横浜関内の町外れにあった永楽湯。
今年の1月に廃業してしまったそうだ。
在りし日の永楽湯。
ポンプ故障により廃業を決めたみたいです。
この界隈にある黒湯の銭湯。残りは伊勢佐木町モール近くにある利世館ひとつとなった。
温泉でなければ、まだまだいくつか銭湯あるけどね。露天風呂がある仲乃湯だとか。
ここ数年で横浜市内の銭湯はかなりの数が廃業してしまった。
横浜市銭湯スタンプラリーをやるたびに銭湯の数が減っていくのだ。開催中に廃業する銭湯さえあった。スタンプラリーをコンプリートすることさえままならない惨状だ。
そんな横浜の町外れにあるのが三吉演芸場。東京周辺の大衆演劇界隈からもすっかり忘れ去られた存在である。
横浜の場末にある三吉演芸場は最寄駅が横浜市営地下鉄ブルーラインの阪東橋駅。横浜橋商店街のアーケードを抜けた先にポツリとある。
元々は銭湯で、二回を貸しホールに使っていたとか。その後映画館になるも廃業。そこにできたのが三吉演芸場らしい。
大衆演劇界隈から忘れられている理由は場所が横浜の隅っこであること、東京の大衆演劇界隈を仕切っている篠原系列でないことが挙げられる。
客の入りは厳しい。座付と呼ばれる常連客の高齢化により館内はいつもガラガラである。2階エントランスまでの急階段が高齢者を拒んでいるとも言われている。バリアフリー以前に建て替えたのが完全に仇になっている残念な劇場である。
大衆演劇界隈でバリアフリーを意識した劇場自体、そもそも少ない。コンプライアンスなどクソ喰らえな界隈だったりする。良くも悪くも昭和のまま、施設もひとも運営されている。
集客が絶望的なので遠征客と呼ばれる関西方面からの物好きな劇団ファンによって支えられているのが現実。かつては旅役者と言われた大衆演劇もファンの遠征なしでは回らなくなってるというのは皮肉なもので、大衆演劇がオワコンと言われる一因にもなってる。
わざわざファンがはるばる新幹線や飛行機、夜行バスに乗らないと劇場の席が埋まらない。
また、劇団員の減少に伴い、盛り上げるためにゲストと称して座長クラスの役者がわざわざ遠征してなんとか1ヶ月の公演を凌いでいる。まさに自転車操業である。
中には常設の劇場で公演を行うという営みも行われているみたいだが、そのためには常連客の囲い込みを行わないとならない。
新たなファンを拡張しなければ回らないのは一目瞭然なのだが、その手立てがないのだ。わざわざ劇場の中まで入ってくる物好きなどなかなかいない。
ともすれば、役者に「どうせ、暇なんでしょ」なんて嫌味を言われたりもする。まあ、物好きくらいしか通わないだろうからね。同じ顔ぶればかりで馴れ合いにならざるを得ないのだ。距離感が近いというよりもマンネリに支配されたオワコン、それが大衆演劇のリアルな姿である。
大衆演劇はディープかつ濃密な世界ではあるが、中身が詰まってるというよりも、クセの強い固定ファンしか来ないので、煮詰まってるといった方が正しい。
全く売れない煮詰まった夏場のおでんみたいな感じの大衆演劇界隈である。
冷やしおでんにすれば売れるという話ではない。良いものならば、夏場だろうと熱々の豚まんが売れるし、冬場だろうとキンキンに冷えたアイスが売れるのだ。平たく言えばコンテンツ次第であり、さらに言うと口コミ次第なのだ。
大衆演劇界隈のSNSは薄っぺらいので拡散力がない。手前味噌の独り善がりなブログ程度では全く広まらない。こんなの誰が読むねんというブログだらけなのだ。わかる人にだけわかればいいというスタンスを貫いている。大阪万博とは全く逆張りである。
大衆演劇界隈にミャクミャクみたいなのがいればいいんだけどね。ミがないので、厄厄だらけである。
久しぶりに横浜関内ラーメン二郎を食べた。開店30分前から行列ができていた。
武蔵野うどんか刀削麺みたいにコシのある麺。豚肉、カエシの効いたスープ。背脂にニンニク。
まるで大衆演劇みたいにごった煮状態のこの食べ物はジロリアンと呼ばれる熱狂的なファンを虜にしている。
大衆演劇界隈にもトキ・ジロリアンと呼ばれる残念なファンがいるが、全くもって話にならない。ひとを焚き付けたり、巻き込むだけのエンタメ性がゼロだからね。楽しませる要素が全くないのだ。
大衆演劇もせめてラーメン二郎みたいになればいいのにね。ラーメン二郎ばりに集客できている劇団は数えるほどである。
大衆演劇もラーメン二郎もガラパゴスなものでリピーターによって支えられているのも似ているが、大衆演劇の場合、ファンの高齢化というのが壁になっている。若い人が全く見向きもしないのだ。
ラーメン二郎もサウナも若い人まで巻き込んでいるからブームになっている。大衆演劇はジジババのみなのでオワコンになっている。後期高齢者ばかりなので回転率も悪く、生産性もない。まるで病院か、介護施設みたいになっている。
社会的インフラとして大衆演劇を活用できないものなのか。介護の世界ばりにブラックな界隈なので、それもなかなか厳しそうである。
また、西園寺における旅人よっちゃんみたいなのがしゃしゃり出てもオワコンになるからね。
西園寺と旅人よっちゃんの関係性というのも示唆的だったりする。若い子にちょっかいを出すエロジジイ問題。そこには様々なハラスメント要素が垣間見れる。初動の対応を間違えると西園寺みたいに積んでしまうのだ。優しさが仇になっている。
まあ、あのオヤジはそれを承知の上で西園寺界隈に近づいたんだろうけどね。実に不快極まりない話である。
西園寺はそれを鬼ごっこと称してパロディー化し、YouTubeの人気コンテンツにすることでその閉塞状況を打破した。逆の発想というやつである。
大衆演劇もそのオワコンを逆手に取って起死回生の一撃を喰らわせることはできないものだろうか。






