「海に行かない?」

「日焼けが火傷になっちゃうからなぁ」

「じゃあ、夕方の海は?」

「大丈夫だと思うよ。海、入るの?」

「もちろん!」




…ぎょえ~ん!! 今度は、海かよぉ?
やだなぁ。クラゲに刺されないかにぁ?…

「水辺じゃないの?」

「水辺じゃないよ。泳げないの?泳ごうよ~!」

「そうだね♪行こうねっ」おねがい

…あ~ぁ、ダメだ!海って、プールと違うじゃん。流されちゃうよなぁ。
しかし、待てよぉ。海で泳ぐって、泳ぐんだよね?
いいんだよね、この解釈?



あっ!? こんな時は、ノンちゃん♪…

ノンちゃんに会いに行って、またしても教えを請う訳である。
「えーっ!? 何言ってんの?ガーン
何でフルスピードで泳ぐのよ? 理解出来ない!! バッカじゃない? 
あんた、オリンピックの選手じゃないのよ!
負けたくないから、バタフライしてもいいって?
一回叩いたろ!!ムキー
あんたは、女の子なのよ、分かる?」

…はい、おっしゃるとおりです。
けどさぁ、海で泳ぐって言われたら、負けたくないじゃんえー

「男女の中で、命に関係のない、お遊びと判断するものに勝ち負けを付けないの!! あんたが勝ったら、彼の立つ瀬がなくなるでしょう?分かるぅ?
負けるくらいが丁度いいのよ。
女の子は、か弱くて儚いイメージよ、でしょう?
お弁当を作れないことに悔しさを感じないで、何で泳ぎでは、勝とうとするのよ!? えっ!?

…へぇ~い。女の子って、大変なんだなぁショック

「ところであんた、明日の夕方、もう一度来れる? 水着とタオル、持っておいで。見てあげるから。分かった?」

「うん。ありがとうニコニコ

…海なんか早々行かないんだから、別に買わなくてもいっかぁ。水着、あそこにあったよなぁ…

と、つづくのであった。

敢えて書こう。
ノンちゃんと彼との出会いは、30年も前の事だからね!





※人魚のリカちゃん