川に住む魚がもし、川の中に石で堤防を作りテリトリーを築いているとしたらどうだろう
魚たちはそれぞれ石で自分だけの範囲を作り出す
その中の水は私のもので、他の水は他人のものである
そして魚たちは、自分のテリトリーの中の水を集めることに必死
いかに効率よく、多くの水を手に入れるかに躍起になっている
魚によっては、水を自分の縄張り内に入れるときの楽しさをこだわる魚もいる
いずれにしろ、水は外から獲得する必要があり、かつ、自分のテリトリーの中に入ってきたその水は外に出て行ってまう
というか、その水を外に出したときにできる水の流れによる快楽を得るために、意図的に水を外に出している
その流れを感じて満足を満たすために、魚は水を外に流し出す必要がある
あるいは、石の積み方は完璧ではないので、堤防にはところどころ穴が空いているため、意図せずに垂れ流しになる水もある
とはいえ、水を外に出していてはいつか敷地内の水はなくなってしまうので、外に出すと同時に、外から他の水を獲得しなさればならない
つまり、敷地内から水が出るときに生み出される流れの心地よさのために、外から水を取り入れる
敷地内の水を出しては入れ、出しては入れの繰り返しが魚たちの人生
敷地内の水が少なければ、その敷地の居心地は悪くなるし、逆に多すぎても許容量を超え堤防が破壊されてしまう
もし、外に水が出て行くだけで、外から水が獲得できなくなれば、その敷地は干からび魚は死んでしまう
その恐怖から逃れるように、日々魚たちは自分の敷地内の水を増やすことで必死
そんな魚を見て、どう思うだろうか?
そんな堤防を作らなくなって、一歩その堤防の外に出ればいくらでも水は流れているのに
自分のテリトリーを飛び出せば、そこにはもっと豊かな川が流れているのに
その川の流れにただ身を委ねれば、気持ちよく快適な人生が過ごせるのに
でも、魚たちは自分のテリトリーを出ようとはしないし、そのテリトリーを壊すことが何よりも怖い
この堤防は自分を守ってくれるものだと頑なに信じている
川に出たい