「えっ、明日は一緒に出掛ける約束だったじゃん…。」
「ごめんっ。本当ごめんっ。どうしてもスタッフさん達と打ち合わせしなきゃならなくてさ。ライブ作るのに妥協したくないし、明日なら担当のスタッフさんと打ち合わせの時間が作れるって事になって。出掛けるのはまた今度にしてもらっても良いかな?」
電話越しで高嗣が申し訳なさそうな声で話している。
キスマイのライブがあと1ヶ月後に迫っているから、その追い込みで急な打ち合わせだったりリハーサルでこのところまともに会えていない。先週も急なリハーサルが入ったとかで延期になったのだ。2週間連続ともなるとダメージが大きい。
(やっと会えると思ったのに…。)
思わず本音が出そうになったが、忙しい時の高嗣にこんな事言ったら負担になってしまう気がして言えなかった。
「そっかぁ…。仕事ならしょうがないよね。出掛けるのはまた今度にしよう。無理しすぎないように頑張ってね。」
「うん。ありがとうまいこ。最高のライブ作るから楽しみにしてて!それで、ライブ終わったらまいこが行きたい場所に行こうね。」
「…楽しみにしてる。じゃあ、寝るね。おやすみ。」
電話を切るとそのままベッドに倒れこんだ。
(…ライブ、早く終わってくれないかな。)
なんて、最低な事を一瞬でも考えてしまった自分がいた。高嗣がこんなにも頑張っているのに素直に応援出来ないなんて彼女失格かもしれない。本当は一番に応援しなきゃいけない存在なのに私にはそんな寛大な心は持ち合わせていない、デートをドタキャンされたくらいで拗ねてしまうちっぽけな女だ。
ベッドに倒れこんだ身体をそのまま布団に潜り込ませる。
デートの前日はいつも高嗣が泊まりに来ていたから、お気に入りの下着にパジャマを着ている自分に余計虚しくなる。
(もうさっさと寝よう。明日は1人で映画でも観に行こうかな。)
そんな事を考えながら目を瞑った。