●ジャンプを読むのは何歳まで? (でびぞうお兄ちゃん)
1、昔は高校生になったら読まなくなっちゃう人達が多かったね
2、今は好きなマンガが載っていれば大人になっても読み続けてる人も多いね
3、
あれは僕が5年生、弟が2年生の頃だった。
父と母の間の空気はもうすっかり冷め切っていて、たまに口を開くと口論になり、それが過ぎればまた一言も口を聞かない日が続く、そんな感じだった。
弟はそんな空気をどうにかしようと思ってか、必死に二人の会話を作ろうといろんな話をしてた、学校のこと、友達のこと、そして一番のお気に入りマンガだったキン肉マンのこと…、結果はいつも空回りだったが、弟は弟なりに必死だったのだろう。
もう無理だ、と思っていた僕は弟のことを冷めた目で眺めながらも、そのけなげさに苛立ちと切なさの混じった不思議な感情を持っていた。
弟は小遣いでジャンプを毎週買っていた、中でもキン肉マンが大のお気に入りだった。
しかしそんなに大好きなのにも関わらずコミックスは一冊しか持っていなかった、
それは父に「キン肉マン」の9巻買ってもらったら母が「あんたは子どもを甘やかしすぎだ!」と言い出し喧嘩になったことがあり、それ以降はコミックスをねだることは一度もなかったからだ。
そんな弟はジャンプがある程度たまるとキン肉マンのページだけをはさみで切り取ってホチキズで束ねて自分だけの単行本を作っていた、自分で描いた下手くそなオリジナルの表紙を付けて、ジャンプコミックスの巻末にある読者のお便りまでじぶんで書いて一緒に閉じていた、といっても小学2年生、切り口はギザギザだし、閉じ方も曲がっている、見ていられなくて僕が手を貸したことも一度や二度ではない。
そんな時、弟は「僕と兄ちゃんの友情パワーがこもった本だね」などとおどけて言うのだった。
僕はその笑顔を見る度に、やるせなさと無力感で苛立ちながらも、それを弟にぶつけることも出来ずに力なく笑い返すしか出来なかった。
はたから見ればみすぼらしい本だっただろう、それでも弟はすこしずつ溜まっていくその自家製単行本をとてもとても大事にしていた。
そうして作ったキン肉マンを読むふけることで、幼いながらも、今にも壊れそうな過程の空気に耐えていた弟、そして、その頃には両親に対する感情、弟に対する感情、日常生活の空虚感、いろいろなモノが入り乱れてどうでもいい気分になっていた僕…
弟との別れはあっけないものだった、離婚が決定し、僕は父のもとに残り、弟は母と一緒に母の実家で暮らす事になった。
弟のいなくなった部屋、弟の荷物のなくなった部屋、そして僕の机の上に、自家製のキン肉マンの単行本、そして一枚のメモ…
「おにいちゃんとぼくのゆうじょうパワーはえいえんだよね、だからこれはおにいちゃんにあげます」
僕は泣いた
なぜ、もっと気持ちを汲んでやれなかったのか
なぜ、僕も一緒に両親の仲を修繕しようとしなかったのか
なぜ、自分ひとり傍観者的に過ごしてしまったのか
なぜ…たかだか切り取った雑誌をホチキスで止めるのを手伝ってやっただけのことを「友情」と受け取ってくれた弟を…
真っすぐ見つめてやることが出来なかったのか…
あの小5の夏から、ジャンプは読んでない…
●読み終わったじゃんぷはどうすればいいの? (YYお兄さん)
1、古紙回収業者へ
2、飾る
3、水戸黄門「助さん、格さんもういいでしょう。」
格さん「静まれぃ静まれぃ」
助さん「この紋所が目にはいらぬか!」
おもむろに過去のジャンプを取り出し、表紙を見せびらかす助さん。
助さん「こちらにおわすお方をどなたと心得る。
恐れ多くも先の副将軍、水戸光圀候にあらせられるぞ!」
いちご100%の表紙をドヤ顔でひらく助さん、いちごパンツに思わずうっとりな悪代官一味。
格さん「一同、ご老公の御前である!。図が高い!。ひかえおろうぅ!!」
悪代官一味「は、はぁーー!」
助さんのジャンプを奪い取り、必死にさくらんぼパンツを探す水戸黄門。
この号にさくらんぼパンツが載ってない事に落胆しながら、
