毘沙門天は富の神③
鬼子母神のもとになった、パーンチカと
ハーリーティのことを、
「前世の悪魔の誓いによって、
500人もの子どもをとって喰った恐ろしい
悪魔」として物語に登場させたのは
8世紀に活躍した唐の翻訳家による、
「根本說一切有部毘奈耶雜事卷第三十一」
であり、
この鬼子母神の説話は、パーリ語の
原書がみつかってないそうです。
(以下の研究文を参考にしました)
東方研究会専任研究員高橋尭英氏
「クシャン王朝下の北西印度における
ハーリーティとパーンチカの信仰について」
以下引用
小川貫弐先生の論考(『鬼子母神信仰』雄山閣名.23 ー45) で明らかなように、、ーリーティ】と。ハーンチカに関する説話が、パーリ語聖典には見られす法蔵部所伝の『長阿含経』第四分に収められる『世記経』や有部の『説一切有部毘奈耶雑事』などで発展・整備されてゆき、 ーンチカが単なる夜叉から夜又の将軍、果ては仏教の護法神たる夜叉の大将軍にまで地位が高められ、またハーリーティーは、子供の肉を食らう夜叉女から発心、帰仏を経て、豊饒多産と子安を司る善神となっていく。
木や植物の精で土地を守護することから土地という財産を守る豊穣の神となった。
上記ウィキソースで
根本説一切有部毘奈那雜事/巻3第1
中国語(繁体字)がネットで読めます。
これを一応ホンモノとして読みます。
その中にはパーンチカとハーリーティ
が音写されて出てきます。文章の中でパーンチカとハーリーティを特定している、といえるでしょう。
そして、訶利帝母がサプタマートリカーの
カーリーとする推測の理由を示します。
カーリーをWikipedia中文しますと
迦梨 或 迦梨 と目に止まります。
Jiā lí jiā lí
片仮名に直すとジァーリーですね。
(このブログにおける、発音をカタカナに直したものはすべて「なんちゃって」です。ご了承ください。実際にはカタカナにはない音がほとんどですが、便宜上カタカナにし、当時の音とは変化しているかとも思いますが現代の発音を載せます)
しかし説明の始めには「時母」「大黑神女」とあります。この黒の発音はhēi であり
黒利帝母にすると hēi lì dì mǔ
h音のヘイですから、ハーリーティに
近いことがわかります。
また、原典、
「根本說一切有部毘奈耶雜事卷第三十一」
には
「黒いカルマ=前世の悪い行い」に
ついての説話があり、黒いカルマは
原語では「黒雑業」です。
青黒いカーリーのことを大黒神女と
いうのは、黒いカルマと意味が重なって
いるといえないでしょうか。
黒いカルマの文章の前には
「500人の息子が人間の
精を吸い、町の男女をすべて食べている」
というハーリーティに関する文章が
挿しはさまれており、「黒業黒報、
雑業雑報、白業白報」と因果応報を説いて
いるのです。
この説話は漢語でA4で6枚程度ですが、
「運命は以前と同じです」という文が
17回もでてきます。
そして、説話に「ラージャガハにいる
夜叉」の名が「裟多」スゥォトゥォなのですが、
「裟」を調べると、チベットの首都
ラサ「逻娑」の裟です。土蕃都城名なのです。
発音が気になって調べただけですが(笑)
「空港へ行く道」という韓ドラの
主人公の男名のスォドゥオににているなと。
翻訳した義浄は
635-713年の人物で、インドのラーナンダ
寺院に僧として10年過ごしておりインドの
普通話も経典文字もわかっていたでしょう。
ラーナンダ寺院はマガタ州ラージャグリハに
あります。説話にはマガタもラジャガハも
もどちらの地名も出てきます。まるで自身の知っていることを書いている
ように感じてしまいます。
また、裟はそれ自体が「袈裟」を表し、
「袈」の発音はカーリーの訶と同じ
Jia なのです。いつも使ってる言葉は頭に思い
浮かぶ効果があります。
可愛いのを見つけました👇
華ドラを見るほどに
「小白」名のキャラクターが多すぎ
だと思いましたが、清廉潔白な・神聖な・
純粋な存在をそのまま表すのですね。
高位高次存在の光も最上の光は白が混ざります。
長くなります。文字数制限で動けなくなる
ので つづく