見つけた! | もそもそ日記

もそもそ日記

日々感じた事、思った事を、そのまま綴っています。

なかなか進まないダイエットの事も、諦めないために書いてます。

昔々、もう15年も前に私は上京しました。

重度のかくれ鬱である事を両親に否定され、

隠れて10種類以上の薬を服用してもひどくなり、


死にたいけれど両親のいないところで、

できれば家族に知られずに死にたい


と願ったからです。


自殺なんて恥ずかしい

鬱だなんてもっと悪い

うちの家系にそんな情けない血はいらない


そんな家でした。





急激な環境の変化は鬱にはあまり良くないと

言われますが、


私が鬱のまま生きる事も死ぬ事も恥


とする両親とは離れた方がいい


という判断でした。

でも生きる気持ちはなかったし、

腐乱死体になったら借りたお部屋に迷惑がかかるから

人がたくさんいる東京の方が

死後早く見つけてもらえると思いました。



お金はわずか50万。

布団と着替えのほかは一切何もなく、

引っ越し10日後までは洗濯機すらありませんでした。

真冬だったので冷蔵庫もなし。






家族とはほとんど絶縁状態で、

文字通り身一つ。

死ねないから、ただ生きているだけ。


そんな状態でも何もしていないと暇で、

実家からはなれた東京では私が鬱だと知る人は

おろか、知人にすら会う可能性はなく、

それが逆に自分の存在を許されるような気持ちに

なりました。


少し落ち着いて、これからどうすればよいか、

呆然としながら近所を彷徨っていて

偶然見つけた珈琲店がありました。




私はコーヒーは好きではないのですが

とてもよい香りがして、


死ぬまでに一度くらいお金を払ってコーヒーを

飲んでみるのもいいかも


と思って入った珈琲店。




昔ながらの

といった感じの佇まいと、

いかにも

なジャズが流れる店内には

優しそうなおじいさんがいて、

とても丁寧にコーヒーをいれてくれました。


そのコーヒーの美味しさにびっくりしたのと、

異世界に迷い込んだかのような雰囲気が

すごく気に入ったのに、

それから何度探しても

そのお店を見つける事はできませんでした。



そのうち

あれは現実だったのか

すらあやふやになりました。

上京したての頃は、本当に鬱が酷すぎて

記憶が抜けていたり曖昧だからです。









さっきテレビを見ていてびっくり。


あのおじいさんが映っていたのです。

急いで番組を調べたら、懐かしいあのお店が

出てきました。






大坊珈琲店。




懐かしくてたまらなかったです。

今度の休みにすぐ行きたくて、お店の場所を

調べましたが、

2013年で閉店なさっていました。


残念…。




でも、久しぶりにおじいさんに会えたし、

あの時間が嘘じゃなかった事も嬉しかったです。


心から美味しいと思えたのは、

あのコーヒーだけです。


お砂糖をいれなくてもほんのり甘くて

そのあとに苦味とほんの少しの酸味があって、

それがすっきりした感じで


ずーっと気持ちを張り詰めていたけれど、

上京してからあの時初めて


息をしている


事に気付きました。




調べたらおじいさんはお元気で、

去年も一日限定でお店をやったみたいです。


いつまでもお元気で

いつか私も、もう一度会えたらいいな。





とても嬉しい偶然でした。