(水戸黄門)「これにて一件落着」
●ゆでたジャンプはどうするの? (ジラスお兄さん)
1、寝てる人の顔にかける
2、歩行者の後ろから服の中にいれる
3、サラリーマン達が集ううどん屋。妻のランチ代と比べてはいけない、昼飯代に嘆く事も無く戦う企業戦士の休息所。
ここで一杯の質素な105円の「かけうどん小」をすする。
今日は本来ジャンプは売っていないが、月曜が祝日であるためこうして手元に置くことができる。
変則的な発売日に気付かなかった同業者達が私のジャンプに何らかの反応を示す。
月曜が祝日である時、人よりすぐれた能力もない私が優越感を得る事の出来るささやかなイベントが訪れる。
さぁ、ゴム製品はスーパーゴム製品に強化されるのか。
4文字と点で構成される感嘆詞を繰り返す死神はまた同じセリフを吐くのか。
隠れる気の無い忍者は無駄に爆発するのか。
このざらついた紙の感触。持ちやすさを考慮したのか、ただのコストダウンなのか分からない紙。
まさか手から落ちる事があるなんて思いもしなかった私の目の前に現れた、暖かいうどんの中にくつろぐジャンプ。
不思議と爽快感を感じた。
新しいイベントが生まれたようだ。
●ジャンプはどこに行けば手に入りますか? (YYお兄さん)
1、本屋
2、電車の網棚の上
3、時は江戸時代、与太郎というものがおったそうな。
与太郎は働きたくない、でも少しお金がほしい。
「うちにある桶と何かを交換してもらおう!」
思ったら即行動の与太郎。桶を小粋にそっとかぶり庄屋へ行った。
「庄屋さん、庄屋さん、この桶を何かと交換してくださいな。」
桶をまじまじと見て、飛び上がるように驚いた。
「こ、これは、伝説の桶・・・。3代目藤原銅山が作ったと言われる名桶、松風。ぜひそこの馬と交換してくれ。」
よくわからないうちに、おっさん曰く馬、一般の人から見たら子猫を手に入れた。
与太郎はこれに気を良くしたらしく、街行く人々と次々と交換していく。
子猫、こま、蒔き、吉良上野介のプロマイド、月間少年ジャンプ、梅酒、~中略~、ロトの剣、引田天功襲名権利、ランボルギーニカウンタック、
チェキッ子加入権利、ロシアのソユーズに乗って宇宙旅行へ行く権利、地中海の島2つ、と何千回も物々交換をしていった。
与太郎は島を売ったお金で優雅に暮らし、そのお金で毎週バイトの祖母にジャンプとチャンピオンを吉田酒店へ買いに行かせた。
それが飛脚の始まりと言われております。
●マッチョに破かれたジャンプはどうするの? (ジラスお兄さん)
1、トイレで拭く
2、札束ごっこ
3、どうすればいいんだ。毎日毎日、何者かからのいたずらが続いている。
破かれたジャンプがポストに放り込まれ始めて2か月。安心できない状況に寝不足になり、食事ものどを通らない。そんな状況で仕事もうまくいかず、ついに退職してしまった。ただの紙の塊でしかない破かれたジャンプのせいで生活はボロボロになってしまった。
月曜にわざわざ7冊購入して毎日入れていく律義さはさらに恐怖心をかきたてる。
毎日ジャンプを捨てている事を不審に思われて大家から注意されて以降、我が家には大量の破かれたジャンプが山積している。破かれたサイズから札束のプールのように見えなくもないが、それを楽しむ余裕すらない。
一体私に何の恨みがあると言うのだ。
私は誰にも迷惑をかけないように、その一点だけは気をつけていたはず。誰よりも早く頭を下げて生きてきた。それには自信がある。
しかしそれが問題だったのか?
私はただうどんとジャンプだけを楽しみとしていた男だというのに、あれだけ楽しみにしていたジャンプにこれほど追いつめられるとは…。
ジャンプに…。ジャンプ?いや、まさか…。
体調が悪く、駅のトイレに駆け込んだあの日…紙が無く手元にあったジャンプを使ってしまった。ジャンプをあろう事か便所用紙に使ってしまった。
まさか…ジャンプだというのか。これをしているのはジャンプそのものだというのか…?
