故郷 | 菅生雅文

故郷

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故郷まで、七時間。実家の手前の角で、道の向こうから老夫婦が歩いてくるのが見えた。西日に目をこらしてよく見ると、親父とおふくろだった。私はエンジンを切り、惰性にまかせて二人に近づいた。どうやら、病院の帰りらしい。おふくろは私の顔を見るなり、目を滲ませた。
若いころは大きなスクーターに私とおふくろを乗せ、颯爽と走り回っていた親父が、いまはおふくろに手を引かれ、よろよろと歩いている。
ただいま、と言うと、親父はか細い声で、よお、と応えた。

画像は我が母校、盛岡市立仙北小学校。ふと気が向いて立ち寄ると、運動会が行なわれていたのだった。
のびのび育てよ、後輩たち。