愛してますか?
本日の講師は、美輪明宏先生です。
恋や愛の話、聞いてみましょう。
愛の意味が分かればいいね。


私が今までに愛したただ一人の男はマルセル・セルダンでした。だけど、私が生まれてからずっと待ち続けていた男はテオ・サラポです…エディット・ピアフの言葉。

高く青い空が落ちて来たって この大地が割れてひっくり返ったって 世界中のどんな重要な出来事だってどうってことは、ありゃしない(中略)
もしあなたが望むんだったらこの金髪だって染めるわ 
もしあなたが望むんだったら 世界の涯だってついて行くわ 
もしあなたが望むんだったら どんな宝物だって お月様だって盗みに行くわ(中略)
そしてやがて時が訪れて 死があたしからあなたを引き裂いたとしても それも平気よ 
だってあたしも必ず死ぬんですもの そして死んだ後でも二人は手に手をとって あのどこまでもどこまでも広がる 真っ青な碧の中に座って永遠の愛を誓い合うのよ(後略)
  

恋というのは自分本位で、相手の気持ちはどうでもいいんです。「セックスしたい」「少しでも相手と一緒にいたい」「抱かれたい」「抱きたい」……。こういう自分の欲望や本能を満足させるために、相手が必要なだけ。だから「100年の恋も冷める」と言うように、ある日ふと、相手の足が臭かったとか、食べ方がおかしかったとか、そういう自分勝手な理由でスーっと冷めたりする。わかりやすいのは、例えば待ち合わせをしたときに、相手が遅れてなかなか来ないときにどう思いますか? 
「人を待たせやがって」と思うときっていうのは、結局、自分のプライドが大事なんですよ。そういう自分勝手な感情が、恋です。

愛は相手本意で、自分がありません。待ち合わせの話でいうと、待たされている自分のことはどうでもいい。
つまり、自分のプライドや立場なんて考えもしないんですよ。相手が来なかったとしても、「ひょっとして仕事の都合で無理させたんじゃないだろうか?」「電車とホームの間に足でも突っ込んだんじゃないかしら?」と思いやって心配する。相手の見た目も気にしないから、ちょっと不細工だったり頭がハゲていたりしても、とにかく元気で生活してくれさえいれば、それだけで充分な幸せを感じられる。つまり愛は「無私の精神」なんですよ。
ですから恋愛中というのは、「恋の国」と「愛の国」の間に掛けられた橋を行ったり来たりして揺れている状態。でもね、橋を渡って愛の国の奥に辿りつくことができれば、もうその橋はいらないんですよ。

また、ロマンティック夜会に行きたいなぁ。

写真は、お借りしたものです。