鮨しみづ(麻布ヒロオ)
●初見よりも二度目。二度目より三度目と、【通う程に美味くなる店】がある。
それは、いわゆる【ソワニエ】(最上級顧客)だとか、”馴染み”になって特別なサービスを受けたいとかいう類いではない。純粋に、その店の個性的な味が癖になり、徐々にその味でなければ受け付けない体質になってしまう中毒的な状態なのである。世界の食都・東京、たしかに美味い店は多い。しかし、大半の店は【初めて食べた時の感動】を超える再訪問を期待できない。それは鮮烈に感じた味、心癒されたサプライズであるほど、再訪問での心の振れ幅は小さく感じてしまうのである。
●で、『しみづ』である。
ここの舎利は初めて食べると「えっ…!?」っと面食らってしまう。ボクは「舎利でけえ…」と思わず溜息をもらした記憶がある。そして、じんわりとコメが口の中で主張し始める。赤酢と塩の配合はかなり強い。それがオニギリの様に硬く、大きく結ばれている。貫禄たっぷりの親方と相まって、「さあ米を食え!」と迫られてるような雰囲気なのだ。
だが、初訪問の【何、これ?】という感想が変わってゆく。次に訪れた時には、既に舎利に戸惑わなかったせいか、【すげー、意外と烏賊やトロなど、旨みの強いネタを受け止めてくれるじゃん!】と冷静にネタとの調和を楽しめるようになった。で、三度目に訪れた時には【もうこの舎利以外だと物足りない!】とクセになってしまったのである。舎利だけで美味いと言われる、【与志乃系】の『松波』や『水谷』(柔らかめの米を、ふんわり握る。砂糖入?)とは明らかに別物で、舎利自体を単独で食べてもおそらく美味くないだろう。だが、「ネタ」と「舎利」、いやプラス「お茶」までひっくるめて独特の美味さを醸し出しているのである。
●さて、一昨日は昼の訪問。
5000円のお決まりに、日本酒を付けて、ツマミを三種。ツマミの蛸、握りの墨烏賊が印象に残る。海胆とイクラの小丼、半分に割って塩とタレの2種で食べる穴子は相変わらずの美味。玉は厚く切った”鞍掛け”ではなく、薄焼きで握った”カシワ”だが、これも舎利に良く合っている。
●握りの合間に、親方と焼き物の話をする。
ひけらかすことはないが、親方は通人で造詣が深い。お店の器には有名な作家モノだけではなく、古い骨董も多数含まれている模様。さすがに京都や都内の個展だけでなく、故宮博物館に年に何度も通うだけの事はある。
で、ふと思った。
しみづの鮨は【使い込むうちに色味が出てくる粉引きの椀】のようなモノではないかと。釉薬の隙間から水気が浸み込み、色を帯びて味になる。そんな慣れれば慣れるほど、美味しくなる鮨なのである。
『鮨処しみづ(すしところしみづ)』
■電話 03-3591-5763
■住所 東京都港区新橋2-15-13
■営業時間 11:30~13:00 / 17:00~21:30
■定休日 月曜日
それは、いわゆる【ソワニエ】(最上級顧客)だとか、”馴染み”になって特別なサービスを受けたいとかいう類いではない。純粋に、その店の個性的な味が癖になり、徐々にその味でなければ受け付けない体質になってしまう中毒的な状態なのである。世界の食都・東京、たしかに美味い店は多い。しかし、大半の店は【初めて食べた時の感動】を超える再訪問を期待できない。それは鮮烈に感じた味、心癒されたサプライズであるほど、再訪問での心の振れ幅は小さく感じてしまうのである。
●で、『しみづ』である。
ここの舎利は初めて食べると「えっ…!?」っと面食らってしまう。ボクは「舎利でけえ…」と思わず溜息をもらした記憶がある。そして、じんわりとコメが口の中で主張し始める。赤酢と塩の配合はかなり強い。それがオニギリの様に硬く、大きく結ばれている。貫禄たっぷりの親方と相まって、「さあ米を食え!」と迫られてるような雰囲気なのだ。
だが、初訪問の【何、これ?】という感想が変わってゆく。次に訪れた時には、既に舎利に戸惑わなかったせいか、【すげー、意外と烏賊やトロなど、旨みの強いネタを受け止めてくれるじゃん!】と冷静にネタとの調和を楽しめるようになった。で、三度目に訪れた時には【もうこの舎利以外だと物足りない!】とクセになってしまったのである。舎利だけで美味いと言われる、【与志乃系】の『松波』や『水谷』(柔らかめの米を、ふんわり握る。砂糖入?)とは明らかに別物で、舎利自体を単独で食べてもおそらく美味くないだろう。だが、「ネタ」と「舎利」、いやプラス「お茶」までひっくるめて独特の美味さを醸し出しているのである。
●さて、一昨日は昼の訪問。
5000円のお決まりに、日本酒を付けて、ツマミを三種。ツマミの蛸、握りの墨烏賊が印象に残る。海胆とイクラの小丼、半分に割って塩とタレの2種で食べる穴子は相変わらずの美味。玉は厚く切った”鞍掛け”ではなく、薄焼きで握った”カシワ”だが、これも舎利に良く合っている。
●握りの合間に、親方と焼き物の話をする。
ひけらかすことはないが、親方は通人で造詣が深い。お店の器には有名な作家モノだけではなく、古い骨董も多数含まれている模様。さすがに京都や都内の個展だけでなく、故宮博物館に年に何度も通うだけの事はある。
で、ふと思った。
しみづの鮨は【使い込むうちに色味が出てくる粉引きの椀】のようなモノではないかと。釉薬の隙間から水気が浸み込み、色を帯びて味になる。そんな慣れれば慣れるほど、美味しくなる鮨なのである。
『鮨処しみづ(すしところしみづ)』
■電話 03-3591-5763
■住所 東京都港区新橋2-15-13
■営業時間 11:30~13:00 / 17:00~21:30
■定休日 月曜日