- ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)/大鐘 良一
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- 自分も小学生の頃純粋に宇宙飛行士を目指していました。しかし自分の能力であったり、現実的なことを考えていく中で、最終的に別の職業を選択するに至りました。そして今まさに大学4回生の就活生です。ここに来て、小さい頃目指していた宇宙飛行士の選抜試験とは一体どういうものなのか気になって手に取りました。
- はじめにハッとさせられたのは、向井千秋さんのポジティブさです。厳しい面接を終えた後に、落ち込んでいる仲間に対して「大丈夫だよ!一緒に宇宙に行こうよ!」と言える明朗活発な気質。序盤の他愛無い文章の中の一節ですが、その言葉が意味する強靭なハートに打ちのめされている自分がいました。その“言葉”を引きずりながら、最後まで一気に読んでしまいました。
- 読み終わって思ったのは、成功する人(自分の夢を実現する人)は、自分の夢を知っているということでした。自分の夢を知っているということは、翻って自分の事を完全に理解している人だということです。自分が一番欲しいものは何か。自分にとって一番大切なものは何か。自分の性格はどういうものか。強み、弱みは何か。人生の目的は何か。どこへ向かっているのか。どこにいるときが一番心地よいか。何をしているときが一番楽しいか。そういった己への質問への確固たる回答を持ち合わせている人間が、最後に残るということを教えてくれたのでした。
- だから、NASAでの最終面接で試されたのは“覚悟”だけだったと言っても過言ではないと思います。「宇宙飛行士=あなた」ですか?という覚悟を迫ったと。この質問に正答を出すには、最低限自分を知らなくてはいけないわけですね。面接官は宇宙飛行士とは何かを面接を通して教えてくれるので、自分と宇宙飛行士が=で結ばれるかを確認するだけなんです。
- ここで生憎、自分の事を完全に理解しておらず宇宙飛行士と自分を=で結べなかった人は、自然と離脱していきます。人は誰でもなんとなく自分を分かった気になっていて、夢と自分を=で結べなかった時に悔しさや疑問を抱きがちですが、それはまだ本当の自分を知らないだけではないかと思うようになりました。自分をしっかり理解している人であれば、どんなに辛く厳しいテストをされても、何の疑問も抱きません。むしろそれを楽しめるのではないでしょうか。そういう領域に達するまで自分を知る。それが人生の究極の課題かなと思いました。
- だから読み終えた後、向井千秋さんの「大丈夫だよ!」が、尚更輝かしく、羨ましく思えました。
byU