引き続き、

東野圭吾さんの世界を満喫しておりますニコニコ


この方の発想のユニークさって言うか

想像力の凄さは感心してしまいます。

特に、テレビ放送のあった「ガリレオ」シリーズのように

科学系がお得意のようで、

物語の中に専門的な解説が出てきたりするのは

読んでてチンプンカンプンなんだけど

わからないのに「凄い!」って思っちゃう(笑)

私が理数系ダメなんで特に思っちゃうのかもしれない。


そう言うのが好きなのかな?って思ってたら

著者近影を見ていると、プロフィールが載ってて

電子工学系の大学行ってたんだね!!


道理で(笑)


って思っちゃいました。



さて!

今回読んだのは「パラレルワールド・ラブストーリー」と言う

ちょっと展開が複雑なもので

読んでて「あれ?」って迷子になりそうな

物語でした(笑)


いつものことですが・・・

ココからはネタばれ注意です♪

読んでない方は、これ以上進むのは危険です(笑)


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この物語は、

主人公が二つの世界を

行ったり来たりしてる錯覚に陥りそうな

流れの物語になってます。


現実の世界と現実のように見えるけど現実とは違う世界・・


まさに、パラレルワールドって感じです。


実は、私もこの題材で遥か昔に小説を書いたことがあります。

軍隊と自衛隊とが交差する物語でしたが

途中でブログを消してしまったので

物語が途中で消えてなくなってしまいました(;_;)クスン


そういうこともあり、この題名に惹かれて

段ボールの中にある

沢山の本の中から2番目に読むのをこれと決めて

読み始めたんです。


読んでると次々に主人公の生きてきたと信じてた記憶が

不鮮明になり・・「あれ・・・どうだったんだろう?!」って風に

主人公が悩みだすんです。

そして、おぼろげに見えてくるもう一つの事実。

どっちが本当に自分が体験してきた過去の記憶なのか

主人公はパニックになります!


そして、自分の記憶が揺れ動く中で

主人公は一人の女性をめぐって親友との絆にひびが入り始め

心が揺れ、葛藤し、苦痛を味わいながら想いがねじれて来ます。


しかし、そういう苦痛を感じながらも

もう一つの事実としては、その苦痛を感じずに過ごしていたりする。


一体どっちが本当の自分なのか・・・

どうして、思い出せないことがあるのか・・・


主人公は真実をつかもうと必死にあがき

闘いを始めると

自分のまわりで理解できない出来事に遭遇し始めます。


もうね・・・

読んでてハラハラするし、一体何が起こってるんだ?って

興味をそそられる。


その中に脳科学の実験が絡んできて

会社が絡んできて

恋人まで絡んでる・・・


一体何が本当で誰を信じていいのか解らない中

最後につかんだ事実は衝撃的でした!


人間って良いことも悪いことも記憶として残るでしょ?

でもそれって意味のあることだと思うんです。

嫌な思い出だから消してしまいたいと思っても

その事実自体は消えませんよね。

ただ、時間が経てば

人間の脳って言うのはゆっくりと自己防衛のために

記憶の中で苦痛や痛みと言ったものの記憶を

消してくれる働きがある。

それをうまく利用した物語だったんだけど・・・


私は、嬉しいことも楽しいことも

また、辛いことも哀しいことも

自分の体験した記憶として残ってる方がいい。


辛いから悲しいから本当に消してしまいたいとは思えない。


だってね。

根本からその記憶を消してしまうと

その事実を忘れてしまうってことになる。


たとえば私なら愛犬との死別が辛かった・・・

辛いから・・その辛さから逃げるためにその記憶を消しちゃうと

愛犬と出会った記憶から全部消えてしまう。

愛犬が居なかったことになってしまう・・・・


そんなのは嫌だもの!!


それだけじゃない。

病気と闘って来たのだってかなり辛かったけど

その時の辛さを持ってると思いだすたびに発作出るからって

記憶を消してしまったら・・・

私がそこで学んだことが全部なくなってしまう・・


そんなの嫌だもの!!


どれも私の一部であり

私の積み重ねてきたものだから。


それを経験して乗り越えたから今の自分がいるって思えるし

痛みや悲しみを経験した数が多い方が

人間の感受性は豊かになると思ったりするんだ~


だから避けて通ったり、消してしまっちゃいけない部分なんじゃないかって思う。

受け止めるのは、並大抵の精神力では出来ないけど

自分が乗り越えられない壁って出来ないって言うから

時間がかかっても越えられると思えば

それもまた長い道のりの一つって思えたりするのよね。


人生の道のりは先が見えないほど長いから

その道のりで何があってもおかしくないんだもの。


ド~ンと構えて行きましょう(笑)


なんて気持ちになりました。


この物語、展開も面白かったけど

色んなことを考えさせられる話だった。


恋あり、三角関係あり、仕事仲間としての嫉妬あり

友情についてもそうだし

人の心って簡単なもんじゃないって言うのが

伝わってくるお話です。


複雑な物語で話が前後したり、現実?記憶の中?って

迷子になっちゃいそうになりましたけど

読み応えのある小説でした☆


この小説を選んで買ってきたってことは・・・

いやぁ~私の友達はセンスがいい(*^^)v