小説 「うみねこ×アルトネリコ ~ベアトの罪滅ぼし~」 | イカさん浮遊日誌

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自分のメガネに
愛犬の鼻汁が付着

妄想です。

寝てる時に作ったお話です。

コメント(アドバイス)していってくれたら嬉しいです^^







「暇だよー、お師匠様よぉ」
ワルギリアの用意したお菓子とロノウェが用意した紅茶の置いてあるテーブルにベアトは伏せるように呟く。
「ならば・・・こんなのはどうでしょう・・・?」
ワルギリアはベアトに優しく声をかける。
その声とその内容が気になったベアトはキョトンとした目で起き上がる。
「あなたは今まで散々人を弄んできましたね?」
「・・・むぅ」
ベアトは何も言えず俯いてしまう。
それでも話は続く。
「その為になにか・・・そうですね。例えば"罪滅ぼし"をしに行くのです。」
「"罪滅ぼし"・・・か・・・」
「今まででベアトは人を何度か喜ばせることはしていた筈ですよ?それをすればいいのです。」
ワルギリアは表情ひとつ変えず、微笑んだ様子で言う。
それに対してベアトはあまりの優しさに何も反論できなかった。
「さぁ、行ってらっしゃい」
その唐突な発言にベアトは流石に驚いた。
「い、いやお師匠様!それはいきなり過ぎるんじゃねェのぉ??」
「そんなことありませんよ。さぁ!」
すると金色の蝶が一気に舞い上がる。
それに巻き込まれてついに飲み込まれる。
そこはもう眩しすぎる空間と変わる。
そしてベアトとワルギリアの姿は金色の蝶で見えなくなった。

**********

目を覚ますと信じられない光景が目に広がる。
そこは見たことのない場所と風景だった。
「ここは一体・・・」
ベアトは自分の服装にも気づく。
さっきワルギリアといたときは赤いドレスを纏っていたのだが勝手に制服を着ていたのだった。
それはともかく。ベアトはここは何処かを確かめなくてはならない。
そして一歩、二歩と足を進める。歩く速さがだんだんアップしてゆく。
更に気づいたことがあった。
自分は杖も突いていた。
―――妾はあの時お師匠様に・・・
そう思いながら足を進めていくとあるグループに目が留まった。
ついでに話も聞くことに。
「さっきお昼奢っちゃったからもう52円しか入ってないよー」
「そんなのじゃんけんで負けるから悪いのよ」
「サキもお昼だけ食べに行くって聞いてたからお金持ってきてなかった・・・」
「でもお昼食べるのにもお金なかったら食べれないじゃん!」
「あ、そうでしたね!」
「じゃんけんで負けてたらどうするんだったのかしら・・・」
「その話は置いといて・・・。このゲロッゴ欲しいよ・・・」
「そうね・・・限定盤は絶対手に入れたいわね・・・」
金髪のメガネをかけた先生みたいな女がそういって沈黙の空気になってしまった。
ここでベアト。
―――ここで"罪滅ぼし"でもしようか。
そしてその沈黙の中にベアトが割り込んだ。
その瞬間ベアトはベアトはビックリ仰天。
―――これが欲しいと・・・?!コレのどこが一体可愛いのだと・・・?!
それはなんだかよくわからない、クマだか犬だか意味の分からない、最近でいう「ユルキャラ」とかいうヤツ?にしてもコレは酷い。
コレの何が可愛いんだ?
・・・そういえば限定盤とか言ってたな。
耳にハイビスカスのコサージュがついてあり首のあたりには貝殻でできたネックレスが飾られていた。
―――夏バージョン??
とりあえずベアトはその三人組に話しかけてみた。
「そなたらはこの人形が欲しいのだな?」
いきなり知らない人―――いや、魔女に声をかけられて驚くのにも無理はない。そもそも彼女が魔女だということすら知らない。
そして困惑気味な一人のツインテールの少女が答えた。
「は、はい・・・!この限定版ゲロッゴがどうしても欲しくって・・・。でもお金がないから・・・。あ、クローシェ様はお金持ってないんですか?!」
思いついたようにその先生みたいな金髪女、クローシェに言った。
「え?あ、いやっ、ベっ別に今日私は奢ってもらえると思ってっ、今日はそのー、おっ、お金持ってないのよーねー・・・?」
如何にも持ってますっていう感じの言い方だ。なんてわかりやすい奴なんだ。
苦笑いのベアトは気を取り直して言ってみる。
「と、とにかくだ!今回は妾がこの人形を奢ってやろうぞ」
すると3人の目が一気に潤いを見せた。
「本当ですかっ??!」
ツインテールの少女がベアトにしがみついてきた。
「まぁ・・・妾は敬う者には寛大だからな!」
そう格好つけて言ってみせると3人は両手を絡ませて、敬うようにしてみせた。
「今回は特別だ。更にサプライズとして更に限定盤にしてやろう!!」

