ホストシップだった「おおよど」出港からしばらくして、遂に彼女が白く美しいその姿を現しました。

4本のマスト全てと船尾にチリ国旗を掲げてとても誇らしげです。

チリ海軍練習帆船 「エスメラルダ」

「エスメラルダ」とはスペイン語で「エメラルド」という意味。
1950年、1930年代に起きたスペイン内戦の際にチリに対して負った負債の現物返済として、当時建造途中の爆発事故で損傷し建造が中断されていた海軍練習艦をスペインから譲渡されたのがその生い立ち。

本艦はその船体に対して非常に高い4本マストのバーケンティン型帆船
「バーケンティン」とは、3本以上のマストを有する帆船の1番前のマスト(フォアマスト)だけに横帆を持ち、ほかのマストには縦帆のみ持つものを指します。
ちなみに、日本の航海訓練所が有する日本丸、海王丸は同じ4本マストでも前3本のマストに横帆、最後部のマストに縦帆を持つ「4本マストバーク型」に分類されます。

本練習艦は「浮かぶ大使館」とも呼ばれ、世界300ヶ国にも及ぶ寄港歴があり、日本にも過去何度か姿を見せているそうです。

今回の入港は10月22日。折しも「即位礼正殿の儀」の当日で、両国関係者にとっても非常に感慨深い寄港となったのではないでしょうか。


[ESMERALDA]
Chilean Navy training ship

IMO: 8642799
MMSI: 725019006
Callsign: CCES
船籍: チリ
満載排水量: 3,673t
全長: 113.00m
型幅: 13.11m
喫水: 7m
檣長: 48.5 m
建造: カディス造船所/スペイン 1954
乗員: 390名