1月頃からどうも胃のあたりが痛く、

その痛みが徐々に悪化し

春になる頃には眠れないほどの痛みに変化しました。



はじめは胃炎や胃潰瘍だと思い、

市販の胃薬で様子を見ていたのですが

一向によくならないため

病院を受診したところ

すぐに大きい病院へ行ってくださいと

紹介を受けました。



そして、検査の結果

食道癌であることの

告知を受けました。



それも典型的な食道癌ではなく

国内では非常に稀な発生形態の癌らしいです。







告知を受けたとき

私は死への恐怖より真っ先に


また仕事で迷惑かけてしまうのかという不安と


実家で一人でいる母が悲しむだろうなと

思い浮かべ


こんなときでも

なおも私は私の心より先に人のことを

気にしてしまうのだなと思いました。







そんな淡々とした告知だったのですが


夜一人で過ごしていると

いろんなことが頭をよぎりました。



だから私は世帯をもつ運命になかったのかなとか。


もう人生に思い残しはないけれど

結婚生活、誰かに深く愛される人生を

経験してみたかったなとか。




こんなときでさえも

悲しいと寄りかかりたいと望む相手は

過去、私を大切に愛してくれた元カレたちではなく

S君なのだなと。



好きなんかじゃなかったと。僕は両想いと誤解させるような傾向がある、女性に心なくても平気で思わせぶりな態度で手を出せる

それは一種の病気みたいなものなのだと



そんなことまでいうS君を


こんなときでさえも

なおも

寄りかかりたいと一番に思い浮かべてしまう

相手であることが


何よりも虚しかった。









その夜、

久しぶりにS君が夢に出てきた。



いつも夢では私がS君となんとか

接点を持とうとする内容なのに


その日ははじめてS君から


悲しい目で



私に「ごめんなさい。」


と謝られるという夢だった。



その隣には知らない女性が立っていて

朝起きてふと


きっとそれは

奥さんなのだろうなと思った。















死ぬ悲しさよりも



S君からのラインをいつまでもいつまでも

期待して待っている


そんな自分の方がうんと切ないね。