**********

まずそのゲロッゴとやらの人形を3つ購入してきた。
そして3人のいる場所へ駆けつける。
「妾についてくるが良い」

ついてくるとそこは何故かトイレ。
「どうしてトイレなんですか??」
「妾は魔法を使うことができる。しかしだな、人がいると反魔法といって逆に使えなくなりついにはここに妾が顕現できなくなる。」
「魔法・・・使えるの・・・?!」
クローシェはベアトの目の前に突然やってきて言う。
「まぁな?」
自慢げに言うベアトは右手を出して左手で指を鳴らす。
すると一匹の金色の蝶がフワリと舞う。
その蝶を見つめるかのように3人は首を動かす。
やがて蝶がベアトの右手に達するといきなり蝶が散る。
散ったかと思えば一冊のノートが右手にパサリと落ちた。
「「「おおぉーーーーーーーーーーー・・・」」」
それに感動した3人は思わず感動の声を漏らした。

**********

「さぁ、ここにそなたら誰かひとりサインを」
「え・・・」
「一人だけですか・・・?」
「うむ」
3人は皆がサプライズを受けられると思っていたその期待をこの瞬間、バサリと切り裂かれたのだ。
「じゃあ誰がサインを?」
クローシェがベアトに腕を組みながら問う。
「そうしたらまぁ・・・じゃんけんで決めてみる?」
「よーし!!ココナ勝ってやる!!」
ツインテールの少女はココナという名前か。
それはともかく。
「さ、サキだって勝ちます!」
「私がっ絶対に勝つわ!」
皆やる気を見せてじゃんけんに挑む。
しかし3人の内1人しか勝利を得られない。
だから命懸けで勝負に挑まないと駄目。
勝利は奪い合って取るもんだ!!
勝ったもん勝ち!!
そして勝負が始まった―――。

じゃーんけーん・・・!!!

ぽい!!!


「・・・勝った・・・勝ったぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!」
そう喜びの声を上げたのはココナだ。
そしてベアトは勝者のもとへ。
「おめでとう、ココナよ。さぁ、ここにサインを。」
負けた二人はその光景を見てさ更に哀しみが増す。
「どういうことです?!チョキを出したら負けるって聞いていたからパーを出したって言うのに・・・!」
クローシェは訳の分からない、まるで幼い子が言ういい訳だ。
「グーとパーで迷ってしまったのですが・・・。グー出すべきだったです・・・」
サキは意外とあっさりしている。負けを認めたらしい。
その間にココナはサインを書き進める。
その姿をベアトはあのことを思い出した。
EP3のことだった。
―――あの最後は酷かったなぁ・・・。
その時の罪滅ぼしもしなければ、そう思ったのだった。
「はい。書けたよー。」
サインを書いたノートをベアトに差し出す。
「おぉ。じゃあ始めよう。」

「さっきの人形を」
「あ、はい」
ココナは紙袋からさっき買ったゲロッゴを一体取り出してベアトに渡す。
「・・・よし。」
そして早速始めてくれるかと思ったがベアトがある事をココナに問った。
「そなたは魔法を信じることができるか・・・?」
「え・・・」
驚いたのはココナだけではない。
負けたサキとクローシェもだ。
しかしクローシェはすぐ驚くのをやめ、こう答えた。
「私達だって謳魔法というレーヴァテイルだけが使える素晴らしい魔法が使えるもの。信じないはずがないでしょう?」
サキもそれについて言う。
「サキも同じです!サキも使えます!」
ココナも「信じるよ!」
「そうか。ならば良い。」
ベアトはニヤッとしてみせた。

**********

ベアトは一体何をしているのか。

ベアトはある人形でことを思い出したのだ。
真里亜の友達、さくたろうを"あの姿"
人形ではない姿をベアトはさせた。
その時のようにベアトはこの人形、ゲロッゴをまさにそうしようとしていたのだ。


金色の蝶と優しい煙が生まれ、やがてむなしく消える。
そしてコツンと足を床におろす音がかすかに聞こえた。
顔に少し煙があってよくわからなかったがその煙が消えたその時だった。
「・・・うり~」
三人はその生まれた姿をみて唖然とするのみだった。
「・・・え?あ、その・・・、まさ・・・か、えぇ・・・と、・・・・あ、あははははー・・・」
ココナはもう言葉が見つからず最後は苦笑いとなった。
しかしベアトはそれを喜びと勘違いしているようで
「そうかそうか!妾のプレゼントはそんなに素晴らしいものであったか!」
「はい・・・?!」
結局そのさくたろう風ゲロッゴはじゃんけんで勝ったココナのもとへ行ったのだった・・・。

「今日は最高であったぞ!」
そういとこと残してベアトは金色の蝶と化して消えたのだった。

「・・・じゃんけん、負けておいてよかったわ」
「・・・はははー・・・」
「ココナこれどうしたらいいの~?!」
処分するわけにはいかず置き去りにしたらトイレを利用しにきた人がかえって引くだろう。
そんな訳でココナはしぶしぶ持ち帰ったのだった・・・。

おいたわしや・・・。


                    <完>