千住寿町、かつてここには寿劇場と呼ばれる木造の大きな大衆演劇の劇場があった。


昭和50年1月に緞帳下ろし、現在地はマンションになっている。

在りし日の千住寿劇場。

寿劇場の閉館が大衆演劇におけるひとつの時代の終わりとされている。


寿劇場閉館までの大衆演劇がいわゆるドサ周りの旅役者の時代。昭和のなんとも言えないあの感じ。


大衆演劇が映画やテレビに取って代わったのはいうまでもなく。大衆演劇が盛り上がったのは戦後から昭和30年代ごろあたりまで、伝統というには実は意外と短いのだ。


戦後のどさくさ紛れに数少ない庶民の娯楽として盛り上がったもののひとつ。ヒロポン、カストリ焼酎、そして大衆演劇みたいな感じ。


大衆演劇は健康には害はなかったので最後まで残ったが、高度経済成長によって庶民も豊かになり、娯楽の選択肢も増え、大衆演劇は次第にオワコン化していった。


一時期、都内には50ヶ所以上もの公演場所があったらしい。それらも全て消えて、その最後に残ったのが千住寿劇場と今もある十条の篠原演芸場とされている。


寿劇場で公演していた劇団のひとつに梅沢富美男の父親梅沢清がいたらしい。


浅草木馬館は昭和53年に開場、かつて安来節の劇場だった場所の居抜きとしてオープンしている。木馬館がオープンしたのは風前の灯だった大衆演劇の起死回生を計ったものらしい。梅沢富美男がブレイクして大衆演劇は辛うじて残った。


その後の大衆演劇は関東では浅草と十条以外はほぼ消滅し、健康ランドでの公演が中心となっていく。代わって台頭したのが関西方面の劇団である。その筆頭が里見要次郎や姫京之助だった。


関東の劇団は時代の変化についていけなかったみたいだ。木馬館は里見要次郎など関西の劇団を中心に興行することになった。そして現在に至る。


その一方で川崎大島劇場という京浜工業地帯にポツリとある小さな小屋がどことなく昭和の大衆演劇の雰囲気を残していたりするのだが、存在感はあまりない。すっかり忘れられた劇場である。


大阪は劇場を増やしたが、東京は劇場がさほど増えなかった。大衆演劇を立て直したのは篠原だが、文化の中心は西成地区を中心とした大阪だったりする。コンテンツの関西依存が足枷になってしまった。


京都に劇場を建てるのは新宿でアカンかったからというのもあるのではないか。やはり東京の大衆演劇はもうアカンかもしれない。関西ローカルで固めた方が持ち堪えるのではなかろうか。大阪を中心に大阪寄りの兵庫や奈良、京都あたりとサテライトとして北九州、お菓子のカールみたいに西日本中心で行こう。東京は篠原と木馬だけでいいだろう。三吉は知らんけど。


多分、今の大衆演劇の流れはそんな感じだと思われる。センター公演に依存していた関東がこれだけ立て続けにセンターが閉鎖するという現状を鑑みたら、さすがに東日本に大衆演劇の公演場所をというのはいささか無理がありそうだ。


新小岩に古代の湯という健康ランドがある。4階に大きな宴会場と舞台があり、篠原的には喉から手が出るほど欲しい公演場所だと思うが、たぶん断られてる。再三に渡ってオファーしてるのではなかろうか。


古代の湯は自動車センターなどを運営しているので、健康ランド単体で利益を出してない。なので、仮にお客さんが入らなくても潰れることはないのではないか。大衆演劇に依存する必要はないと思われる。


予備校に例えるならばみすず学苑である。運営母体はワールドメイトという宗教団体なので、多少のことがあっても潰れないような気がする。代ゼミも宗教法人になれば持ち堪えたかも知れないが、代ゼミには駅前の一等地に不動産があるので実はそこまで困ってないという説もあったり。不動産バンザイである。


大衆演劇みたいなどこの馬の骨かもわからない怪しいものを導入しなくても運営的には問題ないのだろう。実際、古い割にはつくばゆーワールドやスパリゾート太陽の里よりも綺麗にしてるし、オワコン化してなかった。むしろ、4階で大衆演劇なんてやられたら3階の仮眠室でのんびりできなくなり、むしろマイナスになりそうだ。


潰れた柏みのりの湯も元々は2階で大衆演劇公演をやっていたが、一階の休憩室で休まらないと苦情があり、一階の入り口付近のあのクソ狭い場所での公演に変更になったという。柏はオーナーが代わって土地を売却して終了した。とっとと損切りしてしまった。赤字を垂れ流すくらいならば健康ランドなど要らないと判断したみたいだ。それは大衆演劇如きではどうにもできない領域である。


健康ランドも減ってる関東において大衆演劇を維持することは大阪以上に大変である。


個人的には北千住周辺に寿劇場を復活させた方がいいような気がしなくもないが、新宿歌舞伎町劇場ショックはあまりにも大きい。ハルノジョウがチェキを百万枚売ったとしても歌舞伎町劇場は続けられなかっただろう。ハルノジョウがミリオンヒットしたとしてもだ。


下品で最低なチェキは1000円、ハルノジョウチェキの2倍である。高見山も驚愕の2倍、2倍。


もしもカムイが林修みたいに「いつ見るか、暇でしょ?」とかCMやったとしても滑るのは目に見えている。そんなに皆さん暇じゃないし、暇だとしても大衆演劇には見向きしないからね。マダムたちは藤井風に風でも送ってた方がキュンキュンだと思われる。


藤井風>>>>>>ハルノジョウ>>カムイ


これが現実というものではなかろうか。


そこにアキキョウイチロウプロデュースのティラノを足しても現状はなんら変わりません。

梅沢富美男が静観してるのも大衆演劇というものを酸いも甘いも知り尽くしてるからではなかろうか。


京都も滑る予感しかしない。3,000円という強気の値段設定だが、若丸はともかく、他は集客できないのではなかろうか。


新宿歌舞伎町劇場、アカンかったけど、寿劇場復活させてみる?それとも、古代の湯に頼みこんでみる?


古代の湯は無理だと思うよ。大衆演劇は興味ない人からすれば暴走族と変わらない。騒音でしかないのよ。寝心地いい場所だもの。


もはや、健康ランドで芝居を観る時代ではないと思われる。やるとしたら専用劇場を作るべき。ただし、経営は相当厳しい。劇場運営はもはや道楽になってしまう。劇場は副業くらいがちょうどいい。紅あきらみたいにね。


ほんじゃ。