「もっとしゃべろうよ」
「しゃべった方が楽しいよ」
と言われたことがある。
私だってできることならたくさんしゃべりたいと思っていた。
みんなの輪の中に入ってわいわいしたいと思っていた。
でもどんなに「しゃべりたい」と思っても、自分の意思ではどうすることもできなかった。
「しゃべることなんて普通のこと」
その「普通のこと」が私にはできなかった。
高校時代、私は陸上部に所属していた。
種目は長距離。
昔から走ることが好きだった。
ある日、長距離のメンバーが集まって先輩から「仲良くなりたいからもっとしゃべってほしい」と言われた。
私だってみんなとしゃべりたいし仲良くなりたいと思っていたけど、何も答えることができなかった。
しゃべれないせいで仲間のみんなと仲良くなれないことに、悩んでいた。
伝えたいのに、伝えられない。
私がしゃべらないから先輩を困らせている。
私がしゃべれていたら、こんなことにはならなかったのかな。
同級生の仲間だって、私にどう対応したらいいかわからなかったかもしれない。
学校に行くのはつらかったけど、部活を楽しみに私は学校に行っていた。
でも、次第に部活の人間関係に悩むようになり、冬休みや春休みになると部活を休むようになってしまった。
私は何のために学校に行くのかわからなくなっていった。
学校は「行かなければいけないから」仕方なく行く。
機械的に日々は過ぎていった。
しゃべれない苦しさはいつまで続くんだろう?
私の視界は真っ暗になった。