サプタマートリカと七母天を探して

 

太った容姿の富の神さまクベーラ インド・カルナーカタ州1050年ころ この神さまが中国仏教に取り込まれて毘沙門天になります 

 

牛に変化した悪魔アシュラを倒した

最強の女神たちが日本でどのような姿に

なったのかを探しています。

いまのところ、

曼荼羅と経典の中に見つけました。

・大悲胎蔵曼荼羅

・大日経義

・理趣経

 

検索において大悲胎蔵曼荼羅の

詳細紹介サイトに出会い、

3サイトで曼荼羅内に以下の

7存在を見つけました。

ただし帝釈女・梵天女の注釈には

「七母天の一人」の

記述はありませんでした。

 

毘紐女 ヴァイシュナヴィー  

自在女 ラウドリー  

夜摩女 ヤミー(ヤマの対)

梵天女 ブラフマーニ  

帝釈女 インドラーニー  

鳩摩利 クマーリ(カウマリ)

遮文荼 シャモンダ       

★サプタマトリカスのナラシンヒ、

ヴァラーヒがおらず、ヤミ―

(閻魔の対)がいますね。

ヴァラーヒにかわって遮文荼が

猪顔のようです。

 

以下中国百度百科の七母天の 記述に 

焰摩天眷属;《大日经义释》」とあり

「大日経の解説書」に閻魔天の眷属としての記述がある、 という意味になります。

それによると以下です。

 

左問拏  チャームンダー 嬌吠哩カウベリ

吠瑟拏微 ヴァイシュナヴィー 嬌麼哩カウマリ

印捺里インドラーニー 勞捺里ロウダリ

末羅呬弭 ヴァラーヒ    

カウベリはサプタマートリカではない

のですが、どうしてもいれたいんですね。

調べたところ、カウベリがなぜか、

ハーリーティ(鬼子母神)と習合している

ようです。

 

このハーリーティがくせもので()

検索が多岐に広がりすぎて難航しました。

その結果チベット、ガンダーラ、イラン・・

最終的にはエジプトまでいってしまいました。

 

そして理趣経です。

空海の「理趣経」の説明のあるサイトでは

閻魔天母 ヤミー  毘沙門天母

惧吠羅天母)カウベリ(クベーラの対) 

毘紐女ヴァイシュナヴィー                          童子天母(鬼子母神のもとになった民間信仰のハーリーティ=訶梨帝母)

帝釈天女インドラーニー 

害天母(または暴悪天母)たぶんカーリー

梵天母 ブラフマーニ  


ここでもナラシンヒ、ヴァラヒ、ラウドリーが入っていませんね。

 

暴悪天母・・・すごいネーミングですね。

毘沙門天母(惧吠羅天母)ですが、

クベーラ(毘沙門天となった存在)の対の女性性です。人間界では配偶者といいましょうか。


インド周辺では富・財の守護者だった­=中国語版Wikipedia記述“クベーラは永遠の命と富の管理者の地位をブラフマーから受け取った”

ことから、人々に好まれたのでしょう。

富の神として、ガンダーラのクシャン朝下の繁栄と庶民の渇仰をあらわした  

「豊穣と富の神ハーリーティとパーンチカ」の諸像群と習合がおきたようです。

(というより、意図的に結び付けた感じがしますが・・・・)

人間風には、クベーラはブラフマーのひ孫にあたり、ブラフマーは神でありクベーラの祖父は創造神です。

 

マラーティ語の百科辞典サイトのハーリーティ記事に出てきました。

ガンダーラにおいて

豊穣と子どもの守護神だったハーリーティが、周辺の地域において富の神クベーラの妻と同存在として認識されていた、ということのようです。

出典👇

マラーティー語google翻訳で読めます。


ガンダーラの原点においては

ハーリーティの相手はパーンチカです。

上述のマラーティー語のサイトより

https://www.flickr.com/photos/commoner/2348420678にもありました。


中国語では般指迦

 

クベーラは中国(結果的に→日本も)

では毘沙門天になり、というより

させられ、パーンチカはスリランカ

の叙事詩マハーワンサで28のヤクシャの大将とされていて、中国において毘沙門天眷属の八大夜叉将軍の散支夜叉になりました。この2人は夜叉の大将ということで混同がおきやすいかもしれません。


散支夜叉 


人間の姿ではないですね。



こちらは、中国からみたインド周辺のアーリア人でしょうか。 

日本でのお姿のひとつ

👇これは絵です。とても上手。


そして、これがガンダーラの

パーンチカです。西暦2-3世紀

背が低い「矮人」というくくりのようです。


原初と中国・日本での姿の違いに驚きびっくりますね。ここまでくるとべつもの、と言った方がいいように思います。


どういう変遷をたどったのか?

足跡の片りんに触れられれば、と思います。

つづく