突発的イカの塩辛レシピ | 菅生雅文

突発的イカの塩辛レシピ

先週末の日曜、スーパーさえきのタイムセールで

三陸産の生スルメイカを一杯50円で購入。

今週の酒のつまみを自家製塩辛にするべく

二日がかりで仕込む。せっかくなので、ここで

スゴー家直伝「イカの塩辛」レシピを披露しよう。

ちなみにわたくしの親父は三陸出身、

なのでイカにはうるさい。


菅生雅文-しおから001
その1

新鮮で生食可能なイカの胴体とゲソを分離させ、ゲソについてきたワタを

丁寧にはずす。イカスミその他、ワタ以外のものは捨ててしまう。

キッチンペーパーをたたんで敷いた小さめのタッパーに、

ワタをそっと置き、塩を振って一晩ほど冷蔵庫で寝かす。


胴体は開いて骨を抜き、きれいに下処理を済ませる。

ゲソは目玉とカラスグチを切り捨て、水洗いして下処理を済ませる。

あとは両方とも軽く塩を振って一晩ほど冷蔵庫で寝かす。


ワタ、胴体、ゲソとも、こうすることで水分が抜け、

塩辛が水っぽくなるのを防ぐのだ。


蛇足)このワタ、関東ではワタと呼ぶが、わたくしの田舎では

「フ」と呼んでいる。北海道あたりでは「ゴロ」なんて呼んでいるらしい。

フは、五臓六腑の腑のことだろう。するとゴロは、

ゴゾウロップの「ゴ」と「ロ」を縮めているのだろうか。わからない。


菅生雅文-しおから002
その2

さあ、一日が過ぎた。

胴体とゲソの水気をキッチンペーパーで拭きとり、

食べやすい大きさに切る。

ついでワタを裂き、切ったイカの上にむにゅうっと絞る。

すると茶色い中身が出てくる。

ワタの袋は切って捨てるが、袋の根元の身の部分は

食感がいいのでわたくしは捨てずに使う。ここはお好み。

そしてかきまぜ、ワタを全体に行き渡らせる。


蛇足じゃないけど)少しでも保存期間を長くできるよう、

わたくしは塩辛作りに使用するタッパーはよく洗い、

さらに焼酎でゆすいでいる。焼酎の量はほんのちょっとでいい。

まな板も使う直前に熱湯消毒、これ基本。


菅生雅文-しおから003
その3

ワタの中身がイカに行き渡ったら、お次は味付けだ。

塩辛と呼ぶくらいだから、一般的には塩を使うようだが、

スゴー家では昭和50年代前半あたりから味噌を使っている。

このほうが風味が出るし、生臭さも減る。

味噌の量は好み次第。少なすぎるとイカが腐るので、

よくかき混ぜてから味見をして少量ずつ足し、いい塩梅を探る。

スゴー家の味噌は水気が少ないため、少量の醤油をたらして

伸ばしやすくしたりもする。そして冷蔵庫で2~3日、寝かす。


蛇足じゃないけど)この時点でツマミにしてしまっても、

イカ刺のワタ和え、なのであるからおいしい。

食品の傷みやすい梅雨どきや夏場などは、

初日のうちに一気にここまで処理してしまって

その晩のうちに全部食べてしまう、なんてこともやる。

そのほか、ワタをアルミホイルでくるんで焼き、

それに醤油をたらしてタレの代わりにして、

刺身にしたイカをつけて食べることもある。



菅生雅文-しおから004
その4

2~3日寝かせたら塩辛の完成だ。

なんだけど、食べたくなっちゃったので今夜ちょっとつまむ。

ワタを味噌を合えてから一日しか経っていないので

まだ味が若いのだが、これはこれでおいしい。

明日の晩は明日の晩なりに、明後日の晩は明後日の晩なりに

イカがこなれてきて、またうまいのだ。


以上、スゴー家直伝の「イカの塩辛」でした。

保存料などの添加物がいっさい入っていない塩辛なので、

これぞ本物の味! とオススメしたいところだけど、

わたくしは調理師免許も何も持っていないシロートなので、

みなさん作るなら自己責任でお願いします。


あー、うめぇ。こりゃ何杯でもいけるわな。

ちなみにわたくしの親父いわく。

「東京で売ってるイカなんぞ、おっかなくて塩辛にはできん」そうで。


イカにうるさい三陸出身です。