけないと思って、でも、楽しいなんて思えないから、どちらともいえない、をずっと◯にしていました。吐き出せなかった。これが当たり前なんだろうと。親の覚悟が足りないんだろうと思っていた。


 出産して1年間は、なぜか、いつかこの子は死んじゃうんじゃないかと思っていましたけどね。

 うちの子、7ヶ月の時に、予防接種後に発熱。副反応かな、なんてはじめて受診した病院で診断されました。
 たまたま、発熱してから2日後に、6、7ヶ月の検診を別の病院に予約していて、熱が下がらないため検診のキャンセルの電話をした時に、熱が下がっていないなら受診した方がいいと言ってくださって、病院に受診しました。
 発熱で検索していた時に、川崎病がヒットして、名前は知っていたけど、読んでいたら、似た症状があるなと感じでいて、病院に行った時に、もしかして川崎病ではないですかねと聞きました。母としての感は当たりました。そのまますぐ大学病院に行って下さいと言われて、大学病院に受診して入院となりました。
 川崎病にしては元気だねと言われたぐらいぐったりすることはあまりなくて、川崎病の症状と言われているものがほぼ出てはいたのですが、5日間発熱があったことを確認ができて、ガンマーグロブリンの治療が行われ、幸い後遺症なく元気にいます。
 BCGからのじゅくじゅくはかなり凄かったですし、指先の皮剥けもすごくて、今までの最高記録だと先生も驚かれたぐらい。熱があっても元気だったこともですけどね。
 
 子どもを育てるって、大変なこと。
 何年育てても、その年に起きることは初めてがあるから、わからないことだらけ。今、子どもはもうそろそろ親の手が離れる年頃ですが、まだまだ初心者マークつけて母親をやっている感じです。

 まぁ、余談話ですけど。


 さて、話を戻りますが、このセリフを聞いた時、瞳も相談した方がいいよと思いました。一人で抱えるのは大変ですから。

 節子先生から何かありましたか?と聞かれ、打ち明けられて良かったと思いました。

 「自分一人で抱え込まなくていいのよ。誰かに自分の気持ちを打ち明けて話を聞いてもらうことも大事なんだから」の節子先生のセリフ

 本当にそう思います。
 つい、迷惑かけちゃいけない。
 しっかりしなくちゃなんて思ってしまいますが。

 

 龍之介くんが家出をする。

 自分がいない方がいいんだと思ったから。


 結婚したいんだったら、しっかりとした経済力をもてと言ったから、悩んで悩んで芸人やめて、塾講師になったカズくん。
 お父さんは、売れない芸人だからダメであっただけで成功して欲しかったのだ。

 夢を簡単に諦めるなよ。

 お父さんに言われたからって。

 俺のせいかよ。


 ラストにお父さんに言えましたね。

 カズくんに芸人やめてほしくなかったと。

 お父さんがこの世からいなくなってしまうことを受け止めることを考えるだけで精一杯。

 なのに、お父さんも、カズくんも、岸くんも瞳を思っての行動ですが、勝手に進めていかないで、なんて思いますよね。

 岸くんもすごいですね。カズくんに言うなんて。

 たまにドラマで見られるシーンだけど、勝手に二人で話をするな、なんて思ってしまったりします。


 とにかく時間ないけど、立ち止まらせてよって。

 自分がどうしたいかは、誰かに話すことで明確になるから、瞳にはたくさん思いを吐き出せるところがありますように、そして自分はどうしたら良いか明確されますようにと思います。

 

 

 次回も楽しみにしています。