昔から将来の夢なんてなかった。

喋れない自分の未来なんて全く想像できなかったから。


学校で将来の夢を書かなければいけない時は本当に困った。

でも何か書かなければいけなかったから、別になりたくもない職業をとりあえず適当に書いていた。



中学の時、家庭科の授業で人生すごろくを書かなければいけなかった。

しかし、私はほとんど何も書くことができなかった。

他の人たちはそれぞれ思い思いのことを書いているなか、私の頭の中は真っ白だった。


私はこのまま喋れないまま大人になってしまうんだろうか。

大人になって普通に喋っている自分なんて全く想像できなかった。


大人になんてなりたくない。



中学3年の時、教育実習で来ていた先生に「小学校の先生になったら?」と言われたことがある。

学校の先生という職業にかすかに憧れはあったけれど、喋れない自分がなれるわけないと思った。


もしも普通に喋れていたら目指していたかもしれない。



また、心理学にも興味があった。

カウンセラーについても考えてみたけど、やはり「喋れない自分には…」と思ってしまい、結局諦めざるを得なかった。



今は場面緘黙じゃなかったらカウンセラーになりたかったなと思うことがある。


私でも誰かの役に立てるなら、助けになれるなら、しんどい人がいたら手を差し伸べたいと思う。

それが仕事という形でなくてもいいから。



人よりつらい経験をしている人ほど人に優しくなれる、と聞いたことがある。

心に傷があるからこそ人の痛みがわかる。

だからこそ人に優しくなれる。


本当にその通りだなと思う。



誰しもそれぞれ何かを抱えながら生きている。


私は人に優しくできる人になりたいと日々思うのです。