あたりを見渡す。そこにあるジャンプの山を見る。こいつ…いや、彼らが…。
人よりはやく頭を下げ続けてきた私だった。
だが、この土下座ほど心がこもった謝罪は初めてだったかもしれない。
心の底から詫びた。ジャンプにジャンプとして生きさせなかった罪を恥じた。
その夜はぐっすりと眠れた。こんなに安心して眠れたのは不眠症になる前にも無いと思う。
すばらしく晴れやかに気持ちだった。翌日、ポストのやぶかれたジャンプも不思議と輝いて見えた。
1、昔は高校生になったら読まなくなっちゃう人達が多かったね
2、今は好きなマンガが載っていれば大人になっても読み続けてる人も多いね
3、
あれは僕が5年生、弟が2年生の頃だった。
父と母の間の空気はもうすっかり冷め切っていて、たまに口を開くと口論になり、それが過ぎればまた一言も口を聞かない日が続く、そんな感じだった。
弟はそんな空気をどうにかしようと思ってか、必死に二人の会話を作ろうといろんな話をしてた、学校のこと、友達のこと、そして一番のお気に入りマンガだったキン肉マンのこと…、結果はいつも空回りだったが、弟は弟なりに必死だったのだろう。
もう無理だ、と思っていた僕は弟のことを冷めた目で眺めながらも、そのけなげさに苛立ちと切なさの混じった不思議な感情を持っていた。
弟は小遣いでジャンプを毎週買っていた、中でもキン肉マンが大のお気に入りだった。
しかしそんなに大好きなのにも関わらずコミックスは一冊しか持っていなかった、
それは父に「キン肉マン」の9巻買ってもらったら母が「あんたは子どもを甘やかしすぎだ!」と言い出し喧嘩になったことがあり、それ以降はコミックスをねだることは一度もなかったからだ。
そんな弟はジャンプがある程度たまるとキン肉マンのページだけをはさみで切り取ってホチキズで束ねて自分だけの単行本を作っていた、自分で描いた下手くそなオリジナルの表紙を付けて、ジャンプコミックスの巻末にある読者のお便りまでじぶんで書いて一緒に閉じていた、といっても小学2年生、切り口はギザギザだし、閉じ方も曲がっている、見ていられなくて僕が手を貸したことも一度や二度ではない。
そんな時、弟は「僕と兄ちゃんの友情パワーがこもった本だね」などとおどけて言うのだった。
僕はその笑顔を見る度に、やるせなさと無力感で苛立ちながらも、それを弟にぶつけることも出来ずに力なく笑い返すしか出来なかった。
はたから見ればみすぼらしい本だっただろう、それでも弟はすこしずつ溜まっていくその自家製単行本をとてもとても大事にしていた。
そうして作ったキン肉マンを読むふけることで、幼いながらも、今にも壊れそうな過程の空気に耐えていた弟、そして、その頃には両親に対する感情、弟に対する感情、日常生活の空虚感、いろいろなモノが入り乱れてどうでもいい気分になっていた僕…
弟との別れはあっけないものだった、離婚が決定し、僕は父のもとに残り、弟は母と一緒に母の実家で暮らす事になった。
弟のいなくなった部屋、弟の荷物のなくなった部屋、そして僕の机の上に、自家製のキン肉マンの単行本、そして一枚のメモ…
「おにいちゃんとぼくのゆうじょうパワーはえいえんだよね、だからこれはおにいちゃんにあげます」
僕は泣いた
なぜ、もっと気持ちを汲んでやれなかったのか
なぜ、僕も一緒に両親の仲を修繕しようとしなかったのか
なぜ、自分ひとり傍観者的に過ごしてしまったのか
なぜ…たかだか切り取った雑誌をホチキスで止めるのを手伝ってやっただけのことを「友情」と受け取ってくれた弟を…
真っすぐ見つめてやることが出来なかったのか…
あの小5の夏から、ジャンプは読んでない…
●読み終わったじゃんぷはどうすればいいの? (YYお兄さん)
1、古紙回収業者へ
2、飾る
3、水戸黄門「助さん、格さんもういいでしょう。」
格さん「静まれぃ静まれぃ」
助さん「この紋所が目にはいらぬか!」
おもむろに過去のジャンプを取り出し、表紙を見せびらかす助さん。
助さん「こちらにおわすお方をどなたと心得る。
恐れ多くも先の副将軍、水戸光圀候にあらせられるぞ!」
いちご100%の表紙をドヤ顔でひらく助さん、いちごパンツに思わずうっとりな悪代官一味。
格さん「一同、ご老公の御前である!。図が高い!。ひかえおろうぅ!!」
悪代官一味「は、はぁーー!」
助さんのジャンプを奪い取り、必死にさくらんぼパンツを探す水戸黄門。
この号にさくらんぼパンツが載ってない事に落胆しながら、
