行ってきます と
言うことが少なくなった
小学校の前を通り過ぎて
いつもと同じ道

花びらを纏って 走る車
春を連れて行く

今日は雲が早いなあなんて
頭の隅で考える
まるで時間の流れのようで
取り残されそう
まだ行かないでよ


電車の近づくアナウンス
都会の速さに疲れてく
遮るようにヘッドフォンを
雑踏とエンジン音

外を見れば 流れる景色
無音の箱は 手元に夢中

遅くてもいいんだって
ゆったりとした雲のように
流されて行くのも悪くない
みんなと同じ なんて
縛られなくていい


波のような音が
木々を揺らす 泣き叫ぶように
こんな青空が少し怖くなる
抱きしめてあげたくなる


流行りの店があるわけじゃない
代わり映えしない風景
つまらないと思ってた
変わりたいと思ってた

それでも変わらないものがあって
安心している自分がいるよ

自分の生きてきた場所