「生の野菜から酵素を摂る」なんて考えで食事をしてませんか?
美容と健康・医療についての会員制の専門誌、講談社『HBR』7月号です。
この雑誌の詳細は7月21日のブログでもご紹介してますが
http://ameblo.jp/uminoyuriko/day-20100721.html
最新号は「栄養学の基礎知識」の特集で、食に関するさまざまな企画が載ってます。
私は酵素のページを担当しました。
美容関係者や美容意識の高い方に取材をすると「酵素を摂るために生の野菜を食べる」「食べ物で酵素を摂ると、体内の酵素の節約になる」という発言をよく聞きます。
私も7年ほど前にある本で読んだときは「なるほど」と思ったのですが、その後“酵素絶賛”タイプの方の話を聞くたびに疑問を感じることがあり、しかも話しているご本人に質問しても納得できる答えが得られず、もやもや感を持ってました。
なので、この号で「何がしたい?」と担当編集に聞かれたときは、
迷わず「酵素」と。
「酵素の謎」で6ページです。ぜひ読んでいただきたいです。
取材でわかったことをいくつか挙げると・・・
酵素は、必要に応じて体内で合成・分解されるので、
「体内の酵素がなくなる」ことはありえません。
酵素はタンパク質なので、食べ物に含まれた酵素は、
消化されてペプチドやアミノ酸に分解されます。
(これは中学・高校で習うレベルのことだと、取材相手の教授に言われました)
よって、食べ物に含まれている酵素が
“酵素のまま”人間の体内で働くことはまず、ありません。
『HBR』は書店には置いてないので、お問い合わせはこちらから。
そして、酵素健康法をしてらっしゃる方に(こそ!)読んでいただきたいのが、
この本。
『火の賜物』リチャード・ランガム著/NTT出版
火を使った料理をすることで、人間は食物から効率よくエネルギーを得られるようになり、進化してきたことが書かれています。「料理と旅」「料理と結婚」などにもテーマが広がり、新鮮で刺激的な視点で面白く読めます。
世の中にはさまざまな“健康法”があふれていますが、中には科学的に疑問を感じるものも多くあります。
“酵素健康法”のように科学的な間違いがあるまま世間に広まっているものもあります。
「へぇー!」と鵜呑みにせず、「なぜ?」「本当?」と、調べることが大切だと、改めて実感しました。
体も、健康も、食べ物次第で大きく変わるのですから