(水戸黄門)「これにて一件落着」
●ゆでたジャンプはどうするの? (ジラスお兄さん)
1、寝てる人の顔にかける
2、歩行者の後ろから服の中にいれる
3、サラリーマン達が集ううどん屋。妻のランチ代と比べてはいけない、昼飯代に嘆く事も無く戦う企業戦士の休息所。
ここで一杯の質素な105円の「かけうどん小」をすする。
今日は本来ジャンプは売っていないが、月曜が祝日であるためこうして手元に置くことができる。
変則的な発売日に気付かなかった同業者達が私のジャンプに何らかの反応を示す。
月曜が祝日である時、人よりすぐれた能力もない私が優越感を得る事の出来るささやかなイベントが訪れる。
さぁ、ゴム製品はスーパーゴム製品に強化されるのか。
4文字と点で構成される感嘆詞を繰り返す死神はまた同じセリフを吐くのか。
隠れる気の無い忍者は無駄に爆発するのか。
このざらついた紙の感触。持ちやすさを考慮したのか、ただのコストダウンなのか分からない紙。
まさか手から落ちる事があるなんて思いもしなかった私の目の前に現れた、暖かいうどんの中にくつろぐジャンプ。
不思議と爽快感を感じた。
新しいイベントが生まれたようだ。
●ジャンプはどこに行けば手に入りますか? (YYお兄さん)
1、本屋
2、電車の網棚の上
3、時は江戸時代、与太郎というものがおったそうな。
与太郎は働きたくない、でも少しお金がほしい。
「うちにある桶と何かを交換してもらおう!」
思ったら即行動の与太郎。桶を小粋にそっとかぶり庄屋へ行った。
「庄屋さん、庄屋さん、この桶を何かと交換してくださいな。」
桶をまじまじと見て、飛び上がるように驚いた。
「こ、これは、伝説の桶・・・。3代目藤原銅山が作ったと言われる名桶、松風。ぜひそこの馬と交換してくれ。」
よくわからないうちに、おっさん曰く馬、一般の人から見たら子猫を手に入れた。
与太郎はこれに気を良くしたらしく、街行く人々と次々と交換していく。
子猫、こま、蒔き、吉良上野介のプロマイド、月間少年ジャンプ、梅酒、~中略~、ロトの剣、引田天功襲名権利、ランボルギーニカウンタック、
チェキッ子加入権利、ロシアのソユーズに乗って宇宙旅行へ行く権利、地中海の島2つ、と何千回も物々交換をしていった。
与太郎は島を売ったお金で優雅に暮らし、そのお金で毎週バイトの祖母にジャンプとチャンピオンを吉田酒店へ買いに行かせた。
それが飛脚の始まりと言われております。
●マッチョに破かれたジャンプはどうするの? (ジラスお兄さん)
1、トイレで拭く
2、札束ごっこ
3、どうすればいいんだ。毎日毎日、何者かからのいたずらが続いている。
破かれたジャンプがポストに放り込まれ始めて2か月。安心できない状況に寝不足になり、食事ものどを通らない。そんな状況で仕事もうまくいかず、ついに退職してしまった。ただの紙の塊でしかない破かれたジャンプのせいで生活はボロボロになってしまった。
月曜にわざわざ7冊購入して毎日入れていく律義さはさらに恐怖心をかきたてる。
毎日ジャンプを捨てている事を不審に思われて大家から注意されて以降、我が家には大量の破かれたジャンプが山積している。破かれたサイズから札束のプールのように見えなくもないが、それを楽しむ余裕すらない。
一体私に何の恨みがあると言うのだ。
私は誰にも迷惑をかけないように、その一点だけは気をつけていたはず。誰よりも早く頭を下げて生きてきた。それには自信がある。
しかしそれが問題だったのか?
私はただうどんとジャンプだけを楽しみとしていた男だというのに、あれだけ楽しみにしていたジャンプにこれほど追いつめられるとは…。
ジャンプに…。ジャンプ?いや、まさか…。
体調が悪く、駅のトイレに駆け込んだあの日…紙が無く手元にあったジャンプを使ってしまった。ジャンプをあろう事か便所用紙に使ってしまった。
まさか…ジャンプだというのか。これをしているのはジャンプそのものだというのか…?
あたりを見渡す。そこにあるジャンプの山を見る。こいつ…いや、彼らが…。
人よりはやく頭を下げ続けてきた私だった。
だが、この土下座ほど心がこもった謝罪は初めてだったかもしれない。
心の底から詫びた。ジャンプにジャンプとして生きさせなかった罪を恥じた。
その夜はぐっすりと眠れた。こんなに安心して眠れたのは不眠症になる前にも無いと思う。
すばらしく晴れやかに気持ちだった。翌日、ポストのやぶかれたジャンプも不思議と輝いて見えた。